運営 NO.2
「高岩部長…聖明山攻略されました。」
「冗談はよせ橘君。あれはスキルポイントで得られるスキルがないと無理なダンジョンだ。 そのアップデートもしてないのにクリアなんてできるはずないだろ?」
高岩部長…株式会社アルトリア《Gift seed》企画班責任者であり、36歳独身の男性。
そんな彼と、様々な部署を行ったり来たりしている、橘 秋人は、午後10時を超えて定時で帰る人の多いこの会社の自販機横のベンチに座りで日頃の海野さんのことやこれからの《Gift seed》について話し合っていた。
「部長…真面目な話です。これ見てください。」
橘は愛用のタブレットに保存してあった映像を高岩部長に見せる。
その画面には、四人のプレイヤーが羅鬼と激しい戦いを繰り広げ羅鬼を打ち破り奥に進むまでの短い映像が保存されていた。
それを見た高岩部長は顔を青くし、飲んでいた缶コーヒーを置き、スマートフォンを弄り出し耳に当てる。
「おい! 新島か!今すぐ会社に来い。聖明山が攻略されてる。………嘘だと? 誰がこんな嘘をつくこんな嘘をつくほど私が暇じゃないのはお前が一番知っているだろう! 電話を切ったら、他の奴らにも電話をしておけ。」
そう言って高岩部長は電話を切ると、
「橘すまん。仕事ができた。この埋め合わせはまた今度だ。」
そう言い残し、高岩部長はエレベーターに向かって走っていった。
残された缶コーヒーをゴミ箱に投げ、タブレットの映像を元に橘は映像に映るプレイヤーの情報を探る。
「えっと〜。このプレイヤーは…イシュタルと、シュート、アイカと、オキタ?ランキング上位のプレイヤーが集まってるな〜。 それにしても、影山に到達したプレイヤーもいるなんてね。こっちは、ローズと、ミナ?ミナって聞いたことないな。 固有スキル見てみるか……うっわ。えげつないスキルだな〜。これは僕の手には負えないし海野さんに丸投げかな。」
橘声は誰もいない通路に響き、その声はどこか楽しげにだった。
◆
「高岩部長。遅れてすみません。」
「長谷川か! みんなもう動いている。お前はプレイヤーが不正をしていなかったか探れ。」
「分かりました。」
午後11時。普段なら電気も消え人っ子一人いないはずのオフィスの中は今日は電気が灯り中では多くの人が動き回っている。
「新島。試練にバグはなかったか?」
「えっとですね〜。ユニーククエストが発生してましてそれのせいで余計に難しくなってるはずですよ?」
「ユニーククエスト?あそこのユニーククエストは影山との連動だろ? 影山には何かなかったのか?」
「ローズとミナってプレイヤーが入ってます。現在もダンジョン内にいるとなってますが、姿は確認できません。 最後にスキルを使った形跡があるのでスキルの効果かと」
「とりあえず、聖明山と影山はプレイヤーが出たら封鎖だ。」
「はい。」
「他の奴らも、システムにバグがないか探れ!」
「「「「はい!!」」」」
そして高岩はオフィスを出てある部屋に向かう。
暗証番号を入力し、指紋もチェック。
それをクリアできる人間は各部署1人のみ。
そんな高岩は、『ガチャン』とドアノブを回し部屋に入る。
部屋に入ると自動で部屋の明かりがついていく。そこには大きなスクリーンがあり、高岩が近くのパソコンである操作をすると、
スクリーンに一体の銀色の犬が現れた。
『ん〜?誰〜?パパじゃない。』
「高岩だよ。」
『あっ。高岩おじさんか!どうしたの?私に何か用?』
「フェンリ最近スキル作るの遊んでないか?」
『ふぇ!? あの、えーと、』
フェンリは顔と目を逸らし目を泳がせている。
ダメだなこりゃ。
「フェンリ次遊んでたら海野さんに言いつけるぞ」
『えー!? パパに〜。』
「そうだ。 あとこれからスキルポイントでのスキル購入が可能になるように開発が進められている。
そのスキルも面白半分で使ったらダメだ。
いい子にできてたら……」
『できてたら〜』
「俺から海野さんに『フェンリはすごく頑張ってました〜。褒めてやったください!』って言ってやる。」
高岩は裏声を上手に使い、フェンリを誘導していく。
『ほんと? 嘘ついたら許さないよ。』
「ああ、約束は守る。」
『そっか! じゃあ早速頑張ってくるね!』
そう言ってフェンリはモニターから姿を消す。
だが、そのモニターに次に現れたのは赤色の小鳥。
ポイニだ。
『おい高ちゃん。あんなこと言ってていいいのかよ。もし海野さんに褒められなかったらフェンリ一週間は仕事しねーぞ。』
「ポイニ君か、そうだな。これは重要案件として海野さんにもっていくしかないな。あははは」
『はははは。 相変わらず高ちゃんの重要度低くねーか? そんで頼まれてた情報だが、ローズとミナは未だ影山にいる。だがな、姿っていうか気配も感じない。多分そこにまだ入ってる、ってことになってるだけで他の場所にいるのかもしれない。
あと、イシュタルが手に入れたのは、『変幻の武器』
オキタは、『霊英刀』シュートは『最果ての弓』
アイカは『想像の糸』だ。』
「やっぱりか、あの武器は本来もっと後になって手に入れれるものなんだがな。まあ、そこがVRMMOの面白さでもあるんだけど運営陣からしたらたまったもんじゃない」
『特にイシュタルとローズだな。影ローズを倒すための最後の攻撃もイシュタルの千本桜がなかったら倒し切れてなかっただろうし、あとローズだな。こいつはスキルの可能性を広げすぎてる。あいつならあと少しで、スキル進化の可能性あるんじゃねーのか?』
「多分あるだろうな。《Gift seed》最初のスキル進化者になる日も近いかもしれない。 最後にあのミナってプレイヤーのスキルは分かっているのかい?」
『あー。あいつか、あいつの固有スキルは、』
最後のやつは書き忘れとかじゃないですよ。
読者の皆さんもどんなスキルなのか予想してください。
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