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《Gift seed》の押し付け

VRMMO初作品。


「なあ、フレンドコード交換しねー?」


「いいよ! フレコ何?」


教室では、終礼前に株式会社アルトリアから一ヶ月前に発売された、VRMMO《Gift seed》についての話が繰り広げられている。


《Gift seed》は、今までの VRMMOとは違い、その人の脳の情報によってスキルが決まる新しいスタイルのVRMMOでその人気は発売当初から今でも衰えない。しかも現実と変わらないような風、温度、質感を味わえると、現代の最新技術が全て搭載された物だと言う人も多い。


《Gift seed 》とはその名の通り、《才能の種》のことだ。それを貰ったプレイヤーが芽吹いたスキルをどう活用、育てていくかそれが面白いらしい。しかも固有スキルってものが一人一個配られ、それはその人だけのもので、他の誰も持っていないらしい。



そんなVRMMO《Gift seed》の話をクラスメイトがしていると、このクラスの委員長。野室俊太(のむろしゅんた)が黒板の前に来て大きな声で話し出した。


「みんな!聞いてくれ、 フレンドコードを交換するのはいいことだ。ならこの機会にクラスみんなのフレンドコードを交換し合わないか? そうすればいいことだって沢山あるさ! 俺がしたいのはダンジョン攻略だな。」


クラスメイトはこれに賛同するよだな。


「いいこと言うね〜委員長!」

「うん。それがいいよ!」

「委員長神ってる〜」


「それじゃあ、主席番号一番の、天野君からお願いしようか。」


「…………」


「天野君?」


「委員長。すみません。俺《Gift seed》やってないですけど。」


「嘘だよね?天野君?」


「嘘じゃないです。証拠はありますよ。」


そう言って俺、天野楽(あまのらく)はスマートフォンを見せる。

《Gift seed 》は、ゲームの最新情報、フレンドからのメッセージをユーザーの持っているスマートフォンにアプリを経由し送れることになっている。


「マジだ。」

「天野ゲームの素晴らしさ知らねーんじゃねーの」

「Gift seed やってないとか人生の九割損してるよね」


後ろの方でこそこそ言ってるのは聞こえてるんだよ。


「天野君。気にしないでいい! 俺はこういう時のために、《Gift seed》のソフトをクラスメイト全員分予備で買ってあるんだ!」


「はぇ?」


「だから、天野君も《Gift seed》できるね!」


「こういう時って想定してたの?」


「ああ、勿論さ! 親がこのゲームの開発に関わってるからこう言うことをするのは簡単だ。 それに準備に越したことはないだろう?」


「よっ!流石委員長!」

「やっぱあいつすげーな。」

「委員長神ってる。」


「委員長。私もやってません。」



そう言ったのはクラス。いや学校一の美少女、進藤天音(しんどうあまね)だった。


「これチャンスじゃね」

「そうだよな、進藤さんとお近づきになれるチャンスだ」

「進藤さんマジ神ってる」


「な、なんだ進藤さんもやってないのか〜。な、ならこれどうぞ。」


そう言って委員長は《Gift seed》を渡すが、

委員長。照れてるの丸わかりだぞ。

感情隠すの下手すぎだろ。


「ありがとう。委員長」


「い、いえどういたしまして」


「天野君。帰ったら早速ゲームをするんだぞ。そしてすぐ俺にフレンドコードを教えるんだ。」


俺の方を向き先ほどの少し照れていた表情からいつものキリッとした表情に戻した委員長は俺にフレンドコードの要求をしてきた。


「はいはい。分かったよ、委員長。でもフレンドはまだ遠慮しとく。流石にレベル上げとかあるだろうし俺にそこまで時間割く必要もないよ。 ソフトくれてほんとありがとう。 レベルがある程度上がった時は改めてこっちからお願いするよ。」


流石にレベル上げとかいう、めんどくさい作業まで委員長を付き合わせることは出来ない。

どうせなら自分のレベルが上がってある程度強くなったあとにしたい。


「そうか、その時を楽しみにしてるよ」


は〜。ゲームか、何年ぶりだろ。

そんなことを思いながら休み時間を終えようとしていると急に後ろから声をかけられた。


「ねえ、天野君。」


うわっ。進藤さんかよ。いきなり声かけてきたら心臓に悪いぜ。可愛すぎてな。


「何? 進藤さん。」


動揺をどうにか見せないように取り繕い俺は進藤さんと勝負とも言える会話を始める。

この会話次第で俺の運命が決まるかもしれないのだ。


「もし良かったら、ゲーム一緒にしない?」


「勿論。喜んで」


秒で答える俺。自分のことながら恥ずい。

そうと決まれば、家に早く帰らねーと、進藤さんと一緒にゲームをする時間が惜しい。

やっぱり俺と一緒にゲームしてくれるなんて進藤さんは優しいんだな。

【作者から読者の皆様へのお願い】

『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。


感想もお待ちしております。


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