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爆走シュリンプ エビちゃん!  作者: 芭奈菜みかん
3/5

バブルブ博士の秘密

なんの説明もなく始めます。

「いつもチコクしてると、留年するかもねえ。」

「リュウネン?」

ここは、エビちゃんが通っている小学校。

エビちゃんは友達とおしゃべりしている。

「そ。もういっかい4年生をやり直すの。来年はひとりだけ5年生になれないの。」

エビちゃんはタコル星人退治のため、遅刻をしたり、途中で退室したりすることが多いのだ。

街の平和のためなので、仕方ないのである。

エビちゃんは、ひとりだけ来年も4年生のままの自分を想像した。

まわりの子はみんな1才年下で、担任は今のままである。

ぞぞぞ。

いやだ。いやすぎる。

「ねえ、ほんとに。ほんとにそんなことあるの。」

「あるかもねえ。あるんじゃないかなあ。」

担任の先生に聞いてみる。

「はっはっは。留年か。クニサキならあるかもしれんな。はっはっは。」

「なにがおかしいんですか。」

「いや、すまんすまん。小学生が留年なんて、聞いたこともなかったからな。だが、お前なら

あるかも知れんぞ。はっはっは。」

なんだこいつ。

エビちゃんは腹が立った。

もう相談するもんか。


「ほっほっほ。安心しなさい。博士も中学校には通っておらん。小学校の時に追い出されてそれっきりじゃ。」

放課後。

学校での話を、博士にも聞いてみた。

ダメだこりゃ。

博士と同じ道をたどるなんてまっぴらごめんだ。

「そんな顔するでない。わかった。博士が学校の人に話をつけといてやろう。こう見えて、顔が利くので大丈夫じゃ。」

ほんとかなあ。

エビちゃんは、博士の発明品以外のところは全然信用していない。

「よし、できたぞ。」

エビちゃんの不安をよそに、博士は嬉しそうな声を上げる。

「お手伝いロボット、ミチコさんVer.12の完成じゃ。」

博士は、理想のメイドロボを完成させることが夢である。

しかしこれまで何度も失敗している。

「今度は成功したぞい。心臓部のDHバッテリーのデキも最高じゃ。」

DHバッテリー。

カクユウゴウギジュツ(核融合技術)を軸にしたニジュウラセンガタジュンカンキカン(二重螺旋形循環機関)。

この部品の発明も、メイドロボットの研究も、博士は他人には秘密にしている。

「よっし、いくぞおおお。ポチっとな。」

ポチ。

ロボットの腹部にある起動スイッチを押す。

見た目は10代の女の子だ。

すでにメイド服姿のそのロボットに、命を吹き込む。

顔だけ見るとほとんど人間と変わらない。

耳にだけ、機械的な部品が装着されている。

スイッチを押して数十秒、ロボットの顔に赤みが差してきた。

「きたきたきたきた。こい、ミチコ!立て!立つんだ!!」

博士の興奮をよそに、エビちゃんは冷静に状況を見つめる。

ビー!ビー!ビー!ビー!

やはり。

鳴り響く警告音。

「どうした、頑張れミチコ。ミチコ頑張れ。」

エビちゃんは、そっと博士の研究室を後にした。

いつものことである。

ドカーーーーーーーン!!!!!!

「ミチコぉぉぉぉぉおお!!!」

研究室は頑丈だ。

大丈夫。

今日も一日、平和な街を守ったエビちゃんであった。


次回「エビちゃん、おつかいに行く」


DHバッテリーをちょっと解説。

空想の近未来エネルギー源、みたいなところ。

実用化されていない核融合炉、そのD-3He反応(重水素とヘリウムの反応)から連想して

大渦ディーネー(Dine)と太陽ヘリオス(Helios)が

二重螺旋(Doublie Helix)となり、小さな杖(Bacterion、Batteryに似てる)の形をしているイメージ。

うーん。

現状、ギリシャ語や核融合の知識が足りないので、参考程度に。

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