外伝;ただのアルバイトの三上です
初めに言う……俺って普通の高校生だし、ただのバイトだ。
受験は指定校推薦で早めに決まって今では人気のない喫茶店でバイトをしているのだ。
いや……していたかな?
だって今、勤めてるバイト先が大炎上……ネットとかじゃなくて。リアルで大炎上しているのだ。
話はちょっと前に遡る。
俺はただ学校帰りに地元の喫茶店でバイトをするために中に入った。
この喫茶店は親戚のおじさんの店なので雇ってもらっている。
この店は平日も休日も全然人がこない店だ。
おじさんの自営業なのだが……どうやってやりくりしているのかが気になるな。
ちなみにバイトは僕だけだ。
そりゃ店に人が来ないような喫茶店でバイトを多く雇う余裕なんてないだろう。
「悠斗君、ちょっと買い出し行ってくるから後よろしく」
「了解です」
おじさんは俺がバイトに来た途端に直ぐに買い出しと称してどこかに出かけてしまう。
帰ってくるのはいつもきまって5時間後だ。
それまでは俺一人で接客や料理などを作らなきゃ行けない。
まぁ料理を出す相手も接客する相手もいないんだけどな。
そんな人が来ない状況がだいたい2時間ぐらい続く。
その間俺はスマホをいじったりして時間を潰す。
後1時間程したら高校の同級生が話し相手に来てくれるのだ。
…………暇だな。
俺は一応隠れながらスマホをいじるため厨房の中にいた。
まぁ万が一にも客が来た時に印象が悪いし。
しかし、その気遣いのような行為が俺の寿命を縮めることになった。
“パチパチパチ”
なんか店の中から変な音が聞こえるな。それに焦げ臭いし。
俺は厨房からホールに出て店内を見る。
……すると店のドアが火に包まれていた。
「…………あっ、消火器なかったっけ!?」
俺は慌てて消火器を取りに行った。
この店の出入口は今燃えているドアしかない。
つまりこのままだと……
「えっと……確かここら辺に……あった!」
俺は消火器を持って燃えているドアに向かった。
……しかし時は既に遅かったようだ。
もう店内に火が燃え移り……消火器で鎮火出来るレベルではない……気がする。
「……嘘だろ……クソ!」
俺はとりあえず……火を消そうと試みる。
しかし……全然消火器の白い粉が火の根元に当たらず……火はほとんど消せないまま消火器が空になってしまった。
「あ!? なんで出ないんだよ……クソすぎるだろ!」
俺は日に包まれていく店内から逃げるように厨房の中へと逃げる。
「なんで……なんでこうなったんだよっ!」
『このままだと死んじゃうね』
すると髪の毛の白い……神秘的な少女が俺の隣に立っていた。
「うわ! ……君は?」
『私は「観測者」。へぇ三上 悠斗。高校も大学も推薦系で受かるような真面目な人なんだ。まぁいくら真面目でもここで死んだら意味もないけどね』
死ぬ……まだここには火が回ってなくいつも通りの厨房だが。
いつもと違う焦げ臭い匂いが……この厨房にも蔓延していた。
「死んだらか……なんとか出れるようにしないと……」
『ねぇ助けてあげようか?』
「……?」
『ちょっと痛いかもしれないけどね。でも助けてあげる。その後はあなた次第だけどね。どうする?』
「じゃあ……うん。頼むよ」
すると観測者と言った少女は……外国語とも思えないような……なんだか魔法のようなものを唱えた。
『分かった。せいぜい観測者を楽しましてね』
「あれ? さっきの女の子は?」
……気がついたら先程の神秘的な少女はどこかに行ってしまった。
もしかしたら俺の幻なのかな?
……いやそんなこと考えてる場合でもないかな。
ただなんか頭がボーッとしてきたしな…………
「……ーい、おーい生きてるかーい?」
……あー体がダルいな……ってか寝てる場合じゃ。
「やば! 今どうなって……る?」
俺はあたりを見渡すと……草原? うん見渡す限り背の短い草が生い茂る草原にいた。
そして隣には……真っ黒な服を着て……額? から細長い角のようなものが二本生えている男がいた。
極限まで真っ黒だが……顔はシュッとしていてテレビとか芸能人のような恰好よさだった。
「おー元気そーだなー」
「……えっとあなたは?」
「俺は四代目ノワールだ」
「の、ノワールさんですか……俺は三上 悠斗です」
「ミカミかー。なら俺の店にいくぞ」
そう言ってノワールさんは俺のことを軽々と持ち上げる。
「うわ! なにするんですか」
「ミカミもこんなところで死にたくないだろー」
ノワールさんがそういった直後俺がいた草原がぱっかりあいた。
まるで生き物の口のように。
「おー危なかったなーミカミー」
「あの……これってなんですか?」
「あいつは……えーと”ソル・ㇷ゚ワゾン”っていうモンスターだ。見分けるのが難しいのだよなー」
そう言ってノワールさんは空高くまで飛んだ。
「黒の炎」
ノワールさんがそうつぶやき指でモンスターと呼んだ化け物のことを指さす。
するとモンスターから黒い色の火柱が立ち……火柱が消えたころにはモンスターの姿はなかった。
「さてこれから俺の店に行くからなーミカミー」
「え? あーと……わかりました」
するとノワールさんはニコッと笑って地面に着地する。
……さて俺はいったいどうなったんだ?
ペグザクですか?
今日は外伝なので……
ま、まぁたまにはおやすみなんてあってもね!
豆知識ですけど切手を舐めると2キロカロリー消費するんですってね。
ホントかどうかは知りませんが。
あー雑すぎしつれい!
次から本気だすんで!