花の魔術師と炎の木
散り桜、これは俺が一番最初に修得した魔法であり、一番使用パターンに可能性がある魔法だ。
その散り桜に炎を付与すれば、なんということでしょう。桜の木が燃えあたりを照らす光となっています。
と言いたいが桜の木は燃え落ちるのがおちだ。
だから俺は、散り桜の威力を最大にし、炎まで付与したのだ。
俺の予想が正しければ、この影の兵士たちは『光』に弱いはずだ。
影や暗闇の対になる言葉はいつだって、光に関係する言葉だ。
そして威力を最大にした意味は、込めた分だけ威力を増すという散り桜の力を利用して、炎の威力もあげようと思ったわけだが、
現れた木は炎で光り、桜の花も炎になっていた。
これじゃまるで炎の木と言ったほうがいいかも…
「楽兄これで倒せるの?」
「知らねーよやるだけやるって言っただろ? 賭けだ」
ミナは不安そうな顔で聞いてくるが、
これが賭けであるのは事実。この魔法がどう展開するのかは俺にもよくわからない。
そして散りゆく桜は影の兵士達にあたると、その影を薄くさせ消えていった。
その数も時が経つにつれどんどんと減る。
思いの外、簡単に終わることができたことに安堵する。
だがそこで気を抜いてはいけない。
後ろの方にいた影魔道士達はまだ生存しており俺たちに水、風、闇、炎、などの魔法を放ってくる。
ミナはその魔法を何食わぬ顔で避けているが俺はそうもいかない。
回避するだけの技術もないから耐え切るしかない。
俺は耐え切るための魔法、各属性共通魔法『ウォール』を使う。
ウォールは壁を作る魔法でどの属性の魔法でも放つことができる。差があるのは使う属性により壁の能力が変わるという点だけだ。
水なら水の壁、全ての攻撃の威力を軽減させたりすることができる。風なら攻撃スピードを下げ自身が回避しやすくする。などと能力が違う。
俺の作るウォールは花の茎が絡み合ってできた壁だ。
このダンジョンの地面から生えているので頑丈だというのは見てわかる。
「楽兄、次はどうするの?」
「考えてない」
「え?」
「考えてない」
「二回言わなくていいから。」
考えてないのも事実だが、
実は現在どうすればいいのかを高速で考えてる最中なのだ。
と言っても何も打開策は浮かばないのだが……
「よしミナお前が行こう。人間鈍器だ。」
「やだよ!!! やるなら楽兄でしょ!!」
「俺だってやだよ! 痛いもん!」
「じゃあやらなかったらいいじゃん!」
「それもそうだな。 別のにしよう。」
えっと〜それじゃあまず魔法を使わないと俺の力は発揮できないだろ〜そんでその魔法を出すには……魔力が必要で魔力を回復させるには、あっ!!魔力回復できるの食べ物でもいいんだった!
魔力の回復。それはゲーム内で食事をすることで回復することが最近明らかになったのだ。このことで食べ物専門の生産職の人がお店を出したりしてるらしい。
中でもキウナタというデザート専門店が人気で連日行列が絶えない。
そのキウナタのデザート一日10個限定商品引換券が当たったんだった!!
やばい。早く食いたい。
早くこのダンジョンをクリアしないと!
「ミナ!キウナタの10個限定商品ちょっと分けてやるからお前のできる攻撃全部しろ!!」
「キウナタ!? マジで言ってんの楽兄!!やるやる!」
さすが俺の妹買い物には目がないな。
「植物魔法。 桜花爛漫!」
知っている花のつく四字熟語を叫んでみたがどうだ?
もしかしたら発動する………してる!!!!!
散り桜とは明らか違う量の桜の花びらが咲き乱れている。
その花びらは、数を今も増やし続けている。
「うぉおおおおおおお!!」
影の魔導師達は花びらに体を覆い尽くされ手品のように外の花びらだけを残して消え去った。
「楽兄!? 何よそれ!それを最初からやってたら苦戦せずに済んだじゃない!」
「やったらできたんだよ! 早くこのダンジョンから出るぞ!キウナタのデザート買いに行くぞ!」
「あとでそれの発動どうやったか教えてよね! てかマジでキウナタのデザート食えるの?! やったーーー!!」
俺たちがそうやって喜んでいると部屋のあちこちから視線を感じる。
「ミナ…早く帰ろうぜ」
「うん早く帰ろ。なんかここ怖いし」
ダンジョンを出ようとすると、部屋の出口を二体の石像の騎士が唯一の出口を塞ぐ。
「次はこの石像ってか?」
「もうやだ〜帰りたーい」
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