マランさん
ロペさんに窮地を救われたら呼び出されました。
俺は松明の灯りを頼りに夜道を一人で歩いていた。
本当は一緒に行く人が欲しかったんだけど……フィルとジェラルさんは議論しているし。ラルはかっこよく更衣室を出ちゃったばっかりに誘いづらいし。チカさんはなんだか忙しそうだし。
仕方がないので俺は一人でロペさんのところに行くことにした。
ロペさんの店の周りは飲食店っぽい感じのが多かった。
中に入ったわけではないがそこら中から料理の独特なにおいがするからおそらくそうなのだろう。
時間的にも夜ご飯の時間なのかあたりが賑やかになっている。
ってかさっきのゴロツキみたいな厳つい人たちが多いな。
これが夜の顔ってやつだな。
まぁだからといって誰かに絡まれることはなく、普通にロペさんの店まで来た。
中は他の店とは違い、人の気配というか賑わいが感じられなかった。
てか看板に昼間と同じ『仕込み中です』みたいな看板がかかってるし……入ってもいいのかな?
まぁ向こうから呼んだんだし……ものは試しだな。
俺は扉を開けると”チリンチリン”と鈴のきれいな音が聞こえた。
中には人はいない……いや一人、獣耳の女性がいた。
どこかで見たことあるような……暗いからよく見えないけど。
「いらしゃいませ。 カミシロ様」
カウンター越しにロペさんの声が聞こえる。
「あ、さっきはありがございました」
「いえ、たまたまですよ。それよりこちらに」
ロペさんは獣耳の女性の隣に座るように促してきた。
この人が会いたいって言ってた人かな?
「それでは少々お持ちください」
ロペさんは奥の……厨房の方に行ってしまった。
「…………」
「…………」
二人の間に気まずい空気が流れる。
まぁ初対面でしゃべるのは……好きではないができなくない。
だけどこの静かな雰囲気で……獣耳だけどめっちゃ美人だし。
てかしゃべらなきゃだよな……席が結構あるのにわざと隣にしてきたんだし。
ここは俺からいかないとな……
「あの……」 「その……」
まったく同時だった。
まるで事前に言うタイミングを決めていたかのように。
「あっと……先いいですよ」
「いえ……大丈夫ですよ」
……またというかもっと気まずい空気が流れた。
漫画とかで見たことは見たことある状況に……まさか自分がなるとは。
って一応異世界転生っぽいことしてるやつのセリフじゃないんだろうけど。
「…………」
「…………」
お互いに沈黙が続く。
さっきより喋りかけづらくなったしな。
「こちら、ヴィラになります。それでは」
ロペさんは昼に出してくれたビールのような飲み物を俺の机においてまた奥へと消えてしまった。
……いくらか気まずさがなくなった。
今度こそ……
「あの、カミシロ ユウですよね」
「えっあ、はい。そうですけど……」
……先に話しかけられるとは思ってなかったけど。
なんで俺の名前をフルネームで……
「その、昼間は……本当にごめんなさい」
獣耳の女性が椅子からたって深く頭を下げた。
昼間って……もしかして九尾なのかな?
「あー、……気にしてないですよ」
……気にしてないわけないのだが。
いまから何か言ってもしかたがないしな。なにより俺に被害なかったし。
「良かったです……許してもらえないかと思いましたよ。
それと私、マランっていいます。普段は昼にあった姿なんですけど……町の時は人型になるようにしてるんです」
獣耳の女性……マランさんが頭を上げてニコッと笑った。
てか誰かに似てると思ったらフィルか。笑顔とか……結構ってかめちゃくちゃにてるな。
「自分から謝るのはいいことですね」
俺のカウンターの前にはロペさんがいた。
さっき奥の方に行ったはずなんだけど……急にきたな。
「別に……色んな所に異界の旅人はいるって聞いてますし。
何より最近は異界の旅人が向こうの軍に配属されたと聞いたので、この町を守護するものとして警戒しますよ」
マランさんはロペさんに向かって自分は正しいと主張するように言葉を放つ。
なんだろう……長年のコンビみたいな安定感があるなぁ。
「あの、俺のほかにもいるんですか? 異界の旅人って呼ばれる人が」
「はい。確か聖王領に三人。人間領に三人。そしてここ魔王領にカミシロさん含めて三人です」
ロペさんがスラスラと答える。
……ってことは九人いるのか。
決して多くはないんだが……てっきり二、三人かと思ってたからなぁ。
「やっぱり……随分と詳しいですね」
マランさんがロペさんのことを呆れたような目つきで見る。
……たしか魔王軍と聖王軍って戦争みたいなことしてるんだよな。
「これでも酒場のマスターですから」
ロペさんはさわやかな笑顔でいった。
「あぁカミシロ ユウ。伝言を頼んでもいいですか?」
マランさんはなにか思い出したかのように俺の方に顔を向けてきた。
「神代でいいですよ。それで、伝言とは」
「わかりました。ではまずフィルにしばらくはまたここでお世話になるようにってこと。
それと支援部隊の皆さんに……聖王軍の様子がおかしいので注意してください、とお伝えください」
それだけか……ってなんか物騒な感じだな。
「わかりました」
マランさんは椅子から立ち上がり店の出口の方に向かっていった。
「それでは。……最後にカミシロ、その魔装……次町で魔力を通したら破壊しますからね」
そういってマランさんはいたずらっぽく笑って店から出て行った。
……次って。一回更衣室でなんかYESを選んだからなぁ。ばれてたのか。
「マラン様が初対面の方にあんな顔を見せるとは。随分と気に入られてますね」
「そうなんですか」
……俺はカウンターの机に置いてあるヴィラという飲み物を飲んでみた。
随分と……ビールにしてはアルコールが強いような? なんか新鮮な感じだな。
「マラン様、またつけですか」
ロペさんが残念そうにマランさんが座っていたところに置いてあるグラスをかたずけ始めた。
……そういえばこの店、お会計してるの見たことない気がする。
すると突然、お店のドアが勢いよく開いた。
「おっす! 邪魔するぞ! ……ってカミシロじゃねえか! はやいな!」
「隊長、今日お金あるんすか?」
「あ、カミシロ―! メイス忘れてたよ」
酒場が一気に騒がしくなった。
「さて、開店しますかね」
どーも!ペグです!
今日もざっくりします!ペグザクです!
さて今回はネックです!
はい、前回フレットを紹介したんですけどこっちを先にするべきでしたね……
ネックとは手を握る位置……ギター板全体のことですね(まぁざっくりですけど)
ちなみに頭……ペグがついている場所をヘッド。
そして今回のネック。
最後にボディと呼ばれるところがあります。
多分ですけど頭、首、体なんじゃないですかね(別に調べたわけではないので嘘かもしれません。これで調べるきっかけと……以下省略)
本日はこんな感じです!
いやーよくこのペグザクも続けられるなぁ。
以上今回のペグのざっくりギター講座でした!