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【2】




彼の後に続き門を潜り、低木の道を進みマンションへ。


正面にある扉ではなく、横に作られた立派な階段を行く。


階段を上がり観葉植物の並ぶ通路を行くと、その先にホールが現れた。ーー壁沿いには大きめの窓が並び、そこから中庭の景色を楽しめる造りに。



「良い眺め。」

「ん?ああ、そうだね。」



エレベーターに乗り込み、開閉ボタン側に彼が手を添えると上昇を始めた。


階数を示すものが無くて、どこまで行くのかが解らない。エレベーターが止まり扉が開くと、戸建てみたいなポーチと玄関。ーーまさかこの階には一家族だけ!?



「この階って部屋はここだけ?」


「他にもあるけどエレベーターに通した魔力と指紋で、各部屋前に着く仕組み。」


「へ、へぇ、そうなんだ。」



ここってもしかして物凄い高級マンションなのかもしれない。ーー外観からも高級マンションの匂いはプンプンしてたけど。


玄関を開けると、沢山収納出来るシューズクロークと絵画が目に留まった。そして上がる先にはちょっとしたホールがーーってホール!?


どうやら彼の両親はかなりのお金持ちだったよう。


お金持ちのお坊っちゃまだなんて全然知らなかった。この先もこうして、少しずつ知らないことを知っていくんだと思うと嬉しくなる。



横に伸びる廊下を行くと、そっちの方にも部屋があるのかな?ホント広いわね。お掃除が大変そう。やっぱり家政婦さんとか雇ってるのかしら?



「すごく静かね。」

「防音がしっかりしてるからね。喧騒とは無縁だよ。」


「ええと、室内が静かだなって。」


こんなに静かだと、家に誰も居ないみたい。全然物音が聴こえなくて、まるで私たちだけみたいな錯覚が。



「そりゃあ俺達しか居ないし静かだろうね。ーーもしかして会いたかった?」


「そうね、折角だし会い・・・」


そこまで言いかけて気づく。今何て?ーー俺達しか居ない俺達しか俺達しかー・・・



「私たちだけなの!?…うわぁーどうしよう!?どうしたら!?」


「え、何?どうしたの!?何か問題が!?」



私の慌てっぷりに彼も焦って聞いてくる。



「ナ、ナンデモナイヨ(棒)」


探るように見られたけど、二人きりってことに動揺したなんて言えるわけない。私が何も言う気がないのを察したらしく、彼は諦めて正面の扉を開けた。ーーそこにはだだっ広いリビングが待ち構えていた。



私たちが中に入ると薄暗かった室内が明るくなり、テラスへ続くガラス戸のカーテンが閉まる。


チラッと見えただけのテラスもかなり広そうだった。


大勢でバーベキュー出来そう。



「座って待ってて。」

「う、うん。」


ソファに座ってみたものの落ち着かない。




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