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【4】


ニヤニヤと嫌らしい笑いを浮かべる男に、最悪の事態を想像する。



「助けて支配者!」

「じゃあ始めますか。」


「うん。」


「な、何する気よ!」


男がベッドに乗り、逃げようとした私を羽交い締めにした。



「いやっ!見てないで止めさせてよ!」


「なんで?」

「なんでって、こんなこと止めさせるのが当たり前でしょ!」


「俺もお前に止めろって言ったけど、止めなかったよね。何で俺だけがお前の言うこと聞かなきゃならないの?」


「何の話よ!」

「何のってストーカー止めろって話以外何があるんだよ。」


「ストーカーなんてしてないでしょ!訳が分からないこと言って誤魔化さないで止めさせてよ!」


「お前にはさんざんな思いをさせられたし、今からお前の苦痛を眺められると思うとすごく楽しみだよ。」



そう言って嫌な感じの笑みを浮かべながら、支配者が私の首を絞め始めた。



「ぐ、ぅ、…っ」

「良いねその顔。堪らなく興奮する。」


…‥.





ガバッー


「はぁっ、はぁっ!……ゆ…め…?」



そこは自分の部屋だった。いつの間にか眠ってたらしい。ーーなんで家に居るんだっけ?



夢から覚めたのに、支配者の愉悦混じりの笑いや暴言、蔑む眼差しや耐え難い苦痛を鮮明に思い出す。



ブルッー


ただの夢なのに、リアル過ぎて身体が震える。ーー夢で良かった。




コンコンー


「…下に来なさい。」


ドア越しにママが言い、私は下に下りた。




待っていたのは、支配者と私の日常を映した映像上映会に両親の叱責。二人を引き裂く転校話だった。



支配者と離れるなんて冗談じゃないわ!





家を抜け出した私は両親に捕まり…




「お前には散々な思いをさせられたし、今からお前の苦痛を眺められると思うとすごく楽しみだよ。」


男が私を羽交い締めにし、支配者が私の首を絞める。



「ぐ、ぅ…っ苦し」

「これから毎日、俺流のやり方でた~っぷり可愛がってあげるね。」



また夢見てるのね!早く、早く覚めて!


…‥





あれから何度目覚めても何も変わらない。


自尊心も反抗心も尊厳も何もかも、支配者に破壊しつくされ恐怖心だけが残った。


どうしてこうなってしまったんだろう?私はどこで間違ってしまったの?



ガチャッー



「ヒッ!」

「酷いな、人の顔を見て怯えるなんて。あんなに可愛がってあげてるのに、そんな態度だと傷付くな。ーーこれってまだまだ俺の可愛がり方が足りないってことか。」


「ぁ…ぁ…、も、許し…」


「可笑しなこと言うね。それじゃまるで俺が酷いことしてるみたいじゃないか。ーー俺がお前にしてるのは酷いことじゃなくて、とーっても愉しくて、最高の快楽を味わえることだよ。愛する男に存分に可愛がられ、お前は今、幸せの絶頂だね。…ねぇそうだろ?」



慣れた手つきで私の首を絞める支配者は、機嫌が良いのかいつもよりも楽しげで、いつもより力が強い。



あ、やべ死んだかもーーそんな支配者の声がやけに遠くて…




・・・・・・


・・・


・・




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