花の魔術師と仲間
昼飯を買い終わった頃に、進藤からのmoinがきた。
『ねえ、今から遊べますか?』
進藤さんからのお誘いだ。受けるに決まってるだろう。俺は直ぐに「遊べるよ!」と返信した。
ていうか、進藤さん休日まで俺とゲームするとかもしかして友達いないのかな?
そう思ってると進藤さんから、
『ありがとうございます。 1時に最初に会った噴水のところで』
ときたので「了解」と返しておいた。
まあ、友達がいないなんてぼっちの俺と同じにしたらダメだよな。
そして今日、
12時から12時30分の間にゲーム内時間加速のアップデートが行われるため、俺はその間に《世界樹》で検索上位の経験値大量獲得モンスター、ゴールドスライム!とあったのでこのことを調べると、
スライムに限らず他のモンスターにも経験値が大量にゲットできるようなレアモンスターがいることがわかった。
そうとわかると俺は進藤に
「今日は、レアモンスターってやつを狙って狩する?」
とmoinを送る。すると進藤も同じことを考えていたようで、
『天野君もその記事見たんですね。私もゲームにログインしたらその提案をしようと思ってたんです!
その案、もちろん賛成です!』
と返ってきた。
それからは、あとどんなことをするのか話し合った。そして気づけば12時58分。
もうそろそろログインする時間だ。アップデートされたらしいけどどうなっているのかな? とか思いながら今日2回目の《GATE》を被ってログインした。
目を開くとそこは朝始めて植物魔法を使ったあの場所だった。
それから俺は走って噴水の場所まで行った。
レベルが上がったおかげで、昨日とは比べものにならないスピードが出ていた。
今日の朝は草原まで行くのに5分はかかっていたのに今回は2分もかからずに噴水までつくことができた。
「こっちです! ローズ!」
噴水についた頃にはイシュタルはもうついていたようで手を大きく振って俺に場所を教えてくれている。その姿が可愛らしくて、このまま見続けていたいぐらいだ。
「まったか? イシュタル。待たせたならごめん」
「全然待ってません。こういうのカップルのデート前みたいですね」
そう言ってイシュタルは笑うが、俺は彼女いない歴=年齢の男だ。こんなこと言われて意識しない方がどうかしてる。意識し始めるとどんどん顔が赤くなるのがわかる。
確かにこの会話だけ聴くとカップルのデート前のようだ。
俺が顔を赤くして黙っていると、
イシュタルも自分がどんなことを言ったのか分かったようで、どんどんと顔を湯気でも出そうなほど真っ赤にしていた。
「あっ。えっと別にそういうつもりで言ったんじゃないですよ。 えっと、私彼氏がいたことなかったので、カップルの皆さんはこんな感じなのかな〜と思っただけです。」
「そ、そうだよな! あははははは。 は、早く行こうぜ!」
進藤さん、彼氏いないんだ。
思わぬ収穫を得た。
「そうですね! 早くいきましょう!」
◆
草原に着く頃には、俺たちは落ち着きを取り戻し、
現在イシュタルと共にスライムのレアモンスターを狙って狩りをしている。
「なかなか出ませんね。」
「そうだな。ならあれやろうかな。」
俺のストレージには、朝殲滅させた分のスライムゼリーがありこのままだとストレージの容量を大きく超えるだろう。だから、俺は探してもらちがあかないなら、いっそ全部倒すしかないと思ったわけだ。
「あれ、ですか?」
「そ。植物魔法。今日の朝始めて使ったんだけど魔力消費量多かったけどすげー強いやつ」
「ということは、その職業とスキルははずれじゃなかったんですね!」
イシュタルなんか俺よりも喜んでる気がするんだが気のせい?
「ハズレではなかったかも。 レベルもあげないとだから、パーティー申請していいか?」
「はい!どうぞ。」
《イシュタルがパーティーに加入しました。》
【松瀬共矢から読者の皆様へのお願い】
『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。
感想もお待ちしております。
レビュー、をしていただけるとなお嬉しいです。