ロペさんの地下室
俺はロペさんの家に厄介になることになった。
どうやら酒場には地下室があってそこを自室などにするのがここでは当たり前だとロペさんが言っていた。
ジェラルさんたちが酒場を出て行ったあと、俺はフィルに地下を案内してもらうことになった。
……といっても案内されるほど広くないというか、なんだろうただのアパートの一室みたいな感じだな。
「えっとね、ここがロペさんの家だよ」
「思ったより……広いね」
俺がここから見える範囲では左奥にベットが二つあって右奥には……個室みたいな? ところが一部屋。
手前には机と椅子、それとキッチンみたいなもの。
あとは本棚が三個とクローゼットがあった。
「えーと、紹介できるもの……」
フィルはあたりを見渡すが……特に紹介するものもないと思ったのかがっかりとしていた。
……まぁ俺としては何故か電気のない世界なのに地下が明るいことにちょっとびっくりしてるけど。
きっとスキルとかなんだろうな……きっと考えたらだめなんだろうけど後でロペさんに聞いてみよう。
「そういえば、カミシロ様のベットがありませんね」
急に後ろからロペさんが現れる。
いや地下に行く階段にいたのが悪いのだが……足音とかないのはビビる。
「えっと、気にしなくても」
まぁそりゃ床で寝るのは嫌だけど寝床があるだけでも。
「いえ、お客様なのに……どうしましょうか」
ロペさんは困ったように手を顎にあてる。
「なら私と同じのでいいよ」
フィルはベットの上に乗りながらいう。
「……フィル様がそれでいいのであれば」
「? 別にカミシロだったらいいよ」
俺はロペさんと顔を見合わせる。
きっとフィルには深い意味はないのだろう。……いつの間にこんな汚い大人になってしまったのか。
「……なら今日は、明日には新しいのを買ってきますね」
「あっと、ありがとうございます」
俺は階段から降りて本棚に置いてある本を一冊とる。
本棚にはびっしりと本が入っていた。
表紙を見てみると……見たこともないような文字が手書きで書かれていた。
ペラペラとめくってみると絵と文字が書かれていた。
なんだか昼間に見たスライムのような見た目のやつと狼のようなやつの絵が描いてあるページを見つけた。
「あーロペさんのモンスター図鑑だ! なつかしいな」
「この絵はロペさんが?」
「そうですよ。ちょっと世界を回ってた時があったんです。その時に書いた図鑑です」
ロペさんは別の本棚から似たような本を取り出してしみじみと見ていた。
俺の角度からは本の表紙しか見れず何のことが書いているかわからなかったが……きっとロペさんの図鑑なのだろう。
「ちなみにですけどマラン様と一緒に世界を回っていたんですよ」
「へぇそうなんですね」
「ほんと、ロペさんどうやって母様と一緒に旅するきっかけを作ったの?」
するとロペさんはちょっと恥ずかしそうに少し顔を赤らめた。
「それは……おいおい話しますよ。さてフィル様、先に水浴びをしてきてください。服はいつものところにありますから」
「はーい」
フィルはクローゼットのようなものから着替えを取り出して個室のような……あそこシャワールームだったのか。
「さて……カミシロ様、せっかくですし」
ロペさんはキッチンの方からワインなどが入っていそうな瓶をとりだした。
「俺、あんまり強くないですよ」
「私もです」
俺とロペさんは椅子に座った。そしてロペさんは白ワインのように透き通ったものをグラスに注ぎ始めた。
「ロペさん、これはなんて名前なんですか?」
「これは”ソステニトーレ”というヴィーノです」
そしてヴィーノの入ったグラスを渡した。
ヴィーノってチカさんが頼んでいたやつだな。
液体の色は透明のような、本当に白ワインに近いな。
「これは私の故郷で作られてるヴィーノなんですよ」
「へぇ地域によって違うんですね」
色々な種類や地域で違うあたり、本当にワインにそっくりだな。
「いろんなものがありますよ。まぁ私自身そこまで飲む方ではないんですがね」
確かに……すごいちょっとずつしかのんでないな。でもなんだか絵になるな。
「そういえばロペさんっていくつなんですか?」
「私ですか? 私は……確か二百と四十ちょっとですかね」
「……はぁ。に、二百ですか」
そういえばダークエルフって言ってたけど……全然二十代ぐらいにしか見えないな。
まぁロペさんみたいな人が嘘をつくとは思わないけどなぁ。
「私はなかなか長生きしてる方ですけどね。それでカミシロ様はいくつなんですか?」
「俺は二十八歳です」
「まだまだこれからですね」
そうか……一応ロペさんの十分の一ぐらいしか生きてないんだもんな。
まぁそれでも……そろそろ三十路だもんな。
「そうですかね」
「ええ、せっかくですのでいろいろやってみるといいですよ。経験するのが大切ですよ」
きっとロペさんの落ち着きも経験から来てるんだろうな。
「……そうですね。せっかくですから、俺も世界旅行してみようかな」
「なら、もうちょっと強くならないとですね」
「まぁそうですね」
「心配しないでください。ちゃんと鍛えてあげますよ」
するとロペさんはニヤッと笑った。
「あっと、お手柔らかに」
「ええ、わかってますよ」
今日もペグざく!
そろそろ僕の中ではネタがいないなぁ。
とりあえず今日はボディについて……
ギターの弦を弾くところですね。
アコギだと空洞が空いてるところですね。
……それぐらいですかね。
まぁ写真で確認してみてください。
じゃあ今回はこれにて!