花の魔術師と発掘師
「ここが影山だよ。」
やってきたのは、武器製作などに必要な鉱石が沢山取れることで有名な『武幽山』の裏側の小さな小川の先にある影に隠れる小さな丘だ。
「山じゃねー。これ丘じゃん。どこが山なんだよ。」
「影山がここの正式名称。万能検索がそう言ってる。」
そう答える七海のステータスはこれだ。
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名前:ミナ
種族:人族
職業:探検家 Lv 5
筋力:7
防御:10
魔力:6
敏捷:12
幸運:8
【固有スキル】
『発掘師』
【装備】
頭:無し
体:無し
腕:無し
足:無し
右手:コンパス
左手:無し
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よくこれでダンジョンに潜ろうと思ったものだ。
ちなみに名前のミナの由来は七海をカタカナにしてナナミそれを反対にしてミナナ。
ナが多いので一つナを消しただけだと言っていた。
てっきり職業もすごい奴なんだろうと思っていたが普通の『探検家』だった。
だが、このゲームは、固有スキルも職業も成長させることができる。それが強みだ。
つまり、職業や固有スキルも進化あるいは強化される可能性もあるのだ。
俺のように最初から訳の分からない職業のやつの方が少ないしな。
「その影山にはどうやって入るんだ? どう考えてもこの大きさじゃ俺たち入らないらないだろ」
「それは大丈夫。日が沈むときにここにいれば入れる。」
「それ、間違ってたらもう二度とこんなんに付き合わないからな」
◆
ゲーム内の日が沈みだすと丘の影の中から下へと続く階段が段々と現れてくる。
階段の大きさは影の大きさに比例して大きくなっていく。
「ほらね。私のいうことは間違ってないんだよ。」
「よくもまあそんなヘラヘラと。ついさっきまで本当にここに現れるのか内心不安だったくせに。」
「へ、変なこと言うな! 別に不安になったりしてないから!」
「はいはい。わかったから。 さっと攻略して飯食うぞ。」
「本当にわかってるの?! 楽兄。ってちょっと待ってよ。」
俺はそんなこと気にせず現れた階段を下る。
降った先には大きな部屋があり、そこへ足を踏み入れた瞬間、久しく聴いてなかったシステムの声が聞こえた。
《ダンジョン、影山を初めて発見しました。》
「マジで未発見のダンジョンだったのか……」
「は?! 今まで私が嘘ついてると思ってたの?」
「うん。」
「正直に言わんでもいいのよ!!」
ミナは怒っているがそんなことはどうでもいい。
どうでもいいとか言ったらさらに怒られるから言葉には出さないけど……
なぜどうでもいいのか。それはこのダンジョンに理由がある。
まず暗すぎる。いくらダンジョンだからと言っても今いる場所を少しでも離れたら周りがどうなってるのかもわからないダンジョンなんか聞いたことない。
もう一つは、モンスターの声が聞こえないこと。
モンスターが出てこないのはいいことなのだが、ダンジョンでこれだけ静かなのはおかしい気がする。
「楽兄これって」
「やばいと思うけど…」
「そうだよね。やっぱり一回帰って出直してこよ?」
「それがいいな。」
俺たちは決して暗闇に背を向けないようにゆっくりと後退していくが、いくら進んでも階段にたどりつかない。
不思議に思った俺は後ろを見るとなんとそこに階段はもうなかった。
「ミナ。ダンジョンから出られねーわこれ」
「冗談じゃないよね楽兄。」
「ここで冗談なんか言えるかよ、馬鹿」
「進むしかないの?」
「進むしかない。 出口って言ってもダンジョン攻略するか、死ぬかだろ?ゲームだからって死ぬのは嫌だしダンジョン攻略するしかないだろ。」
「マジ最悪。」
「それは同感だな。」
こりゃ攻略するのに時間かかるだろうな〜
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