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伝言は覚えてないとね

神代がライブをやったようです。

 俺は今までに無いほどの人数を相手にギターの弾き語りをした。


 正直弾き語りは趣味でたまにやるぐらいで基本はゴリゴリのロックの曲をやってるのだが……


 もしかしたら弾き語りの方が売れてたかもな。


 まぁ……そんなわけないだろうけどね。


 それに今回はバラード系だけでなくロックっぽいのもやった。


 まぁそれもそこそこ盛り上がったのだが……やっぱりドラムとかベースとかいないし。


 それにバラードのほうもそうだけどマイクがないから声が届かないし……問題は多いな。


 まぁ楽しかったけど。


 ちなみに即興ライブはさっき終わった。


 ロペさんの”店じまい”の合図のような拍手で観客が波が引くように帰っていった。


 店に残ったのは最初にいたメンバーだけだった。


「カミシロ様、お疲れ様です」


 ロペさんは俺に透き通った……水のような。


 あ、ただの水だ。


「ありがとうございます」


「カミシロ……おまえ、すごいな」


「何時間ぐらい一人でやってたんすか?」


 ラルとジェラルさんが俺の近くにくる。二人とも盛り上がっていたせいなのか……ちょっぴり疲れているかんじだった。


「何時間ぐらい……やってたんだろう」


 俺はギターもろもろをかたずけながら考えてみる。


 曲数でいうと……13、14曲ぐらいかな。てことは……大体一時間か。


 そういえば声がガラガラだし。


「……あ、そういえばジェラルさん。伝言が」


 そうだ。マランさんから伝言があるんだよな。忘れる前に。


「ん? 俺に伝言か? ってことはマランさんからだな」


「そうです。えーと、なんだか聖王軍? ってやつの動きがおかしい……って言ってました」


 するとジェラルさんは神妙な顔になった。


「やっぱりか……あぁすまんなカミシロ! ありがとな。おい! チカ! ラル! 急いで帰るぞ!」


「了解っす!」


「はい? なにかあったのですか?」


 ラルは近くにいたのですぐに帰る意味が分かったのだろうけど……チカさんは遠くの方にいたからな。


「やっぱり聖王軍の奴らが何かするみたいだ! 遠征組を呼び戻して何があったか聞くぞ! そしたら作戦会議だ!」


「……そういうことですか。わかりました」


「すまんマスター、俺らはこれで!」


 そういうとジェラルさんたちはいそいそと出て行ってしまった。


 またお会計してないよなぁ。


「カミシロ様、よく覚えていましたね」


「さっきまで忘れてましたけど……やっぱりなにか起こるんですか?」


「さぁ、私はただの酒場のマスターですから。ただ戦争は嫌ですね」


 ロペさんは少し寂しそうな顔をしながら言った。


 昼間でもないけど……助けてくれた時はすごく強かったしなぁ。


 なにか過去にあったのかな。


「ねぇカミシロ、さっきやってたやつって何て言うの?」


 ちゃっかりカウンターの奥に避難していたフィルが俺のところに来る。


「さっきの……うーん、弾き語りっていってね。……説明が難しいな」


「私も歌、歌ってみたいな」


 あ、歌はこの世界にもあるのか。……どんな曲なのか聞いてみたいな。


「フィル。そういえばさっきマランさん……フィルのお母さんにあったよ」


「え!? 母様が町に来たの?」


 フィルは相当驚いているようだ。


 顔を見ただけでもわかるのだが……頭についているキツネ耳がピンと立っている。


「そうですよフィル様。随分カミシロ様と仲良くしていましたよ」


「……ほんと? あの母様が? 話すといってもロペさんぐらいなのに? それに最初あった時の印象悪そうなのに……」


 ……なんだか、随分人見知りなんだな。


 それにやっぱりロペさんってマランさんに信頼されてるんだなぁ。


「えぇ、私よりも仲がよさそうでしたよ」


「ふーん」


 フィルは随分と珍しいことを聞いたような反応をしていた。


「そうだ、フィルにも伝言があるんだ。しばらくロペさんのところにお世話になってって」


「わかった!……それよりカミシロはどうするの?」


「俺? 俺……」


 そういえばどうしよう……ジェラルさんたちのところは……なんだか行きずらいし。


 お金は全くないし……そういえば服向こうに置きっぱなしだな。


「カミシロ様。行く当てがないのでしたら、ここで住み込みで働いては」


「え? いいんですか?」


「えぇ、カミシロ様のおかげで……今日で一か月分の稼ぎができましたし」


 そう言って重そうな袋をカウンターから引っ張りだす。


 袋からジャラジャラと音が出ていた。


「……ならぜひお願いします」


 こっちの料理は分からないけど……飲食店でバイトはした事あるしね。


 それにもしかしたらギターを弾いてるだけでいいかもしれないしなぁ。


「わかりました。ついでにカミシロ様を鍛えてあげますよ」


「やったねカミシロ! ロペさんに鍛えてもらえばすぐに強くなれるよ!」


 ……だからフィルは伝言を伝えた時にうれしそうだったのか。


「ならついでに歌もおしえるよ」


「ほんとに!」


「しばらくは楽しくなりそうですね」




 こうして俺の異世界での一日が終わった。


 ……てか今日一日の内容濃すぎないか?


 まぁ何事もなく……それにライブもできたし。


 いい一日だったな。

はてはて!

今日もペグのざっくりギター講座です!


今日は……歪み(ひずみ)について。


……あー、次話に回したけどなぁ。そんなに説明出来るほどの技量とかないからなぁ。


とりあえずざっくり言いますと、ロックっぽい曲の時になるギターの音とかですかねぇ。


これに関しては『ギター 歪み 音』とかで調べて聞いてもらうのが1番なんですよねぇ。


まぁオマケコーナーのざっくり説明なんで。


申し訳ないですが丸投げの形を取らせて貰います。


……ってことで今回のペグのざっくりギター講座は終了です!


また次回ー!



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