花の魔術師の薔薇の祭典
「植物魔法タイプ炎 薔薇の祭典」
その魔法を唱えると周りに生えていた木や花が全て炎の薔薇に変わった。
しかもその花は赤い炎で作られておりそこだけが別空間と化していた。
「なんなのだ。これは……」
「俺だってやればできんだよ。 燃えろ!赤薔薇!!」
俺の声に反応して薔薇の炎の勢いは強くなっていく。
燃える炎は炎だけで一本の大きな薔薇を作り出したと思いきやその薔薇は飛散。
散った花びらは、散り桜のようにランダムに落ちるのではなく、全ての花びらがシュートに狙いを定めている。
「踊れ」
そういうと、炎の花びらはシュートを埋め尽くすように周りを囲み渦を作り出す。
シュートは少しでも火を消そうと水魔法を使っているが、俺はその魔法を見逃さず吸水で水を吸い魔力を回復させる。
「くそっ。俺だってこのぐらい」
シュートは水魔法で火を再び消そうとする。もう跡が無いのだろう。そうであって欲しい。
こう願うのは他でも無い自分自身のためだ。
体力は残り3割といったところで今すぐに毒を回復させたいが、それに時間を取られるとシュートの攻撃が飛んでくる。
忘れてはならないのはあくまで俺が回復しているのは魔力だけだと言うこと。
体力はどんどんと毒で削られている。
その時、イシュタルがある方向で俺の植物魔法が使われた気配がした。
魔法石に込めたのは俺の魔法なので、自分の魔法の気配はなんとなくだがわかる。
あれを使ったってことはイシュタルは勝っただろう。
そうじゃないと俺の勝率は0になる。
「イシュタルが勝ったならあとは俺だけだ!!」
「勝手に決めつけるな。 勝つのは俺たちだ」
「炎よ。喝采を!!」
その声が引き金となり先程までシュートを埋め尽くすように渦巻いていた炎の花びらはこの場所を褒める観客が立ち上がり拍手をする様に、炎は上に舞い、それはシュートをも連れて空を赤に染め上げる。
上に登っていく炎に背を焼かれたシュートは地面に落ちるとそのまま一言も喋らず光の粒子となり消えた。
「あとは俺の毒を消さないとな…」
俺は植物魔法 植物採取で解毒作用のある植物を集めそのまま食べる。
ゲームだから味覚とかはそんなに再現されてないだろとか甘い気持ちで食べたが、現実とおんなじ土の匂いとザラザラとした舌触りが口の中に広がり、味はパセリの味がした。
解毒草を食べていると、またしてもモニターにレオンが映し出された。
《は〜い。えっとですね〜現在しのびん&シュートを倒したお二方に突撃インタビューしたいんだけど受ける?》
「の、残りのプレイヤーは?」
《えっとねー、68ペア残ってるよ。ちなみに君たちだけで32ペア倒してるからね。一応言っとくとしのびんとシュートで25ペア倒してるよ》
「そっか……」
《それでね? 聞きたいことなんだけどずばり植物を操ってたのは固有スキルかどうか!!》
「そうだけど、ラオンお前は知ってるんじゃ無いのかよ」
《僕は知らないよ。スキルを作るのはスキル担当のAIだからね! インタビューに答えてくれてありがとう。今からイシュタルの方にもインタビュー行くからまたね〜》
イシュタルの方に行くってことはあいつも勝ったんだな。
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