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ラルVS神代

何気にラルと戦う機会が多いなぁ

「いくっすよ! ……狼化(ルカ―・ウルフ)


 ラルの腕が毛深くなり手から厳つい爪が三本生えている。


 そして一直線に俺の方に向かってくる。


「頼むぞ触手君!」


 ――スキル嘘つきの継承者(ライアー・セスル)を使用します。


 スマホアプリの音声のような無機質な声が聞こえた後、俺の右肩から黒く細い一本の触手が現れる。


 しっかりと右上のMPのバーは消費されていた。


 あ、服に穴が……まぁ仕方がないか。


「そんな細いので止められると思わない方がいいっすよ!」


 ラルは警戒そることはなく、そのまま一直線に突っ込んできた。


 一応左手にナイフを持っておくけど……利き手じゃないからちゃんと使えるのかな。


「カミシロ先輩! これで終わりっすよ!」


 ラルは左手を突き出し右手を後ろに引く。


 そして後ろに引いた右手を俺の顔めがけて突き出してくる。


 あ、これはダメだ。


 爪が顔を貫くと思った時、触手君が右側の爪に絡みついた。


 そして、ラルの体を投げ飛ばした。


「うわ!」


 触手君は嬉しそうにくねくねとしている。


 ちょっと今のは危なかった、てか死ぬと思った。


「それなんすか! 細いくせに力強すぎるっすよ!」


 ラルは……遠くで文句を言っている。


 随分と遠くに飛ばされたな。


「こうなったら自分も本気出すっす! ……完全狼(インステント・ウルフ)!」


 すると、ラルの全身が毛深くなった。


 そして顔、いや全身の見た目が変わっているな。


 腕だけでなく体全体が狼になった。


「この時の自分の強さは今までと比にならないっすよ!」


 ラルがそう言った直後に俺に向かって駆け出してきた……と思った時にはもうすぐ近くにいた。


 不味いことばっかりじゃん!


 俺はとりあえず左手にあるナイフを適当にふる。


「そんなんじゃ当たらないっすよ!」


 触手君も応戦しているが……ラルは軽々と回避する。


「これで自分の勝ちっす!」


 ラルは更に間合いを詰めてくる。


 もう俺を殺す気満々じゃん!


 俺は目を瞑って……ガムシャラにナイフをふる。


「いて!」


 すると…………たまたまナイフがラルの頭に直撃した。


 えー。いや、助かったからいいんだけどさ。


 打ちどころが悪かったのかラルは目を回して倒れてしまった。


 そのせいかラルはいつもの人型に戻ってしまった。


 それに、当たったところが赤く腫れていて痛そうだな。


「これは勝負ありですね」


 ソルさんがラルに近ずき頬を叩いている。


「まさか……目を瞑っても命中させるなんて思ってなかったっすよ」


「最後に油断しましたね。まぁその触手のおかげもあると思いますが」


ソルさんがラルにアドバイスをしている。


 しかし、本当に危なかったな。


 てかソルさん、目を瞑ってたからわからないけど。


 あの至近距離からどうやって止めるつもりだったんだろう。


 俺がそんなことを考えてる横で触手君は勝利の舞いのようにくねくねと動いている。


 うん。慣れるとかわいく感じるな。


 ――スキル嘘つきの継承者(ライアー・セスル)の使用を中止しますか?


 ――YES/NO


 あ、YESで。触手君お疲れ様


 ――了解しました。


 無機質な声が聞こえた後に触手君は俺の右肩の中へと消えていった。


「メルさん、ラルのダメージを回復してあげてください」


 遠くに避難しているメルさんに呼びかける。


 すると、速足でラルのもとに行った。


「……わかりました。……回復(ヒール)


 メルさんがそう言った後にラルの赤く腫れあがったところを触る。


 すると緑色の淡い光がラルの頭を包む。


 そしてみるみるうちにラルの頭の腫れた所が引っ込んでいく。


「治療は完璧みたいですね」


「……そのために私ですから」


 メルさんはそう言って遠くに避難してしまった。


「カミシロさん、随分と強いですね。でもまだまだ修行が必要ですね」


 そう言ってソルさんはニッコリと笑う。


 なんだか雰囲気がロペさんに似ているんだよな。


 ただ、目がほんのり赤く光っているのが怖いけど。


「ラル、大丈夫ですか?」


 ソルさんはラルに手を貸す。


「なんとか大丈夫っす」


「そうですか。では負けた罰として私と戦ってもらいましょうか」


「ま、マジっすか」


 ラルの顔が引きつっている。


 ソルさんって見た目の割に体育会系男子なんだな。


 連戦とは、かわいそうに。


「それでは、お昼を挟んだら戦いましょうか」

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