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ラルVSソル

視点がラルに変わります!

「さぁやりましょうか」


 自分はソル隊長と訓練所の中央にいる。


 ……ほんとに戦うことになるとは思わなかったっす。


 自分は腰を低くする。


「それでは、カミシロさん。いつでもいいですよ」


「よろしく頼むっす!」


 さっきは自分の油断で負けたようなもんっす。


 二度も同じ失敗はしないっす。


「それじゃあ……はじめ!」


 カミシロ先輩の合図と共に自分は狼化(ルカ―・ウルフ)を発動する。


「それじゃあいくっすよ! ……狼化(ルカー・ウルフ)!!」


 自分は地面を強く蹴ってソル隊長の顔を切り裂きに行く。


「そんな自分から行くと宣言する人がいますか……」


 ソル隊長の口から鋭い牙と背中からコウモリのような羽が生えてくる。


 自分はとりあえず……ソル隊長の顔を目掛けて爪を突き刺そうとする。


 しかし、ソル隊長はコウモリのような羽を使って上空へ飛び立った。


「前に比べると少し早くなりましたね」


「でも当たってないんじゃ意味無いっす!」


 自分は足に力を込める。


「うりゃぁ!」


 ギリギリ届くといいんすけどね!


 自分は思いっきりジャンプをした。


「……良く届きますね。でもその後を全く考えてないですね」


 そう言ってソル隊長は……自分の爪が当たらない位置まで移動してしまった。


「な、卑怯っすよ!」


 自分はそう言って地上に落ちていく。


「卑怯もなにもないでしょう」


 そう言ってソル隊長はひらひらと宙を舞っている。


 どうすればいいすっかね……


「戦場で考えごととは余裕ですね」


 そう言ってソル隊長は空中から急降下してくる。


「……血液吸収(ブラッド・エフシオ)


「ぐっ!」


 ソル隊長の牙が自分の腕を掠る。


「強化してるはずなんすけどね」


「まだまだですよ」


 ソル隊長は直ぐに空中に上がってしまった。


「あなたの血はしっかりと利用しますよ……血の結晶(ブラッド・クリスタル)


 ソル隊長の周りに赤く濁った小さな結晶が出現した。


 それを指でクルクルと自在に操っていた。


 あれは自分の血なんすかね。


「この結晶、なかなか固いですよ」


 そう言って、指を自分に向ける。


 それに反応するように血の結晶は自分に向かってくる。


「うわ!」


 自分は慌てて回避する。


 しかし、地面に落下する手前でピタリと止まった。


 そして、自分の事を追尾してくる。


「相性最悪っすね!」


「そんな都合よく敵は選べないですよ」


 自分は血の結晶に当たらないようにガムシャラに走る。


 しかし、逃げた先にソル隊長が待ち構えている。


「くっ! らぁぁぁ!」


「……血液吸収(ブラッド・エフシオ)


 自分の攻撃は当たらず、ソル隊長の攻撃だけが当たる。


 正直痛くないんすけど。


「……血の結晶(ブラッド・クリスタル)


 この結晶が鬱陶しいんすよね!


「……完全狼(インステント・ウルフ)!!」


 自分の体が全く別の姿……形になっていくのがわかる。


 これで決めるっすよ!


「確かに早いですが、いつまで続きますかね」


 ……そうっす。このスキルは欠点として変身できる時間が限られていることっす。


 大体二、三分ぐらいで決着をつけなきゃいけないんすよね。


「すぐに……片をつけっるっす!」


 自分は四足歩行で思いっきり走る。


「はぁぁぁ!」


 自分はソル隊長に届きそうな距離まで近づいて思いっきりジャンプする。


「その速度は地上では脅威ですが……どこから来るか分かっていれば対応できますよ」


 やっぱり、当たらないっすね。


 この姿になっても勝てるイメージが全然湧かないっすね。


 とりあえず突っ込むしかないっすね!


「相変わらず、極端ですね」


 自分は奮闘するも……ソル隊長に攻撃が当たることはなかった。







「ハァ、ハァ」


「ここら辺ですかね」


 ソル隊長の目が赤く光る。


 この前なんで光っているのか聞いたんすけど。


 なんかの鑑定スキルって言ってたような。


 まぁ自分には関係ないっすけどね。


 しかし、ガチで変身してもかすり傷一つも与えられないとは思ってなかったっす。


「あっと、やめ!」


 カミシロ先輩が戦闘終了の合図をかける。


「メルさん、よろしく頼んでもいいですか?」


 ソル隊長が遠くで観戦していたメルさんを呼ぶ。


「ちょっと待ってて……回復(ヒール)


 自分の傷口にそっと手を添えた後、緑色の光が自分の傷口を包む。


 この魔法、便利なんすけど。


 終わった後に痒くなるのが残念なとこなんすよね。


「ありがとうっす」


「……気にしないでください」


 そう言って顔を伏せながらまた遠くに行ってしまう。


 なんか悪いことでもしたんすかね。


「ふむ、HPの方は問題ないみたいですね」


 そう言った後、ソル隊長の目は赤からいつも通りになった。


「全然当たらなかったっすよ」


「まぁ相手が悪かったですね。次は団体戦で勝負したいですが」


「今日は勘弁してほしいっす」


「ではモンスター退治でもしますか」


 ……ソル隊長って見た目の割にすぐ行動するんすよね。


「カミシロさん、外ならその魔装を使っても大丈夫なんですよね」


「はい、使えますよ」


「なら、少し休憩した後に外に出ますか」


 勘弁してほしいっすけど、自分ばっかり負けるのは嫌っすしね。


「そうっすね! 張り切っていくっす!」


「意外と元気ですね」


「そうっすか? まぁ元気なのが取り柄みたいなもんっすからね!」


「いいことです。メルさん達にも準備してもらいましょうか」


 そう言ってソル隊長は遠くにいるメルさん達の所に向かった。


「お疲れ様、ラル」


「次は勝つっすよ!」


 自分は高らかに、次の勝利宣言をするのだった。

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