花の魔術師と影の軍団
「あれってスキルじゃないんだよな……」
「楽兄!! 早く敵倒してよー!!こっちもそんなに長く持たないよ。」
そう言いながらミナはゴブリンの攻撃を避ける。
これはスキルではないのはさっきミナのステータスを見たから知ってるのだが、これは……
凄すぎやしないか?
スキルじゃないってことは、現実でもこれと同じことができるっていうことだ。こんなことできるなんて聞いてないんだけど………
「分かってる。 今倒すから。」
俺はミナの動きに少しの時間驚いて動かなかったがミナの声により自分が何をするか思い出し、ゴブリンの頭を杖で殴る。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
やはり頭を殴られたら痛いようだ。
まぁ鉄だし痛いのは当然と言えるだろう。だが俺にもっと力があれば1発で倒してあげれてたのに…
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ」
まぁ今言ってもしょうがないから俺はその調子でゴブリンをひたすら殴っていく。
殴るのは決していい気分ではない。
何故なら頭を殴ると途中でぐにゃりと柔らかいものに当たってそれが脳だと思うと気持ち悪くて仕方がないからだ。
「楽兄。終わった?」
「終わった……」
ゴブリンとの戦闘が終わる頃には殴ったあとピクピクと体を痙攣させていたゴブリンが全く動かなくなっていた。
そして今までゴブリンの体を覆っていた黒いモヤは消え普通のゴブリンが姿を現した。
「ここってなんなの?」
「そんなの俺が知るかよ」
戦闘が終わって改めて周りを見るが石像たちがこちらを見ているようできみ悪い。
「楽兄? か、………影が……」
ミナは顔を真っ青にして俺の背後を指差す。
俺はミナの指した場所を見ると俺の影があるはずのところに影がないのだ。
ミナの方を見ると皆も同様影が消えていた。
それとほぼ同時期に周りを囲んでいた石像の影から、
石像と同じ格好の影の兵隊が出てきた。
出てきた兵隊は、槍、剣、斧、盾、杖を持っており件を持っているやつだけでも普通の戦士っぽいやつと騎士っぽい奴に分かれている。
出てきた影の兵隊は80を超える。
下手したら一個の軍隊を作れるだろう。
「これ無理ゲーじゃね?」
「無理だーーー!!私逃げるからね!」
「おい待て。 兄を見捨てるのは良くないと思う。」
「楽兄無理だって早く逃げようよ!!」
「ミナよ、お前のスピードじゃ逃げ切れないし俺たちもうロックオンされてんだわ」
そう影の兵隊はゆっくりとではあるがこちらに近づいてきている。
「うわーーーーーーん。無理だよ〜〜死ぬーーーー」
妹は諦めモードに入りなく真似をしている。
確かにこのままじゃ死ぬのは当たり前だ。
だがここで諦めたらこのダンジョン探索、に使った時間が無駄になる。
「やるだけやるぞミナ。無駄になるぐらいなら足掻くぞ。あの時みたいに何もしないで終わるのは嫌だろ?」
俺はそう言って影の軍隊に向かって散り桜を放つ。
散り桜は実は当たったら即死などというチート能力ではない。
ならどういう魔法なのかというと、込める魔力により威力が増減するって魔法なのだ。
だがこれも効くかどうかは分からない。
「ミナは敵の攻撃をかわして発掘師の能力で影を掘って敵の能力調べろ!!」
こんなの出来るか分からないが嘘泣きしてるミナに叫んで伝える。
すると嘘泣きをすぐにやめ、イラつきながら反論してきた。
「は??? 影を掘るなんてそんなんできるわけないじゃん!」
「わかんねーだろ! この際一か八かだ!」
これは俺たちの初デスをかけた勝負だ。
やるだけやらないと死んでも死にきれない。
「私たちが死んだら現実の方で家事1ヶ月はしてもらうからね!!」
「わかった!!! ってこれお前が行こうって言ったんじゃねーか!」
「わかったって言ったもん。 とりあえず私は掘ってくるよ!」
「あーもう! くそ! 頼んだぞ!」
「頼まれた!」
ミナは敵の攻撃をかわしてスコップで影の兵隊の体を抉り掘る。
「楽兄! こいつらあの像から送られる魔力で何度でも蘇るよ! でも再召喚するにも魔力使うから倒しまくるしかないよ!!」
「マジか!」
敵はほぼ不死身の戦士。相手の魔力が減るのより俺の魔力が尽きる方が先なのは確実だろう。
だがこの不条理を覆してこそ男だろ!!
「やってやる。散り桜!最大出りょ!!」
「楽兄!何やってんの天井潰れちゃ…うよ?」
あっやっべ!崩壊したら元も子もないじゃねーか!
あれ? 潰れないぞ?
どうなってんだよ。
でも潰れないのは今はラッキーだ!
「改めて〜〜。いやここはあれだな! 散り桜タイプ炎最大出力!!」
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