天野楽と進藤天音
パーダの声を聞いたあと俺の視界は、
暗闇に包まれた。
目に光が戻るとそこには、大きな噴水があり、その周りには俺と同じの初心者らしき人がそこら中にいた。
「えっと確かステータスって言えば良かったんだっけ。『ステータス』」
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名前:ローズ
種族:未定
職業:無職 Lv0
筋力:0
防御:0
魔力:0
敏捷:0
幸運:0
【固有スキル】
『未開花』
【装備】
頭:無し
体:無し
腕:無し
足:無し
右手:無し
左手:無し
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これだけか……スキルもないし、職業もない。種族も未定とか今の俺なんなの?
ステータスプレートが浮かんでいる横には、痛覚設定とかフレンド機能もあるようだが、後で確認しようと思う。
今は、時刻の確認が先だ。
現在時刻は四時五十七分。
待ち合わせの時間的にちょうどいい時間だな。
そう思いステータスを閉じると
「もしかして、天野君?」
後ろから声がかけられたが、この声は間違いなく
「進藤さんですよね。その声」
「やっぱり! 良かったです!」
進藤さんは相変わらず美人で、学校など普段の時は黒髪なのにゲームでは銀髪だ。
銀髪でも可愛いんだけどね。
しかも目の色は俺と同じ水色でお揃いって感じで嬉しい。
「進藤さんのプレイヤーネーム何ですか?俺のはローズです。」
「えっと、イシュタルにしました。」
イシュタルって確か女神様だった気がする。まあ可愛さ天使級だからいいんだけど。
「じゃあイシュタル。これから何する?」
「まずは、才能の種を開花させないといけません。」
「どうやって?」
「……………知りません。」
「ん?………聞こえなかった。もう一回言って。」
「知りません。すみません知らないんです。何も調べてませんでした。私のサーチ不足です。 本当にすみません。」
「マジですか。まぁ俺も知りませんし、別に進、イシュタルが悪いことでもないですよ。え〜と、ということは地道にやっていくしかないですよね。」
そう言って俺たちは街を歩きながら今後の目標を決めることにした。
「進じゃなかった、イシュタルは種族とかどうなってます?俺未定なんですけど。」
「私も未定です。多分《才能の種》が開花したらわかるんだと思います。あと敬語じゃなくていいですよ。同級生なんですから。」
「そうですか。」
「敬語じゃなくていいんです。委員長と喋ってる時タメ口だったじゃないですか。私だけ仲間外れですか?というか天野君。前から気になってたんだけど何で顔を髪で隠してるんですか? もったいないと思いますよ?」
「わ、分かった。タメ口でいくよ。あと顔を隠してるのは、めんどくさいし、そういうの全く興味ないからさ。」
「きょ、興味がないですか…なら、ゲーム内で髪の毛切ってみませんか?」
「う〜ん、まぁこの機会に切るのも悪くないかもなゲームだし。」
「そうと決まれば早く髪の毛切りにいきましょう!」
イシュタルが急に元気になった気がするのは気のせいかな?
◆
「お客様、こんな感じでどうでしょうか」
「あ、はい。大丈夫です。ありがとうございました」
髪を切り終えた俺はイシュタルの方に向かう。
イシュタルはステータス画面で細かい設定をしているようだ。
「イシュタル。こんな感じなんだけどどう?」
普段、進藤さんとは話さないのに、ゲームでこんなに喋ることになるとは思ってなかったが、嬉しいことだな。
「ん///〜〜〜〜」
なんか悶絶してんだけど大丈夫か?
「さ、最高です。 元々カッコいいと思っていましたが、ここまでとは……流石天野君です」
最後の方は聞こえなかったが最高って言ってくれた。
めっちゃ嬉しいんだけど。
可愛い子にかっこいいとか言われるのってこんなに嬉しいんだ。
そのあと、武器を見て職業がこんなのだったらこの武器にとか言い合ったり、
街を見て回るうちに街の街灯に灯りがつき始めた。
「そ、それじゃあもう夜も遅いことですし、また明日遊びましょう」
確かに、ゲーム内と現実の時間は同じでもう空の太陽は沈みかけている。ステータス画面を出し時間を確認すると九時になろうとしていた。
今後時間加速機能がつくとか言ってたから今後はもっと長い時間遊べるだろう。
「ああ、今日はありがとう。また明日遊ぼうな」
俺たちは最後に
「「おやすみ」」
と言ってログアウトした。
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