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昨日キスしたんだよな僕達。僕は昨日の感触を確かめるよう唇に手を当てた。

「ニヤついて何してるの?お兄ちゃん」

「うわっ!いつものノックしろって言ってるだろ夏樹」

「もう三回もしたよ……それより今日は兄妹水入らずで遊ぶ約束なんだから早く朝ご飯食べちゃお」

僕は夏樹に引っ張られるまま自室を後にした。

「今日はまず服買いに行くじゃんで、美味しいご飯食べるじゃんでそれからそれから……」

「少しは落ち着けよ。相変わらず夏樹はブラコン気質だな。兄としては嬉しいけどそんなんじゃん彼氏出来ないんじゃないか?」

「こんくらい普通だよ。それにお兄ちゃんだって彼女出来た事ないでしょ?」

和ませる様に夏樹の冗談に僕は思わず目をそらしてしまった。そういやまだ夏樹に朱音さんの事言ってなかったっけ?

「お兄ちゃん……?まさか彼女何ているわけ無いよね……?」

光を失った目はさっきまで今日の事を楽しみにしてた夏樹と同一人物か疑うほどだった。

「いや、あの夏樹に言うの遅れちゃったけど半年前から付き合ってる人が……」

「呼んで……」

「え?」

「呼んでって言ってるの!今すぐ!私がお兄ちゃんが変な女に騙されてないか見てあげるの!」

「という訳で突然で申し訳ないんだけどいらっしゃい」

「突然でちょっとびっくりしたけど大丈夫だよ!」

「二人共早く入りなさい!」

僕達はすっかり遊び気分ではなくなってしまった夏樹の声に惹かれる様にリビングに向かった。

「あなたが夏樹ちゃんね!龍ちゃんから聞いてる通り可愛いね!」

「へ?お兄ちゃんがそんな事言ってたんですか!?」

「うん!それに照れると顔がすぐ顔が赤くなっちゃうとこもお兄さんと似てるね」

「照れてません!」

朱音さんの口車にまんまと乗り顔を真っ赤にさせ照れてる妹。僕と朱音さんを客観的にみたらこんな感じなのかな?そう思うと少し恥ずかしいな。

「それで今日は何の用事で私を呼んだんですか?」

「そ、そうだった。今日はあなたがお兄ちゃにふさわしいのか見るんだった……」

完全に朱音さんにペースを握られ、あれだけ騒いでた本題でさえ忘れる妹だった。

「じゃ質問一、あなたはお兄ちゃんのどこが好きなんですか?」

待って!この質問って朱音さんより僕のダメージの方が大きいのでは……?

「うーん。いっぱいあるけど一つあげるとしたらこんな私をしっかりと受け止めてくれる所かな」

やめてー!こっち見て言わないで!恥ずかしすぎて恥ずか死してしまう。

「うっ!まぁまぁね。じゃ質問ニあなたの良いところは?」

我が妹ながら何て性格の悪い質問を。こんなん答えにくいし正当な答えをしたとしても粗を探す様に質問し続ける気だ。

「うーん。龍ちゃんはどこだと思う?」

「え?僕?えっと心の距離感が分かってるとこかな。一緒にいて欲しい時は寄り添ってくれて、一人にして欲しい時は遠くから見守ってくれる」

「そういう風に思ってくれてたんだ!嬉しいな」

「おいそこ!誰がイチャイチャしろって言った?」

ブラコンにヤンデレとキャラが大渋滞してる妹は軍曹キャラまで手に入れようとしてる様だ。

「夏樹ちゃん!私たちは絶対に別れない。だから夏樹ちゃんに私を認めて欲しい。私をもっと知って欲しい。だからまたこの家に遊びに来て良い?」

「うん別に良いけど……。でもお兄ちゃん赤面症だからあんまベタベタしないであげてください……。」

「うん!気をつけるね!」

そう言うと朱音さんは僕の代わりとばかりに夏樹に抱きついた。妹よ一つ言おう、同性の腕の中で赤面してる奴に赤面症と言われたくない!

「あっ!夏樹ちゃんがお兄ちゃん離れ出来るよう私の男友達紹介しようか?」

「お兄ちゃん!やっぱこの人男たらしだからダメー!」

家族に認められるのはまだ先になりそうだ。


 

 

 

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