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【2】



「…グスッ、ック、ヒック…う゛ぅ゛っ」



好きな人を隠してたからって、あんな横暴なことを言い出すなんて信じられない!愛し合う二人が何故引き離されなきゃいけないのよ!…やっと私が側に居られるようになって、彼に心から幸せを感じさせてあげることが出来るようになったのに。


孤独に凍てつく彼を愛で暖めて、独りじゃないって教えてあげたのに、愛を知った彼から私を取り上げて、またどん底に突き落とす行為をしようとするなんて、パパもママも酷すぎる!



今は頭に血が上ってあんなこと言っただけって思いたい。明日になれば嘘だよって言ってくれるよね…?ーーでも、言わなかったら?本気で私を支配者から取り上げる気だったら…?


その考えにゾッとした。


嫌よ!嫌嫌!絶対嫌!泣いてる場合じゃないわ!ーー引き離される前に彼のもとへ行かなきゃ!彼のところなら部屋もいくつもあるし、パパとママが二人を祝福してくれるまで置いてもらえばいいわね!ーーそこでハッと気付く。支配者のご両親もマンションに居るってことに。


私のこと気に入ってくれるかしら?私自身だけなら気に入られる自信あるけど、うちは支配者のところみたいなお金持ちじゃない普通の家庭だし、息子には釣り合わないって言われたらどうしよう。すごく不安になってきた。


「支配者‥」



気づけば彼の名前を呟いていた。


彼との今までの日々が思い出され、不安が少しずつ薄れていく。


まだ支配者のご両親に実際会ったわけじゃないのに、会う前からマイナスのことを考えるなんて私らしくないわ!それに、あの支配者を育てたご両親よ?家の格とかそんなことで釣り合わないなんて言うわけないわよね!あんなに素敵な支配者のご両親なんだから優しくて素敵な方達に違いない!


憂いが晴れたらパパとママにバレる前に行動しなきゃ!ーーあ、荷物!荷物どうしよう!?彼に言ったら必要な物揃えてくれるかしら?くれるわよね?お金持ちだし、日用品くらいドーンと気前良く買ってくれるわよね!



そうと決まれば身一つで彼の胸に飛び込もうっと!



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