天野楽とログイン
家に帰った俺は、VRMMO専用ヘッドホン型のゲーム機《GATE》で早速ゲーム開始の準備を始める。
その時、俺のスマートフォンから通知音が聞こえる。
スマホの画面には、『進藤天音さんからの新着メッセージ』とある。
俺は、進藤に連絡先教えてないんだが⁉︎ 何で!?
スマホのロックを外し届いたメッセージを見ると、
『何時からログインする?』
とあった。進藤さんのmoinのアイコンは盆栽だ。
何故に盆栽?
俺は、それに対し
『五時からにしよう。 てか何で俺のmoinしってんだ?』
と送った。moinは無料で通話、メッセージのやり取りができるアプリだ。moinは人に自分が教えるか、
人が俺のmoinを教えるかしか登録方法はない。
ちなみに俺のmoinアイコンは自作のへのへのもへじだ。
moinを送ると直ぐに進藤はすぐに返信してきた。
『何でって、クラスmoinから追加したからです。あと五時ね。了解。』
クラスmoinか、そういえば入ってたな。
クラスmoinはクラス全員が入っているmoinグループ。そこからゲットしたのか。ちなみに俺は通知がうるさすぎるから通知オフにしてる系のやつである。
学校に一人はいるだろう。
納得した俺は、ゲームにログインするための、
メールアドレス、を登録してソフトを入れる。
これは、このゲーム専用のスマホアプリと連動する際に必要だとかなんとか、
《GATE》に電源を入れるとブォンと変な音と共に
電源ランプに緑の光が灯る。
俺はベッドに寝転び《GATE》を被る。
《GATE》を被るとログアウトするまで現実の体は動かない。
このゲーム機は、1年前に発売したVRMMO専用のゲーム機だ。
出た当初は危険だ! これをつければ死ぬ!
などと言われていたが今では家庭に一台は必ずあると言ってもいいほど普及されている。
使い方は簡単電源とソフトを入れて寝るだけ。これは
《猿でもわかるゲーム機の使い方》という間野賞を取ったすごい本に書いてあったことだ。
何故この本の内容を知っているのかはお察しの通りだ。
早速《GATE》を使って《Gift seed》にログインする。
現在時刻四時四十五分、五分前にはログインしときたいからもうやってもいいだろう。
すると俺の目の前には、《Gift seed》と大きな文字が現れ、その直後文字が消えその文字があった場所に、
銀色の木のみがなる大きな木が現れた。
「やあ。こんにちは。《Gift seed》へようこそ!」
声のする方に目を向けると、パンダのぬいぐるみがこちらを向いている。
「パンダ?」
「間違ってはいないね。 僕は《Gift seed》管理AI初期設定担当パーダだよ。よろしく。」
パーダは小さなその手で俺に握手を求めてきた。
求められたからには握手をするが、その手は非常に柔らかくいつまでも触っていたいと思うほどの触り心地だった。
手を離すとパーダはこのゲームの説明を始めた。
「この《Gift seed》は何をしてもいいよ。悪人になるも、善人になるのも全部あなた次第。ゲームにはシナリオはなし。クエストはあるけどね。
ゲームのNPCは一度死んだらもう戻ってこない。人間と同じだね。復活するのはプレイヤーだけ。
一応デスペナルティーもあるけどそれはゲームをやっていく中で知ってもらうよ。」
「わかった。そんで、初期設定は?」
「今からするよ!初期設定はプレイヤーネームと外見の設定だけ!外見は現実の姿とは大きく変えれないから注意だよー!プレイヤーネームは決めてる?」
「ローズで」
「ローズっと。この名前に理由あるの?」
「昔花が好きだったから。かな」
「ふーん、どうでもいいけどね。」
「人に聞いといてそれはないだろ。」
「外見の設定に行くねー」
「無視か。」
現れたのは現実の姿の俺。
ここから変更していくらしい。
変えるのは髪と目の色だけなんだけどな。
目の色は水色。 髪は……金髪でいいか。
「うん。これでいいかい?一度決めたら変更できないよ〜。あっ。ゲーム内ではオシャレとか髪を切るとかの簡単なことならできるよ。 それじゃあ準備はいい?」
「ああ、オッケーだ。」
「それじゃあ最後にこれをあげる。《才能の種》だよ。これをローズの胸にほいっと、埋め込んでっと」
「うおっ。」
パーダは小さな手にある金色に光る種を俺の心臓部分に捻るように入れ込む。
「よし!これで準備完了だよ。それじゃ楽しんでね〜」
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