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第62話.シャイなあんちくしょう


〈雑貨屋〉君の商品仕入れ先には、個人だったり会社だったりといろいろな取引先があるが、その中の個人で商品作製している某取引先の人は、特殊性癖だ。ーー訂正、個人で商品作製している人たちは皆特殊性癖だ。



そんな個性がキラリと光る人と、知り合う機会があったのだが、あれは仲良くしたらダメな類いの人間だった。


お菓子あげる(巧みな話術)で巧妙な罠に嵌まった私は、危険人物と二人きりに。そしてヤツの手が首にーーー人生最大のピンチに陥った私の運命や如何に



か弱い乙女のピンチなのに、何故か駆けつけないヒーロー。ーー私が乙女ゲームのヒロインじゃないからですか。ーー酷い差別である。


ゲームや漫画の助けられ要員系女子ではない私は、お菓子を買ってもらえなかったのでーー違った、世の無情を嘆きながら、ヤツの指を曲がらない方に全部曲げてあげた。


そんなファーストコンタクトの後、指が治った頃を見計らい再訪したら、何故かセキュリティレベルが上がっていた。


シャイボーイなのですねわかります。



シャイボーイの指が治る度に上がるセキュリティ、幾度となく変わる隠れ家。ーーもう何度も会っているんだから照れなくてもいいのに。


何度目かの訪問の時、余程私に会うのが嬉しいのか、漏らしながら服従のポーズを披露してくれました。


心を頑なに閉ざしていた相手が心を開いてくれる瞬間は、何度迎えても感動します。


諦めず訪問の度に指折り(親睦)を繰り返した甲斐があったね。




そんなシャイボーイーー実際はボーイからとっくに卒業してる彼の作るアイテム、【恋人は絞殺魔?】


後ろに付く?が印象を緩和してくれーーてないな、うん。全く緩和されてない。不穏な響きは全然誤魔化されてない。だと言うのに、購入する人が居るのがびっくりだ。


シャイボーイはもしかして何人か殺ってるのかもしれない。怖いですね。



いまだに逮捕されてないのは、お金持ちだからに違いない。これぞ札束マジック。ーーお金、権力、備えあれば揉み消しOK。


お金持ち怖い。



ーー《主、アイテム回収しました》



慈狼から通信がきた。


《ん、ありがとう》


ーー《ずっと装着じゃなくていいんですか?》


《今は他に気がいってて気づいてないが、そのうち気づかれるからね》


ーー《まぁ、そうですね》


《効果あった?》

ーー《あったと思います》


《引き続き様子見といて》

ーー《了解》




アイテムが効果あって良かった。やはり最初から絞殺魔シリーズの超上級者向けにして正解だったね。


初心者向けだったら効果怪しかったかも。ーー因みに初心者だとちょっと絞められながらイチャイチャというものだ。



首絞めシャイボーイが なんでアイテム作ってるかと言えば、アイテム購入者でターゲットを物色するためである。変質者って怖いですね。



今回私が使うためではないが、アイテムを購入したせいでシャイボーイに狙われてしまうかもしれない。


チキンな私はガクブルだ。いつ危険な目に合うかと思うと安眠出来ない。不眠による肌荒れが心配なか弱い乙女の選択肢はひとつ。ーー殺られる前に殺れ。



暫く行ってなかったし、久しぶりにシャイボーイの指を折りに行ってみようかと思います。






良く考えたら使用者は私じゃないから、別に狙われる心配なかった。どうやら肌荒れせずに過ごせそうだ。




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