花の魔術師とシュート
「植物魔法 散り桜!」
俺は後ろに飛び散り桜の魔法を唱える。
素早いしのびんと常に狙撃場所を探すシュートにはこの魔法は堪える筈だ。
「な!? この魔法もお前だったか! なんと卑怯な……お前がそうくるなら俺はこうするしかないだろう!!」
シュートは持っていた弓をインベントリにしまって、花びらを避けながら両手の指で銃の形を作りこちらに向けてきた。
それの標準は完全に俺に向いているようだ。
シュートを俺が引きつけ、イシュタルがしのびんと一対一で戦える舞台を作るのが今の俺にできる最大のことだ。だから俺のしたことは間違っていないはずだ。
「水魔法、ウォーターショット!」
指の先から飛び出てきたのは高速で飛び出す水だ。それも連続で何発も放ってくる。
だがこっちも、多くの手札を用意している。
「植物魔法 吸水」
この魔法は、植物の成長に必要な水分を得ることで俺の魔力を回復させる魔法だ。
吸水を発動するための魔力はとても少なくコスト削減ができるいい魔法だ。
「「「俺たちは川村仮面団! 俺たちの短剣捌き受けてみろ!」」」
「勝負の邪魔だ。ウォーターショット」
「「「ぐへ!!」」」
哀れな川村仮面団お前らのことは忘れない。
「お前が吸水ってことをするなら俺のこれならどうだ! 」
そう言ってシュートはまたしても手を銃の形にして
構える。 すると今度はただの水ではなく紫の水にしてきた。
明らか危険っぽい。
でももしかしたらこれも吸水でどうにかなるかも……
「水魔法 ポイズンショット」
「植物魔法 吸水」
ポイズンとか言ったが俺にはなんのダメージも入っていないようだ。
「シュート。俺の勝ちだな。もう流石に手はないだろ。」
すでに散り桜の魔法は切れておりこの場には俺とシュートの二人だけが存在していた。周りのプレイヤーは俺たちのとばっちりを受けないように退避したようだ。
「それはどうかな。これは毒だ。最後に教えといてやろうローズよこの毒は即効性ではないのだよ」
「は?何言って、うっ……」
急に体の中を痛みが襲いだす。
体力ゲージがどんどん削れていっている。
どうやらこういう応用もできるらしい。
って感心してる場合じゃない。
「俺だってやってやるよ。まぁぶっつけ本番だけどな」
俺は固有スキルを二個も持っているラッキーマンだ。
一つは【植物魔法】もう一つが【氷炎】だ。
名前で決めつけるなら氷と炎を出せるスキルだろう。
ならさっきシュートがやったみたいに付与的なこともできるかもしれない。
「シュート俺の体力が減るのが先か俺がお前を倒すのが先か勝負だ。」
「はっ。いったいその体で何ができる。今観戦モニター前に送ってやるからイシュタルさんの負けるとこでも見てやるんだな。」
「イシュタルが負けるかよ。もちろん俺もこのままやすやすとやられるつもりはもっとうないけどな」
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