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花の魔術師と報酬②

《それじゃ最後に1位と2位の発表だよ〜。ってみんな最後の戦い見てたし知ってるか! そう2位は、しのびんとシュートペアそして、1位はローズとイシュタルペア! おめでと!! シュートとしのびんにはスキルポイント40とスキル【無音】を贈呈するよ》


シュートは俺の方を見て悔しそうな表情をしていたがスキル【無音】が手に入ると聞けば顎を手で支え何かを考えてるようだ。

たぶん【無音】の効率的な使い方とか考えてるんだろう。

しのびんは、もうこの会場にはいないようでいくら探しても見つからなかった。


《そして一位のローズとイシュタルなんだけどスキルポイント50とスキル【千本桜】をあげるよ。

ちなみにみんなにあげたスキルポイントの使い道は今後のアップデートの時に教えるから楽しみにしててね。》


周りの奴らはそれを聞くと、

「それ以上強くさせてどうすんだよ!」

「スキル調整のメンテナンス入るんだろうな!」

「アップデートなんか待ってられるか! 早くしろ〜」


などと言っている。確かに俺とイシュタルのスキルは強すぎると思う。何で運営も俺たちをこのまま強くしようとしてるんだ?

しかもスキルポイントとか名前からしてスキル獲得系のやつじゃん。


《僕に言われても困るよ。 スキルの開発はぜーんぶフェンリが担当してるんだから文句はフェンリに言って。 ってわけで今回のイベントは終わり。次回のイベントはもうちょっと考えとくね! それじゃみんな次のイベントでまた会おうねー》


そう言ってラオンはスクリーンから姿を消した。

フェンリって誰だよ。ってツッコミは誰にもさせないままそれ以降ラオンが出てくることはなかった。


「なんというか、すごい適当な人でしたね。」


「ああ、ほんと適当にも程があるよ。」


俺がそんな感じで干渉に浸っていると後ろから腰の辺りをツンツンとつつかれた。

最初は悪戯だと思い寛大な心で何も言わないであげると次は腰の辺りを重点的にこしょこしょをしてきた。


こしょこしょに弱い俺は最初は笑いを堪えてたがついに、笑いを堪えれなくなり笑ってしまう。


「あははははははは、ちょっ。こしょばいって! あははははははは。」


「何をいきなり笑ってるのですか?」


「こしょこしょされてるん、あははははははは! …だよ」


こしょこしょが終わり後ろを向くとそこには先ほどの順位で3位として表彰されていた、アイカとオキタがいた。

そしてこしょこしょしてきたであろうアイカがこちらを見上げて言う。


「ねえ、ローズお兄ちゃんお花の魔法見せてくれない? ついでに私たちとギルド作らない?ってお誘いに来たよ。」


「アイカ。それが本題だろ? ローズさん、イシュタルさん今後必ずと言っていいほど追加されるであろうギルドシステム。これが追加された時、私たちとギルドを作ってくれないか?」


「ギルドですか?」


「おいぎるどってなんだよ。」


ここ最近のゲームをしてなかった俺は『ぎるど』というものを知らない。


「ギルドを知らないのか? ギルドとは、複数名の人数からなるいわば軍隊のようなものだ。 本当にローズはギルドを知らないのか? 最近のVRMMOではどこでも実装されてるぞ?」


「ゲーム自体全然してなかったんだよ。VRMMOもこれが初めてだ。」


「ねえお兄ちゃん。お花の魔法まだ?」


この子マイペースすぎるぞ。


「見せてやるから待っとけ」


「ローズ。こっちは詳しい話を聞いておくのでその子に魔法を見せてあげてください。」


「すまないローズ、アイカを頼んだ。」


「マジかよ。」


「早く魔法。お花。」


アイカは早く魔法を見ようと俺の服の袖を引っ張る。


アイカに見せるのはどの魔法がいいだろう。

やっぱ俺のプレイヤーネームに因んで薔薇でいいか、


「植物魔法タイプ氷結 彫刻」


この魔法は、花を氷で作る魔法だ。

飾り以外の何にもならない。


「ほ〜 すごいすごい!」


アイカは目を輝かせ氷の花に少しずつ手を伸ばして始める。


「ほらやるよ。 これで満足か?」


「うん。私満足した。」


アイカに花を渡しているとちょうどオキタとイシュタルの話も纏まったようでこちらに戻ってきた。


「ローズ話は終わりましたよ。 返事はまた後日と言うことにしておきました。」


「そういうことだ。 ローズ悪いが私たちとフレンド登録をしておいてもらえないだろうか?」


「ああ、おっけいだ。」


それからオキタとアイカと別れたがアイカは別れる時も俺があげた氷の花を大事そうに持っていた。



「イシュタル今回はお疲れ様。」


「お疲れ様でした。中々厳しかったですね。」


「ああ、でもいい経験になったよ。今日はありがと。また今度な」


「本当にお疲れ様でした。」


そう言って別れを告げて、

俺たちの第一回イベントは幕を閉じた。



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