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◆株式会社アルトリア《Gift seed》開発部
『おい創ちゃん第一回イベント終わったぞ』
開発部の中央部にあるスクリーンに赤の毛で体を包み羽はゆらゆらと揺らめく炎の鳥が現れる。
「おっ。もう終わったのかどうだったんだいポイニ。あと今回のイベントいったい誰が優勝したんだい?」
奥にあるデスクにスーツ姿でだらける人がいる。
『創ちゃんあんたな、一応このゲームの責任者なんだぞ、もうちょい《Gift seed》に関心持てよ。てかやべーぞ今回、スキル担当のフェンリが遊び半分で作った【植物魔法】が化けてな』
「海野さん!!これ見てください!! ってポイニさんじゃ無いですか! 相変わらず不死鳥ってより可愛い小鳥にしか見えませんね〜。不死鳥ぽいの色だけですもんね!」
そう、デスクでだらけている人がこの《Gift seed》の開発部のトップでゲーム内AIの設計も担当した、
《海野士郎》である。
AI達からは生みの親であるため「創造主」や「パパ」などと呼ばれることもある。
そして、このスクリーンに映し出されている赤の鳥は、神話などに登場する不死鳥をベースに作られたAIポイニ。
名前の由来は古い呼び名のポイニクスからとっている。
『やかましい。橘!』
「すみませんすみません。……そうですよ!海野さんこれですよこれ!!」
「これと言われましても……………これはこれは中々面白そうな人じゃ無いですか」
海野は散り桜でプレイヤーを消し花にしているローズと踊りを踊るように首を刈り取るイシュタルの姿をタブレット越しに見る。
「面白そうじゃ無いですよ! ポイニもなんか言ってやってください! この人たちのせいで今インフォメーションの電話がなりっぱなしなんですよ! 「あれはなんなんだ?」 「不正じゃ無いのか」とか、とにかくやばいんですから! ポイニ。出来るなら一発やっちゃてください!」
『橘〜俺はただのA Iだぜ? あんたも、できるならって言ってるならできないってわかってるはずだろ?
てかこんなんが俺たちの生みの親とか泣きそうだぜ』
「それは心外だなポイニ。」
「海野さんどうするんですかこのプレイヤー」
「ああ、その子たちは放って置いて大丈夫だよ」
『「だいじょうぶじゃない」ぜ〜』
「大丈夫さ、もう少しで新たなコンテンツを増やす予定だしね。もちろんPKもできるようにするつもりだよ。」
「それ大丈夫じゃ無いですよね。 絶対僕らの仕事じゃ無いですか……」
『俺もそう思うぜ。 橘あんたも苦労人だな』
「まさかAIにバカにされるとは……まあ仕事は橘君の言う通り君たちの仕事だよ。」
『バカにはしてねーぜ創ちゃん。 でもこのままじゃダメだろ。一応あんた責任者でもあるんだから対応はしないとな」
「そうだ!そうだ! ついでに僕らの仕事も減らして下さい!」
「なら橘君、公式ページにしっかりとこう書いて置いてくれたまえ、『ゲーム内でのプレイヤーの不正行為があるという電話がありましたが、ゲーム内ログを見る限り、その人特有のスキルだと言うことがわかりました。これ以上は個人のステータスを開示することになりかねませんのでお答えできません』とね。」
「わかりました。 それで仕事が減るんですね!早速行ってきます。」
『やっぱ創ちゃんやる時はやるじゃん。でも仕事の量減らさないんだろ?』
「ええ、減らしませんよ。いつ私が減らすと言いました?それじゃああとはどうしましょうか……」
『俺は自分の仕事に戻るぜじゃあな創ちゃん』
「ああご苦労。 また面白い情報待ってるよ」
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