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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
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第91話 祭りの後は

 


 本日は、三日間の祭りの最終日で、日中妻達と祭りに出ていた。

 アーノルド達は後夜祭迄遊ぶらしい。俺達は雷帝宮から最後の花火を外周テラスから眺める予定だ。


 お祭りでの、俺の役目はもう無いから、妻達の相手と執務室での仕事、トンネルの整備と北部の開発に分裂して出ている。妻達は戦利品でお喋りが盛り上がっているみたいで、話が尽きない様だな。


 トンネルは両方の出入り口の仕上げと中間の宿泊施設。と言うか、小さい宿場町を作っている。それ以外に退避場だな。北部は中央に近い位置から順々に、陣地として作っておいた場所をそのまま街として作り替えている最中だ。街の中を全部では無くて、開拓に必要な程度の宿泊施設や店舗と粗方の住宅を錬金で建設している。内装も可能な限りは手を付ける。後の手間を減らすのと、第一陣が直ぐにでも生活と作業が出来る様にする為なんだ。 それらが粗方終わった場所から、ソニアとガイア、アルテミスを連れて農地を作って行く予定だ。カトリーヌも居た方が良いかも知れんな。関係は無いが、石切山地の視察にはアウラを同行させよう。



 まあ、今は外周テラスで夕食を取っている。勿論、妻達皆でね。王太后様とアーシャの母親と姉達と何故か母さんも。どうやら意気投合したみたいで仲良くしてるんだよな。今日はこっちの神殿で妻連合の会合を開いたからだね。

 で、そのまま夕食会に突入なんだけど、後夜祭の最後が三十分程花火やファイアーボムを魔法で上げるみたいなんだよね。俺もチビムートと組んで、内緒で凄いのかましてみる!


 俺の魔法でテラスを明るく照らしているので、テラスでも暗くは無い。


「まさかここで王太号様とも御一緒出来るとは光栄ですわ。お互い歳を取りましたわね?」

「そうね。私もまさかでした。ですがシリア様とお友達になれたのが、やはり嬉しい事です。」

「あらぁ?私も楽しいんですよぉ?中々ね、神なんて存在は詰まらないモノですからぁ。刺激も無いし僕しか居ないし、存外暇なのです。偶にはこうして遊ぶのも、良いですわぁ~」


「まあ、俺も母さんとは中々触れ合えないから、嬉しいがね」

「そうですわね、旦那様。こうして、お母様が御一緒なのは私達も嬉しいです。」

「でも、不思議な感じですわね。神様が。創世神様が義母様で、一緒にお祭りを楽しむ。と、言うのも。」

「妻連合の研究に噛ませて貰って、シリア様とは仲良くさせて頂けて、メルとアーシャには感謝してます。」

「旦那様、ここは北部も温かいので、綿栽培に向きます。是非、広げた方が良いです。」

「うむ。カトリーヌが言うなら間違い無しだな。そうしよう。お?花火が上がり始めたな」


「「「「「うわ~綺麗ね~!」」」」」

「「「「「「「「ほんとうね~!」」」」」」」」

「「「「「「「「凄いわね~~!」」」」」」」」


 ひゅ~~~~ん! どぱぁぁん!!

 どん!どん!どん!どん! パパパパーン!!


「城下で見るよりここが特等席ですわね!」

「ええ!見応えが有りますわ!」

「綺麗ですね?エイミィちゃん!」

「ね!ここで良かったわ!」

「地上の花火なんて、何時振りかしら?」

「シリア様は何十万年ですか?」

「表の時間だとそうねぇ、二十万年かしら~?実際の体感時間だと五十億年位かしらねぇ?」

「「「「「「「「五十億年ん~~~!!!」」」」」」」」

「そんなに驚く程では無いわよぉ?我が旦那様は数百億年の時間を旅しているのだからぁ。」

「「「「「「「「「「「「「「「「はあぁぁ~?」」」」」」」」」」」」」」

「そんな事より花火見ましょっ!!」


 中々に頑張ってると思う。短期でこれだけの花火を作らせ、集めて、大変だったろう。魔法でボムを打ち上げるのも大変だしな。俺達の”ヤツ”も手助けになるだろう。



「あ~~そろそろ終わりですね。少し寂しいですね。」

「祭りの後はこんなモノですからね。」

「ずっとは無理ですもの。でも、毎晩見てたら飽きるかも知れませんよ?」

「そうですわね。これが丁度良いのかも知れません。」



「チビムート!最後はお前だから、先に遣るぞ?”五重シルス”!それ!」


 右手の指先に極小のシルスを出して色を赤、その上から青で包み、緑、黄色、白の五重のシルスを飛ばす!


 四百メートル上空に飛ばして


「弾けろ!」



 キュ――――――――――――――ン!  ドパパパパパ~ン!



「「「「「「「「凄いです!旦那様!色が沢山です!」」」」」」」」


 そう。弾けて白が散ると中から黄色が弾けて、緑、青、最後に赤が弾ける!

 しかも直径百メートルの光が五つ弾けるんだ。見応え有る筈だ!



「チビムート?最後は気張れよ~」


「きゅい~~~~~~~~~!!」


 チビムートがカトリーヌの胸から可愛く空中に向かって叫んだ、その瞬間!


 バハムートの街の上空一帯が色取り取りの稲光が走り、昼間の様に明るくなる!

 数分間、光の饗宴が空を覆い、皆が暫し見蕩れていた………



「凄い!”む~と”ちゃん!綺麗だったよ~!見蕩れちゃった。また、見せてね~」

「きゅいっきゅいっ」

「「「「「「「「「「「有難う御座います、雷帝竜様」」」」」」」」」



 まあ、そんな感じで成功?の建領祭は幕を閉じた。

 城下はまだまだ熱が引かないだろうが、民が楽しめたなら、それが一番だ。

 妻達は風呂に入る為に浴場に向かったのだが、ボルドー家の女性陣や王太后様も居るから、俺は遠慮した。母さんも一緒に入るみたいだしな。その代わり?妾組が残って、俺と一緒に入るみたいだな。素直に嬉しい。なのでベルナーラもこっちと一緒に入る。フェルーナとベルナーラが姉妹みたいに仲良しだからな。


 なので俺とクリスティとケイティ、フェンディとレスティナ、フェルーナとベルナーラで風呂に行き、皆でお互いを洗う。子供達はフェンディとレスティナが洗う。最中も湯に入ってからも、俺に絡み着いて来るので、分裂して相手をしてやる。可愛い子達だな。

 夫婦の会話をしながら、クリスティには近々【聖域】に行く事を伝える。



 全員の寝室には分かれたのだが、今日は母さんと一緒に寝る事にした。

 一晩一緒は初めてかも知れない。母子の会話もしたいしな。


「母さんはこんなに地上で大丈夫なのかい?」

「ええ。大丈夫よぉ?メルちゃんと一緒だもの。お祭り楽しかったわねえ。」

「ああ、頑張った甲斐が有るよ。父さんも居るともっと良かったがね」

「そうよねえ。後、数年の辛抱だだから。ゼロが戻ったら、メルちゃんの兄妹作ろうかしら?」

「え?それはいいけど、自分の子供と兄妹が同じ年代って。でも、楽しみではあるね」

「でしょ?別荘って何処に作るのぉ?」

「ここの沖の島とカトリーヌの実家近くかな。自然環境が良いんだよ。母さん達の部屋も作っておくけどさ。ここにも作ろうかな?」

「そうしてちょうだいな。ゼロが戻ればずっと一緒に居られるんだから。」

「ああ、早く父さんに会いたい。ラーンにも感謝してるけど、やっぱり父さんと旅したかったな」

「ごめんね、メルちゃん。」

「いや、まあ良いんだけど、子供の頃、親子三人の暮らしに憧れが有ったからさ………母さん、この世界は再構成?された世界なのか?何の為に隠しているんだ?」


「…………アルテね?困った娘ね。まあ、そうよ。作り直した世界。でも、理由はまだよ。それを言うのは危険が多いわぁ。メルと世界にとってね。W・M・Sで全て話す事になるとは思うけど、それはまだ数年後。それを乗り越えれば…………ゼロが帰って来てくれるの。」


「母さん。アーシャは何だい?不思議なんだよ。普通の娘では無い。多分だけど、この世界の鍵はアーシャなんだろ?そうとしか思えない」

「そこに気付いちゃったかぁ…………否定はしないけど、最後の”時”まで話せないわ。」


「母さんと父さんの狙いは何だい?」

「私達、家族が平穏に暮らせる世界の為よ。ゼロはその為に……もう直ぐだけどね。」


「ま、いっか。今は領地で忙しいし、たださ。可能なだけ居て欲しいんだ。母さんとも暮らしたい。アーシャ達も、そう思ってる。ソニアとカトリーヌも妊娠したし、近くに居て欲しいしさ」

「甘えん坊ねぇ。いいわよ?前より居易くなったしね。」


「ありがとう、母さん。この先も色々有るのかい?」

「まあ、ボチボチねぇ。でも、楽しいでしょ?ほら、お母さんの胸で眠りなさい。メルちゃん。」



 母さんの胸に抱かれて眠りに着いた。

 夢を見た。赤子の自分とそれをあやす母さん。見守る父さん。

 小さな俺を庭で遊ばせる両親とお隣の娘のアーシャ。少し大きくなって、二人で草原を駆けている。山で山菜を採る二人。大きくなり結婚して畑を耕す俺と家で子供の面倒を見るアーシャ。見守っている両親。こんな幸せもあったかも知れないんだな。今とは違う世界?人生?いや、本当に有ったのか?いや、違う。



 意識が薄っすらと上がって来て、目覚める。

 母さんに抱かれた状態で、母さんも眠っている。


 霊波通信で補完して、異常が無いか感知で探る。雷帝宮、街、領地内、国内、魔物は居るが許容値だし、慌てる事態は起きて無い。


 母さんが起きる迄待ってから、二人でお茶を飲んでのんびりと過ごす。

 こんな時間が嬉しい。早く父さんにも会いたいものだな。

 皆は風呂に入っているみたいで、母さんにも声を掛けて行く事にする。

 妻達も母さんが一緒に来るとは思ってなくて、嬉しいみたいだ。まあ、俺もだけどね。


「メルちゃんは甘えん坊さんだからねぇ。」

「でも、そこが可愛いですわ、お母様」

「そうね。皆も苦労するわね?」

「いいえ、幸せです!お母様も御一緒だと、もっとです!」

「だな。これからは母さんもなるべく一緒に暮らすってさ」

「「「「「「「「「「「「「「「それは素晴らしい事です!」」」」」」」」」」」」」


「良かったですわね旦那様。私達も心強いですし。」

「だな。アーシャにもカケラが入ってるから、居てくれて助かる」

「ソニアは変わり無く順調で安心ね。カトリーヌも問題無いし、アウラの半妖精も順調。心配は無いわね。」

「今日からカトリーヌと数日、コトブスに出て来る。ターニャは【聖域】だね。その後にクリスティ。」

「うれしいです!旦那様!」

「私もです!御子が宿れば良いのですが。」

「私も頑張りますね。」


 風呂を出て朝食を済ませたら、俺の居間に集まって、予定の話をしていた。


「いつも通りに執務室とトンネル。北部の開発と宿場町の先発隊の随行。町村の視察と各地に帰還組の送りかな?」


「では、今週の固定はエリダ様とガイアさんが王都で、私とアウラさんが雷帝宮。シリアお母様もここなら、ソニアさんも此方かしら?後の人達は好きに移動して貰って、早目にどちらでも良い様に混ざって欲しいのです。」

「そうですわね。私以外の雷帝宮出身は王都でどうですか?レスティナさんはギルド長ですから無理ですけど。」

「そうね、ではターニャさんは【聖域】だから、他のソフィア、ジェシカ、エイミィ、クリスティとケイティは此方で。カトリーヌは実家と別荘地選定ね。あ、ジェシカも実家の屋敷内覧は送って貰いなさいね。」


「じゃ、こんなとこ?先に向こうに送ろうか?後の人員は纏めてバハムート便だから」

「はい、ではそのように。」



 って事で先に妻達と侍女を霊波移動で送って、昼頃に残りの王都組をバハムートで送って行った。

 エイミィとクリスティは毎日学校に送り迎えする。近いからケイティも一緒に。


 今週からまた、忙しい日々だな。でも、母さんも極力居てくれるし、安心感が違う。

 では、家臣達を送ってくるとするかな?






完全に週一ペースになってしまってすいません。。。

でも、頑張ってます!


日常とかも沢山書き込みたいのですけどね。

少ない文章で分り易く人物描写や内面が表現できたら…

お話が長くなっちゃいますが、どんどん書きますね~


さら

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