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戦闘訓練……開始!

おやすみ神代!


そしておはよう!

「寝すぎたかな……」


 俺は目をこすりながらベットから降りて拍手を二回して電気をつける。


 フィルはまだ寝てるのかな?


 部屋の電気がついた。


 すると案の定フィルはベットの上で寝ていた。


「ほら、起きて」


 俺はフィルの体を揺する。


「むにゃ……後ちょっと……」


 うーん。全然起きないな……


 簡単に朝ごはんでも……と思ったけど火が使えないしな。


 俺はキ眠い目を何とか開けながらとりあえずキッチンに向かった。


「なんかないかな」


 俺は調味料が入っている戸棚を開けてみる。


 まぁ文字が読めないから調味料なのかよくわかってないけどね。


「あー、まだ残ってたか」


 俺は戸棚の中にキャベチの炒め物を見つけた。


 本当は冷蔵庫とかに入れておくべきなんだろうけど。


 そんなものはここにないし。


 にしても二日経ってるけど食べられるのかな。


 俺は戸棚からキャベチの炒め物を取り出した。


「まぁどっちにしろ、火は必要だよな」


 俺はキャンプファイヤーの跡地みたいなキッチンを眺める。


 いつかはできるようにならないとな。


 俺はそう思いながらフィルを起こしに行った。








 俺はあの後フィルを何とか起こして火をつけてもらった。


 ついでに火の付け方をフィルから教わった。


 これが意外と難しいのだけど……キャンプをしているみたいで少し楽しくなった。


 俺はキャベチの炒め物を軽く温めてお皿に盛り付けた。


「うーん。ご飯……マイって言うんだっけな。何にせよおかずだけはねぇ」


「でも美味しいよ!」


 フィルがニッコリと笑う。


 決しって不味いってわけではないんだけどね。


 やっぱりここら辺も前世(まえ)との違いなのかな。


「今日はなにするんだっけな」


 ここに時計とかあればいいんだけど。


 地下だから朝なのか夜なのかもよく分からないしね。


「えーと……部隊の人達と訓練じゃなかったっけ?」


「あー……なら早く食べないとな」


 特に何時に待ち合わせとか約束をしていないけど……あんまり遅くなるのは良くないしな。


「そうだね!」


 そんな他愛のない話をしながら俺とフィルは朝食を食べた。






「それじゃあ行こうか」


 俺とフィルは朝食のキャベチを食べた後、寝巻きのバスローブからこないだ買った普段着に着替えた。


 そして俺はギター一式と昨日フィルに買ってもらったナイフを持って地下から出た。


 フィルは俺の買ったナイフをクローゼットの奥に閉まっているようなので今回は持っていかないみたいだ。


「うん! じゃあいこう! カミシロ!」


 そう言ってフィルは思いっきり店の扉を開けた。


「いたいっす!」


 すると外から聞き慣れた声が聞こえた。


「あーっと……ラル、大丈夫か?」


 ラルはぶつかった頭をさすっている。


「中々来ないから呼びに来たっすのに……ひどい仕打ちっす」


 そう言ってラルは恨めしそうに扉を睨む。


「ラル……ごめんね」


「えっ、いやいや大丈夫っすよ!」


 ラルは慌てながら痛くないというアピールを手でする。


「それより! 早く訓練所まで行くっすよ!」


 そう言ってラルは走り出してしまった。


「あっ待って!」


 フィルも後を追うように走り出した。


「全く……騒がしいやつだなぁ」


 ってかラル、迎えに来てくれるんじゃなかったのか? まぁ忘れることもあるよね。


 俺は店の扉の鍵を閉めてラル達の後を追うように早歩きで歩いた。








「おや、遅かったですね」


 俺は全力で早歩きで来たのだが……やっぱりギター一式を持っていたらスピードなんて期待出来ないし。


 何よりギター一式がなくてもフィル達に追いつけることは出来ないだろうしなぁ。


「すいません、寝坊ですね」


「いえいえ、こちらも待ち合わせをしていた訳ではないので。それより、その魔装は町の中で使えますか?」


「あ、使えないですね」


 そうだそうだ。使ったらマランさんに……冗談抜きで殺られそうだしなぁ。


「そうですか……でしたら基礎能力の確認をしたいので」


 そう言ってソルさんはラルを手招きで呼ぶ。


「なんすか?」


「ラル。カミシロさんの基礎能力を確認したいので、今から戦ってください」


「お! またっすね!」


 ラルは”楽しみっす”と言って笑う。


 なんだ? なにか因縁でもあるのか?


「危ないと感じたら私が止めるので。カミシロさんはなにか武器を使いますか?」


「えっと……このナイフを使おうと思っていたんですけど」


 俺は懐からナイフを取り出す。


 勿論、鞘の中に入っている。


「分かりました……この訓練用のやつを使ってもらってもいいですか?」


 ソルさんは木で出来たナイフを渡す。


「あれ? カミシロ先輩? 武器変えたんすね」


「まぁね」


「それでは二人とも、ついてきてください」


 ソルさんはだだっ広い訓練所の中央に向かう。


「カミシロ先輩がどれだけ強くなってるか楽しみっす!」


「そんなに強くなってないよ」


 そもそもなんで戦わなきゃいけないんだろうなぁ。


 てか勝ち目ないよな。


 前はチカさんのスキルががあったからまだしもさ。


「それでは……お互いルール無用です。ただ私が危険だと思ったりしたら止めますよ」


 よし……やりたくないけど覚悟は決めておかないとな。


 初っ端から降参したいけど。


 ――スキル嘘つきの継承者(ライアー・セスル)を使用しますか?


 ――YES/NO


 勿論YESだ。


 でも俺も準備している辺り……やる気なのかな。


 周りに感化されてるなぁ。


「それでは……両者、始め!」

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