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ギターの強さは……流石、異世界転生

モンスター狩りですよ!

「さて、行きましょうか」


 ラルとソルさんの戦いが終わって大体十分ぐらい経った。


「ほんとに二人だけで行くんですね」


 俺はソルさんと二人で町の外に出ようとしていた。


「他の人は雑貨街の配置について考えてますしね」


 それって隊長本人がいなくていいんだろうか。


「まぁその魔装がちゃんと町で使えるのか見極めなくてはいけないのでね」


 ソルさんが俺にまるで考えを読んでいるかのような答えを言う。


「自分でいうのもなんですけど。このギター、戦闘での使い勝手は悪いですよ」


 確かにこのギターは強いと思う。


 だってアニメやゲームでしか見たことないようなドラゴン……ワイバーンを倒すことができるんだもの。


 でも攻撃するまでに相手を指定したりとめんどくさいんだよね。


「そうなんですか……あそこにちょうどスライムがいますね。あれを倒してみてください」


「わかりました」


 俺はギターケースからギターを取り出す。


 ――スキル波動(アンダーレイション)を使用しますか?


 ――YES/NO


 それにこの確認がいちいちめんどくさいんだよね。


 あ、もちろんYESで。


 ――了解しました。


 するといつも通り禍々しいオーラがギターから溢れてきた。


「おぉ、これは。想像以上ですね……」


 俺はアンプをケースから出して、エフェクターとギターをつなげる。


 そしてエフェクターからアンプにつなげる。


 そしてアンプの電源を入れてボリュームなどをいじる。


 ――スキル音量増加(エクスパンクション)を使用しますか?


 ――YES/NO


 勿論YESだ。


 ――了解しました。


 さて、エフェクターは繋げたけど……このやり取りがめんどくさいし使わなくてもいいかな。


 さて、攻撃指定をあのスライムに。


 ――了解しました。スライム(仮)に指定しました。


 そういえばなんで仮ってでるんだろう。


 まぁいいか。


「さて、弾きますか」


 俺は適当なコードを弾く。


 ”ジャァァァン!!”


 この前のように爆発みたいなことは起きずに目の前のスライムだけが水風船が破裂するように爆発した。


 そして、水たまりのようになった。


「これほどの魔力を……一点に集中させるとは。流石魔装というわけですか」


 ソルさんが目を見開きながら驚いている。


 こんなもんか。ほんと、ギターって何なのかわかんなくなるよ。


 あぁもう終わってもいいかな。


 ――スキル波動(アンダーレイション)音量増加(エクスパンクション)の使用を中止します。


 するとギターから禍々しいオーラが消えた。


 あれ? YES/NOの確認がなくなった?


 それにまとめて消せたしな。


 ちょっと便利になったなぁ。


「これほどの魔力なら威嚇にも使えますね」


 ソルさんは一人でブツブツと呪文を唱えるように独り言を呟いている。


「そういえばソルさん。なんでモンスターってあんな禍々しいオーラが出てるのに逃げないんですかね」


「あぁ、それはモンスターによりますね。スライムのように気にしないものやあえて突っかかってくるもの……ってちょうど来ましたね」


 ”グルルルル”


 すると俺達を取り囲むようにアンガー・ウルフが姿を現した。


 数は六体ぐらいだろう。


「この魔装はMPなど使わずに使用でいるのですね。私が引き付けるので止めをその魔装で頼んでもいいですか?」


 ソルさんの目が赤く光る。


 そう言えばラルとの戦いでMPは減ったけど……それ以上は減ってないんだなぁ。


 ってかなんで俺の魔装はMPを消費しないで使えるって知っているのだろう。


 なにかのスキルかな? まぁ味方だからいいけど。


「わかりました」


 もう一度ギターを使うぞ。


 ――スキル波動(アンダーレイション)音量増加(エクスパンション)を使用します。


 ギターから禍々しいオーラが出現した。


 ”グラアアアア”


 俺がギターを使用した瞬間にアンガー・ウルフが一斉に襲ってきた。


「さて、やりましょうか……血液吸収(ブラッド・エフシオ)


 そう言ってソルさんは自身の腕を噛んだ。


「ちょっ!」


 ついつい声が漏れてしまった。


「気にしないでください……血の結晶(ブラッド・クリスタル)


 するとソルさんの腕から流れてくる血が空中に浮いて、宝石のような結晶になる。


「さて、足止めを」


 そう言って結晶はアンガー・ウルフの周囲を飛び時々体当たりする。


「さぁ今のうちです」


 アンガー・ウルフは結晶を睨んだり攻撃しようとして足が止まっている。


 よし攻撃指定を……六体ってできるのか?


 ――了解しました。アンガー・ウルフ(仮)に指定しました。


 よしとりあえず弾くか。


 俺はまた適当なフレーズを弾いた。


 ”ジャァァァン”


 ”グラァァ!!”


 すると、アンガー・ウルフは何かに吹き飛ばされたように周囲に飛ばされる。


「ふむ、なるほど。そういう能力ですか」


「って腕大丈夫なんですか?」


 ソルさんの腕から血は流れたままだった。


「心配いりません。それより、新手が来る前に町に戻りましょうか」


 そう言いながら手元で宝石をクルクルとまわしている。


 なんか、かっこいいな。


 ってさっさと片付けるか。


 ――スキル波動(アンダーレイション)音量増加(エクスパンション)の使用を中止します。


 お、気が利くというか。


 明らかに性能上がったよな。

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