作戦会議なんて素人がするものじゃないな
ワイバーンにぼろ負けした後……作戦会議!
「カミシロ、どうすれば勝てるかな?」
「うーん……」
俺とフィルは岩陰に隠れながらワイバーンをどうやって倒すか考えていた。
……まぁなんで倒さなければならないのか未だに分からないけど。
「ロペさんの倒し方……全く参考にならなかったからなぁ」
「うん、でも凄かったよね!」
フィルは目を輝かせている。
まぁ俺は目を瞑っていたからよく見えなかったけど……確か真っ黒な爪がワイバーンの体を切り裂いていたな。
確かに凄いカッコよかったからな。
「それより……倒す方法だけど」
「うーん。まずはお互いに使える能力から確認しよっか」
「そうだね。私は攻撃に使えるのは吹雪っていう氷の竜巻をおこす魔法でロペさんが風属性と水属性があるっていってたよ。えっとこれが最大で五回使えるよ」
吹雪……確か初めて会った時に無数の氷から俺を守ってくれる時に使ってたやつだな。
「他にはあるのか?」
「後は氷っていう石ころぐらいの氷をぶつける技だよ。これは最大十一回使えるよ。私が使えるのはこれぐらい」
「なるほどな。なら次は俺だな……といっても実際一回も使ったことないから参考になるかわからないけど」
俺はスキル鑑定で鑑定してわかった情報をフィルに教えた。
「へー。カミシロってすごいね……」
「うーん……俺ってよりギターとかがすごいんだけどな」
俺とフィルはギターとエフェクターボードを眺める。
ほんと……ここにいるとギターってことを忘れそうだよ。
「なんか……隠れるところがあればなぁ」
「私がおとりになるけど……ワイバーンがそっちにいったらどうしようもないしね」
ギターって……まぁ演奏するものだから逃げるとか想定してないからなのかな。
あ、そのためのワイヤレスシールドなのかも。
「一発で場所がばれちゃうからな」
「うん……」
……正直手詰まりだよな。
いや……おとりを引き受けてるフィルより怖がってるって情けないな。
ってか俺はまだ小さい女の子に危険なことを。
「そもそもフィルがおとりの時点でやりたくないんだよな」
「やっぱり……私じゃ頼りない……の?」
「いやいやそうじゃなくて」
「ならやろうよ! みんな私の心配ばっかりするけどさ、私だってちゃんと戦えるもん」
フィルは胸を張って宣言する。……だが後ろに隠している手は震えていた。
「だけど……」
俺はフィルの目をみる。
そこには覚悟を決めた奴の目。
どんなに拒否されようとも貫き通すと決めた奴の目だ。
……なんだか俺がオヤジにバンドマンになるって決意したときに鏡で見た俺の目と似ていた。
「……いけるのか?」
「うん……!」
するとフィルは嬉しそうにしていた。
「なら……怖いけどやるか!」
「大丈夫だよ! カミシロとならやれるよ!」
俺とフィルは覚悟を決めた。
そして岩陰から出て行った。
あ、何も作戦なんて考えてないや。
再びロペさんがワイバーンを倒した場所についた。
すると先程ロペさんが倒したワイバーンの姿はなく……新しいワイバーンが一体いた。
幸いまだ俺たちのことに気づいていない。
「それじゃあ……準備するから」
「わかった」
するとフィルは人型から狐の姿になる。
俺はギターとアンプをケースから出す。
――波動を使用しますか?
――YES/NO
YESだ。
するとギターから本来は無いような禍々しいオーラが発生する。
……俺はギターをエフェクターとアンプに接続する。
そしてボリュームやゲインなどを最大限まで上げて待機する。
――音量増加を使用しますか?
――YES/NO
もちろんYESだ。
いつものライブならボリュームなどをMAXにするなんて絶対にやらない行為だ。
持ち運びで使うアンプはハウリングが凄いことになっている。
この音なのかギターのオーラでなのか分からないがワイバーンは俺達の存在に気づく。
“グギャァァォォォ!!”
あの威嚇するような雄叫びを上げる。
「それじゃあ……やりますか!」
「うん!」
俺とフィルの……ワイバーン戦が幕を開けた。
今日のペグのざっくりギター講座!
今回はワイヤレスシールドです!
ワイヤレスはコードがないもので……今で言うとBluetoothみたいなものですね。
シールドとは前も説明しましたが……PCなどを繋げるもののようです。
今回はこんな感じで……
なんだかマンネリ化してきたので何かあればなぁあ。
さて……今回はここまでです!