アクション
「……ん?」
ぐらりと地面が揺れた
「アリス、ザクラ、何事かな?」
「うーむ……なんかでたんじゃねぇか?」
「私もそう思いますね」
「そうか……ザクラ、行くか?」
「お、そうだな、運動にちょうどいいしなぁ」
そういえばこの3人の中で戦えるのは僕とザクラだけだ
魔族は黒から離れれば離れるほど、血が薄くなり人間に近づく。
だからアリスはかなり人間よりの魔族なのだ。
……まぁ、僕とザクラだけで十分事足りるだろうね
「……あ、あそこのでかい影が地鳴りの原因かな?」
「そうかもな、そう言えば外に出たの何年ぶりだ?
俺との訓練は抜きな?」
「……初めてかな?」
「だよなぁ……だったら外がどんな感じなのかわかってないだろ?」
「……まぁ、そこは影の主を叩いてからにしようか」
「ま、そうだなー」
そうして向かった先にいたのは……大きな大きな赤黒いドラゴン
「……あれってザクラの知り合いかな?」
「……顔見えないな……ってか人と戦ってるな」
「!?あれって何!?」
僕達の方を指さしてくるリーダーらしき男
「……む?……その姿は……ザクラ様!?」
「……あ!お前は!ローズ!?」
「あれローズさんなの!?」
ローズさんは僕もよく知っている
よく魔王城にまで足を運んで一緒にコーヒーを飲んだりした仲だ……まだ生きていてくれたんだな
「いやー!久しぶりですねー!
こっちの姿だとなにか違和感がありますか?
……ちょっと待ってくださいね、人化の魔法を使いますので……」
そう言って人の形に……見慣れた赤い髪の女性になった。
「あ、その姿はやっぱりローズさんですか、お久しぶりですね」
「えぇ、ネーヴェ様、おひさしぶりです
ザクラ様も、お久しぶりですね」
「お、おう、それでお前何してるんだ?」
「そうでした!聞いてください!
久しぶりに羽広げて飛び回ろうと思ったらこの人間達に攻撃されたんですよ!?
せっかくネーヴェ様が頑張って平和条約を結んだのに!」
「?何を言ってるんだ?
その条約は50年前に魔族の方からの攻撃によって破られただろう!?」
リーダーらしき男がそう言ってくる
「「「はぁ!?」」」
僕、ザクラ、ローズさんの3人が同時に驚いた