テレポートで新しい場所へ
神代は夢から覚めました。
「さて……準備はできましたか?」
俺はロペさんがくれた筋肉痛に効くドリンクを飲んだおかげですっかり痛みは無くなった。
今では普通に動けるようになった。
なんか普通に凄いなぁ。
俺とフィルはロペさんが作ってくれた朝食を食べた後、すぐに出かけられる格好にと言われたのですぐに着替えた。
俺は……そもそも着ていた服をジェラルさん達が使っている更衣室に忘れてきてしまったのでロペさんから一着服をもらった。
「はーい」
フィルは相変わらずオレンジのワンピースだ。
「それで……どこにいくんですか?」
昨日ベットを買いにいくとか言ってたから買い物かな。
「そうですね。今回は山奥にしましょうか……カミシロ様、メイスをもってもう少し近づいてもらってもいいですか?」
「? わかりました」
俺はロペさんに言われた通りにメイスを持って近くによった。
「それでは……瞬間移動」
ロペさんの足元が光だし……それが部屋全体に広がった。
あまりにも眩しいので俺は目をつぶってしまった。
「さて、つきましたよ」
「ここは……?」
俺はゆっくりと目をあける。
そこは地下室ではなく……切り立った崖が特徴的な場所にいた。
辺りに草木などは生えてなくて……何だか物寂しい所だった。
「おや……やはり3人だと失敗するものですね」
「ここ、今まで来たことないよね?」
「えぇ……まぁいい訓練になるかもしれません」
ロペさんとフィルは悠長に喋っている。
「……そんなこと言ってる場合じゃなくないですか?」
だって俺の前には1匹の……
「それでは……今日はワイバーン狩りにしましょう」
”グギャァァォォォ!!”
図体のでかい……翼の生えた緑色のバケモノ。
それでいて……ラルたちと戦ったモンスターと同じように黒いモヤがかかっていた。
そして……ワイバーンが戦闘開始の合図のように吠えた。
「うぉぉぉ! やべぇぇ!」
ワイバーンが……なんの前触れもなく火を吹いてきた。
俺は間一髪の所でロペさんに抱えられ窮地を脱出した。
そのまま俺はロペさんに連れられて岩陰に隠れた。
「ちょっと……! アレなんなんですか!?」
「あれはワイバーンというモンスターですね。恐らくここはアビールというところでしょう」
俺はチラッと岩陰からワイバーンがいるところをのぞいてみる。
すると……ワイバーンと狐の姿のフィルが戦っていた。
「さて、カミシロ様……少々ハードですが死にはしませんよ」
「ハードって俺……あれと戦うんですか?」
いやぁ……多分死んじゃうだろ。
「本当は魔装をもって来た方がよかったのですが……まぁ仕方がないですね」
「……ほんとに戦うんですか?」
「ああ、もちろん支援はしますよ……力上昇……速度上昇」
ロペさんがそう魔法のようなものを唱えると……俺の周りが赤色と青色の強い光に包まれた。
チカさんが使ったやつより光が一層強いというか……
「防御上昇……まぁとても物足りないですがこれでフィル様のアシストならできると思いますよ」
最後に黄色い光が俺を包み込む。
決して鬱陶しい感じはなく、むしろ見ていて心地よい光だった。
「でも……死にませんか?」
まぁどんな効果があっても……あれと戦うのは嫌だな。
「おそらく大丈夫ですよ。それでは健闘を祈ります」
ロペさんはそう言って俺に笑みを浮かべて……俺が隠れていた岩を壊してどこかに行ってしまった。
「うそだろ……」
岩の破片がワイバーンに当たったのか……それとも音に反応したのか。
ワイバーンが俺の方を見て……吠えた。
「カミシロ!?」
フィルは狐の姿で俺の方に駆け寄る。
本来の姿だからなのかとても素早い感じがする。
「フィル……俺たち生きて帰れるかな」
「そんな弱気じゃだめだよ」
「……そうなんだけどなぁ」
……俺より年齢的に下だろう子に精神面で負けるとはな。
まぁこんな状況だし……別に恥ずかしくはないんだけどね。
”グギャァァォォォ!!”
ワイバーンが俺とフィルに向かって突っ込んで来る。
「カミシロ! 右いって!」
俺はフィルの言う通りに無言で右の方に走り出す。
その瞬間にワイバーンが俺のいるところに突っ込んでくる。
いや……俺のいたところだ。
俺とは思えないような速さで先ほどいた場所から瞬時に遠くに移動した。
「これって……ロペさんの力? それに……メイスが木の棒ぐらいに軽いし」
俺は片手でブンブンとメイスを振る。
「これって……やれるんじゃ」
俺はメイスを片手でギュッと握りワイバーンの頭をめがけて……思いっきりダッシュした。
「うお……!!」
走りだしたら……周りの景色が新幹線に乗っているぐらいぶれて見えた。
「あ……やば」
そして俺は……ワイバーンに思いっきりぶつかった。
「いった……」
「カミシロ! 早く離れて!」
俺は目の前を見ると……ワイバーンが爪で俺のことを切り裂こうとしていた。
あ……終わった。
俺は目を閉じる。
「まぁ……やっぱりこうなりますね……償いの爪」
俺の体が切り裂かれる感覚はいつまでもなかった。
ロペさんの声が聞こえる。
俺はゆっくり目を開けると……ワイバーンの胴体が三本の黒い爪で切り裂かれていた。
「さて……そろそろカミシロ様に付与した魔法も消えますし、一度休憩にしましょうか」
ロペさんがそういった後俺を包んでいた光は完全に消えた。
「死ぬかと……おもった」
「カミシロ! あんな危ないことしちゃだめだよ!」
「まぁ何事も経験ですね」
よし……ネタを求めて三千里してきます!
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