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料理の食材を買ってくるのってなんだか楽しいよね

ロペさん!おつかれ!

「やっと帰ってきた……」


 俺達はあのワイバーンや化け物みたいな人が出てくる……アビールという所からロペさんの地下室に帰ってきた。


「今日はつかれたね、カミシロ」


「まったくだね」


「本当はもっと早く帰りたかったのですがね」


 ロペさんは疲れたように椅子に座る。


 俺は遠くの岩陰から戦いを眺めていたが……フィクションみたいな戦いをしていたからな。


 本当に目が追い付かない戦いを見る日が来るとはなぁ。


「さて……今日は酒場の方はお休みしますか」


 ロペさんは机の上に置いてある麻袋みたいなものからコインをとる。


「フィル様、カミシロ様。今日の夜ご飯を作ってもらってもいいですか?」


 そう言って机に銀のコイン一枚を取り出した。


「私、料理出来ないよ」


「カミシロ様に手伝ってもらいながらやってみてください。何事も経験ですよ」


「まぁここの食材がどんなのかわからないけど……やってみようか」


「カミシロがやるなら……がんばってみるよ」


 なんだかこのやり取り……小さい頃を思い出すな。


 よく親に言われて色々なものを作ったな。


「なら、よろしくお願いします」


「よし、カミシロ。決まったのなら早くいこ!」


 フィルは机に置かれた銀のコインをとった後、俺の背中を押す。


 あんなことがあったのに……元気だなぁ。


「わかったからせかさなくても大丈夫だよ」


 俺とフィルは地下室から出た。


「それではお気をつけて」







 俺とフィルはロペさんの酒場から出た。


「食材とかってどこに売ってるんだ?」


「えーとね……多分こっちだよ」


 フィルはそう言って真っ直ぐに歩き始めた。


「じゃあ道案内は任せるよ」


 俺はフィルの後ろについて行った。






「食材だったらここら辺かな」


 フィルが足を止めた。


「なんだか露店が多いんだな」


 露店には色々なものが売っていた。


 見たことあるようで少し見た目が違う果実とか。


 肉類も豚とかではなく……アンガー・ウルフと呼ばれている獣の頭が飾ってあったり。


 なんだか外国のような……映画の世界に入り込んだような気分になる。


 まぁここは異世界だから映画とかより凄いのかもしれないけど……。


「カミシロ、何か作れるものってある?」


「何かかぁ……そうだな、ここの町の郷土料理とかってなんだろう?」


「キョウドリョウリ?」


 フィルが首を傾げる。


 ……なんだかこの世界って共通言語の癖に変なところが違ったりとするよなぁ。


「うーん……よくロペさんが作る料理とか?」


「えーとね……よく色んなものを炒めたのが出てくるよ。名前はわかんないけど」


 色んなものを炒めるって炒め物か。


 そのぐらいだったら俺でも作れるかな。


 こう見えても一人暮らしで自炊とかしてるしな。


「なんの食材を使ってたとかは分かる?」


「わかんない」


「なら……適当に買ってみようか」


 俺とフィルはとりあえず適当な店を探し始めた。






「たしか……こんなのが入ってたような……」


 フィルは頭を抱えながら露店に並んでいるキャベツみたいな野菜を見ている。


「おや嬢ちゃんお使いかい? キャベチってことは炒め物かい?」


 キャベツこと……キャベチを見つめていたフィルに露店のおばさんが話しかける。


「そうなんだ。今日はカミシロと作るんだ」


「へぇ……ってあんたかい!」


「? 俺の事知ってるんですか?」


 まるで俺の事を知っているような口ぶりだな。


「そりゃあ、あんたロペさんの所でなんかやってた子だろう。私も見に行ったもの!」


「あのライブを見てくれたんですか?」


 まぁライブと呼べるものか分からないけど……なんだかファンの人ができたみたいで嬉しいな。


「あれはライブって言うのかい? とても良かったよ! 今なら200ゴールドで二個の所を三個にするよ!」


 露店のおばさんはニッと笑う。


 よくあるセールスみたいだけど……なんだか言葉に暖かさがあるしな。


「フィル、ここで買おうか」


「分かった! えっと銀貨一枚で」


「まいどあり! 銀貨一枚だから……鉄貨八枚のお釣りだよ!」


 そう言ってフィルに鉄でできたコインを手渡す。


「ちゃんとサービスしておくからね! もし炒め物を作るんだったらあそこの肉屋がいいよ。

はい! お嬢ちゃん、持てるかい?」


「うん! ありがとうございました」


「サービスまでしてもらって……ありがとうございます」


「いいんだよ! そのかわりまた、ライブってのをやってくれよ!」


 俺は気前のいいおばさんがやっている露店から離れてオススメされた肉屋に行くことにした。





「カミシロって有名なんだね」


「いや……俺自身も驚いてるよ」


 俺とフィルは炒め物に必要だとされるキャベツことキャベチとアンガー・ウルフの肉、それとスライムから取れるという謎の香辛料を買っていった。


 その露店の人達全員に顔が知られているとは思わなかった。


 それに……全員が量を多めにしてくれたりとサービスをしてくれた。


「こんな量があるのにお釣りがあるなんてね」


 フィルのポケットには鉄貨と言われるものが二枚入っている。


「お得に買えて良かったな」


 何となくだが買い物のおかげでこの世界のお金について何となく知ることが出来た。


 まず最初に持っていた銀貨は日本円でだいたい千円ぐらいの価値なのだろう。


 その次の鉄貨はだいたい百円ぐらいのようだ。


 他の硬貨はまだ使ってないので分からないが日本円に置き換えられて考えやすくなった。


 もしかしたらロペさんはこれを狙って俺たちに買い物を頼んだのかもな。


「さて……やっとついたな」


「後は……料理をしなきゃね」


 正直俺は料理は大得意という訳ではない。


 異世界に来て初めての料理だから少し楽しみではあるな。


 ただフィルはすごく緊張しているような気がするな。


 もしかしたら異世界の料理とは危険が伴うものなのかもしれないな。


「カミシロ、お互いに頑張ろうね」


「……これから料理をするだけだよな?」


 俺とフィルはロペさんの酒場に戻った。

ギターらしいの出てこないなぁ。


まぁすぐに出てくるから期待してて!


ってことで今日のペグざくはお休みで!

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