紙王国の、文房具たち
今日は、熱が出た
読んでくださった方ありがとうございます
ここは、とある世界の紙王国
ここでは、汚すものと呼ばれる、生まれながらにして、紙王国を汚す力を持った者たち
また、浄化するものと呼ばれる、生まれながらにして、その汚れを浄化する力を持った者たちがいた
そのほかの物は、紙王国に直接影響は、持っていない、一般市民だ
彼らは、紙と呼ばれ、様々な姿をしている
白かったり、黒かったり、黄色かったり、赤かったり
たまに、体内に花を入れてある、和紙と呼べれる子供も生まれる
彼らに、共通しているのは、汚れが一切ないことだ
彼らは、汚されると、力が入らなくなる
それが、修復不可能にまで、汚されると、出火し。消えてしまう
そんな、国の日常を少し覗くとしよう
「ははは、今日も、この国を汚してやるぜ」
「きゃー。黒鉛筆よ。みんな逃げないと、黒く染められちゃうわ」
鉛筆と呼ばれる、棒状の、顔料を固めた芯を、軸で挟んで持ちやすくしたものを持つ、黒髪の少年が、笑う
その姿を見た、頭から足先まで真っ白な、美しい容姿をした紙と呼ばれる、一般市民が叫び、逃げていく
「逃げれると、思ったか」
「きゃああ」
その紙の背に、黒鉛筆が黒い線を書く
そうすると、女性は、力が入らなくなったかのように、倒れこむ
「こいつは、なかなか美人じゃないか。汚しがいがあるぜ」
「そんな、やめて。誰か助けて!」
「呼ばれた気がした、イレーサー。浄化部隊、消しゴム参上!」
身長の半分もある、大きな、プラスチック消しゴムを持つ女の子が現れた
髪の毛を、ツインテールにし、セーラー服を着た、なんとも可愛らしい少女だ
消しゴムで、その女性の黒く染められた線を消す
女性は、ほっとしたようにため息をついた
「助かったわ。ありがとう」
「大丈夫。奴はここで引き留めるから、逃げて!」
「いつもいつも、邪魔しやがって。今日こそ、お前との決着を、つけてやる」
消しゴムは、プラスチック消しゴムを構える
「それはこっちのセリフよ。このド変態」
「何だと!」
黒鉛筆が、鉛筆をぶんぶん振り回す
消しゴムは、紙一重でそれを躱す
「よけるな」
「除けまきゃ、私が殺られるでしょ」
「誰が、色気のかけらもないガキを、犯るかよ」
「字が、違う気がするわ。この変態野郎!」
この間にも、二人の攻防は続く
埒が明かないと、二人が思い始めたときに、状況は、一変した
「うぇへっへへ。加勢してやるぜ。黒鉛筆。この、俺様がよう。え、闘うの?嫌だなぁ」
「この、めんどくさそうな、二重人格は、コンパス!」
片方に針、片方に鉛筆が付いている、自由に開閉できる、二本足の鉛筆付きコンパスという、製図器具を持った、小柄な少年が、上から降ってくる
「え…… 」
突然のことに、対応できなかった消しゴムの服が、鉛筆付きコンパスの針の部分によって引き裂かれる
程よく発達した、白い胸と少し背伸びしたブラジャーが、露わになる
「おー、なかなか色っぽいの、着てるじゃないか」
「このっ」
黒鉛筆が、無遠慮に、それを見る
正直ありだな、着やせするタイプだったか、と心の中では思う
恥ずかしさに、顔を真っ赤に染めて、涙目になった、消しゴムが武器を振るおうとする
しかし、力が入らず、地面に倒れ伏してしまった
「ぼくね、調べてきたんだ。消しゴムの弱点を。意外なことでびっくりしたよ。でも、女の子にそうしていいか迷ったんだ。ばーか、手段なんか選ばないほうがいいんだ服を引っぺがした途端、軟弱になるのなら、そうするべきだろ」
「ほー。そんなことがあったのか。なるほどなるほど」
コンパスは、消しゴムの背中の服も裂いて、上から踏みつけた
「何て、綺麗な背中だろうね。上質な紙のようだ。僕、この背中に傷を刻みたいな。いいんじゃないか、こんなやつ、消しゴムハンコにしちまえよ。汚すものの仲間入りだぜ」
「やだっ。やめてよ」
「やめるわけないでしょ。やっちまえー」
コンパスが、鉛筆付きコンパスを大きく振り上げた
「そこまでにしろ」
「何で止めるんだよ。そうだよ、何で黒鉛筆が、止めてくるの?ひぃ」
「そいつは、俺が殺るって決めてんだ。人の獲物取る気か?」
「わ、分かったよ。そこまで言うのなら。譲るよ。だから、怖い顔しないで」
コンパスは、渋々引き下がる
踏まれなくなっても。服の破けた、消しゴムは動けなかった
「ヤダ。来ないで」
「何だ。カバーが取れた瞬間、心まで弱くなっちまうとは、さすがに子供だな」
「う、うるさい。カバーなんてなくったて、私は、ちゃんと消せる。まだ、闘える」
黒鉛筆は、薄っすらと笑みを浮かべる
それでこそ、ライバルだと言わんばかりだ
「はい、そこまでよ」
「なっ、筆箱様。何でここに」
コンパスも、黒鉛筆も、美しい女性の登場に驚いている
優雅な動きで、消しゴムに近づくと、悲しそうな表情をする
「かわいそうに、もともと、あなたも、私の子だったのに。浄化の力を、持つばかりに、紙の国にさらわれて、洗脳されて」
「どういうこと?」
「今、言った通りよ。もともと、仲が悪かったこの国だけど、紙が攻め込んできて、こちらの住人に、黒鉛筆で言うなら、芯を使い果たさせて、消してしまっていたのだけれど。ある日、幼いあなたが、苦しむ紙を、優しさで、助けたやったの。それなのに、恩を忘れて、あなたを誘拐した」
消しゴムが、事実を受け入れられなくて、困惑する
それが、事実かは、戸惑ってしまう
「おい、筆箱様。それは、本当かよ」
「本当よ。むしろおかしいと思わなかった?紙が圧倒的に多いこの国で、自分と数名の子だけが、違う姿していなかった?」
「確かに、そうだわね」
消しゴムは、納得してしまった
それが、日常の崩壊の始まりと知らずに
「さあ、あなた自身が決めてちょうだい」
消しゴムは、その手をにらみつけ……
こんな夢を、見た
熱が出たときに夢って、本当に意味が解らないよ
途切れているのは、目が覚めたからです
思わず、書きたくなってしまうような夢でした
宣伝:悪魔令嬢は、トゥルーエンドを進みたいのほうも鎧くお願いします