俺自信にチートがあればいいんだけど……そんな都合がいいことなんてないよね
「それじゃあ行きますか」
俺たちは先ほど町に入るために通った門のところにきていた。
「あれ? フィル様と一緒にいた異界の人ですよね?」
門の入り口には先程の門番さんがまだ見張りをしていた。
相当長い時間やってるんだろうなぁ。
それにギターってやっぱり目立つのかな。
ここの服を貸してもらったけど、やっぱりジロジロと見られてたし。
「覚えてくれてるんですね」
「えぇ、一応怪し……珍しい人物は覚えていないと」
門番さんが咳払いをする。
まぁそうだよね。変な格好をしてるやつは印象に残るだろうしね。
「一応私たちがいるから大丈夫ですよ」
「おぉ! チカさんにラルさん! 三人でお出かけですか?」
「そうっすけど、さん付けしなくていいっすよ」
「いえいえ! 部隊の方々には助けられてますし! 今回はモンスター退治ですか?」
ラルとかチカさんとかの部隊の人って町の人達に好かれているんだろうなぁ。
「そうっす! カミシロを鍛えにいくっす!」
「そうなんですか、良かったですねカミシロさん」
門番さんは羨ましそうな顔で俺のことを見る。
「それじゃあ門番さん。私達はそろそろ……」
「足止めさせて失礼しました! それではお気おつけて!」
俺たちはお気をつけてが言えない門番に見送られながら町から出た。
敬礼だけは綺麗なんだけどなぁ。
「さて、モンスター退治に行く前に……瞬間移動」
チカさんはテレポートと言った瞬間にどこかに姿を消してしまった。
「これは……?」
「副隊長はロペさん直伝の瞬間移動って言ってたっすよ! 多分マラン様の所に行ったんだと思うっす!」
あぁ、俺のギターのことか。
ってか瞬間移動かぁ。これがあれば遅刻もしないだろうし交通費も浮くし……前世にあったらどれだけ便利なんだろうなぁ。
「っと終わりましたよ」
チカさんは突然俺の前に現れた。
本当に瞬間移動してるんだろうなぁ。
ちょっと……いや、とてもカッコイイな。
「町の外だったら使ってもいいみたいですよ。ただ町に損害を出さないようにと」
「そうですか、分かりました」
てっきり使えないかと思ったけど……良かった良かった。
「それでは行きますか」
「はいっす!」
それから俺たちはフィルときた道とは真逆のほうへ進んでいった。
最初のほうは道は平らで木々も少なかったのだが。少しすすんでいったらだんだんと森の中という感じに木が増えたり小石か増えて道が少しデコボコしてきたり……なにより聞いたことのない動物? の鳴き声が聞こえてきた。
「いましたよ……スライム型。 数は一匹だし、カミシロさん。試しにギターで攻撃できるか試してみてください」
チカさんが手招きで俺のことを呼ぶ。茂みの中にはスライム型と呼ばれるモンスターがいた。
見た目は無重力の水みたいに水の塊が動いている。よくゲームの敵とかでみるのと同じだった。ただ黒い靄のようなものがスライムの体から吹き出ていて本来の体の色はわからなかった。
攻撃……物理だと確実にギタークラッシュだよな……演奏して倒すとかだったらかっこいいんだけどなぁ。
ただギタークラッシュすると確実にギターは壊れるだろうしなぁ。
とりあえず演奏してみるか。
演奏で攻撃したらカッコイイしな。
まぁ酒場でなにもなかったから……クラッシュしたくないなぁ。
でもちょっとあこがれるけどね。
「とりあえずやってみます」
「頼りになるかわからないですが……魔装での攻撃はイメージが大切だそうですよ。今回だったら……例えば攻撃するとか」
攻撃かぁ……例えば演奏したら音符が出てくるとか? そんなイメージしかないけどなぁ。
まぁ……ダメ元だよな!
俺はピックを思いっきりギターの弦に当てようとしたとき。
なにかスイッチが入ったような。
そう初めてギターを開けた時の禍々しいオーラが……
「まずいです! ラル! 近くに」
「よろしくっす!」
―—ジャァァァァン!!
「なに……俺のギター」
俺を中心、いやアンプを中心としたあたり一帯が消し飛んだ……わけではないが刃物などで切り付けられたようにボロボロになっていた。
周りの木々は枝が折れたり……酷いのは根っこからバッキリと折れているのもあった。
もちろんスライム型のモンスターはさっきまではぴょんぴょんとはねていたりしたが……いまでは水たまりのようにグシャっとなっている。
てか見渡す限り見境なく攻撃してる気が……ってチカさんとラルは!?
「間一髪、私の瞬間移動が間に合いましたね」
「危なかったっす!」
遠くのほうから二人が歩いてくる。どうやら攻撃範囲外まで逃げてくれたようだ。……よかった。
「だ、大丈夫ですか?」
ついついどもってしまう。
「いや、大丈夫ですよ。それより……凄い威力ですね」
「半端ないっすね! カミシロ先輩!」
二人ともなんともないような感じで来るけど……
本当は相当危なかったよな。だってさっきまでいたスライムはズタボロだし。
「本当は色々と聞きたいことがありますが……その前にあいつらを倒さなければなりません」
―—グルルルル!!
黒い靄を出している狼のような大きい獣が牙をむきだして俺たちのことを睨んでいる。それも……4体も。
「副隊長、援護をお願いするっす。それとカミシロ先輩、その魔装はしまって下さいっす。さすがに巻き添えはくらいたくないっすからね」
冗談のような口調で言ってラルは拳を構える。
「わ、分かった」
俺はギターをケースの中に閉まったりする。
「それではラル、準備はいいですか」
そういってチカさんは懐から護身用のようなナイフを取り出す。
俺だけ状況についていけないが……手出しはしないほうがいいよね。
「いきます! 力上昇」
ラルの周りを赤っぽい淡い光が包み込む。
「いくっす! 狼化」
ラルがなにか言ったかと思えば、ラルの腕が毛深くそして手から厳つい爪が出現した。
――グラァァァァ!!
狼がラルにかみつこうと飛び掛かるがアッパーカットのように狼の顎をタイミングよく殴る。いや、爪で突き刺すというべきなのか。……ちょっとグロかった。
「ラル! たたみこんで! 速度上昇」
すると今度は青っぽい光がラルを包み込む。
「やるっっす!」
ラルは刺さっていた狼を爪からとり残っている三体に向かって走る。そのスピードは先ほどとは段違いだった。
そこからはラルの一方的な攻撃だった。
狼たちを走って翻弄しすきを見せたら爪でひっかき、かみつこうとしたら爪で串刺しにするというなんとも一方的というか容赦がなかった。
「なんとか終わったっすね!」
「ラル……また強くなりましたね」
「自分だってただこの町に残ってるわけじゃないっすからね」
ラルから先程の淡い光は消えていた。
そして軽口をたたきながら淡々と死んだ狼を回収している。
「さぁ……とりあえず戻りましょうか」
「そうっすね!」
「あ、はい」
なんだか俺だけ乗り遅れてしまったというか。いまいち理解できていなかった。
俺は荷物が多いので狼の死骸を持たなくてすんだが……女性に狼の死骸を持たせるのは……。
まぁマナーも何も無いのだろうが……良くないんだろうなと思った。
今日もペグのざっくりギター講座!
と言っても今回、説明しなきゃ分かりずらい用語ってないと思うんですよねー。
なので今回はギターの種類について!
と言ってもざっくりなので軽く流す程度で!
ギターには主に3種類……ってか家に3種類のギターがあります!
まずはエレキギター!(この中にも色々と分類する所がありますがそれはボチボチ)
そしてアコースティックギター(ここにも分類はあります!)
後はクラッシックギターがあります!(僕が初めて触ったギターなので覚えていますが今はあんまり使わないですね)
いずれ個々に紹介出来たらと思っています!