表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/152

第54話.神聖なる学舎に獣を連れて来るのは如何なものか



「ああ~ん、もう!今日もすっごい美味しい!こんなに美味しいお弁当食べれて幸せ!私のためにいつもありがとう!大好き!」



エビフライ巻き寿司、キャベツのしゃきしゃきとタルタルソースが絶妙で美味しい。


エビフライはそのまま食べても美味しいが、こうして巻き寿司にしても美味しいんだね。


次は照り焼きチキンの巻き寿司食べよう。こっちはレタスと一緒に巻かれてて、これも美味しい。



次はーーさりげなく渡されたケチャップ風味の野菜炒めを見る。ハム、ピーマン、玉ねぎ、セロリ…


見なかったことにした。



「野菜も食べなきゃダメだ。」

「ええ~、セロリ嫌~い。でも分かった!嫌いだけど、野菜は食べなきゃだよね!」


箸で摘み三原君の口元へ。


「…」

「…」


無言で見つめ合い、先に折れた三原君がそれを食べた。



ツナとキャベツの卵焼き、ラディッシュと大根の甘酢を食べ、野菜食べましたアピール後、茄子とチーズの豚ロースカツを食べた。



「茄子ってそんなに好きでもないけど、これ美味しいね。」


「そっか、それは良かった。これも美味しいから食べてみて。」


渡されたのは


「これすっごく可愛い!」



輪切りにしたパプリカの中に、パセリを散りばめた卵焼きだった。


「可愛いだけじゃなく美味しいわね!」



何これ、嫌がらせ?私に対する嫌がらせなの?



「…三原君、覚えてる?」

「ん?」


「甘くて美味しいから、騙されたと思って食べてみなと三原君が言うから食べたら、結果騙されたあの出来事を。」


「いや、騙してないよ?パプリカは甘くて美味しいよ。」


「うん、パプリカ美味しい!」


「全然。」



卵のみ食べたらパプリカの味がガッツリ染みていて不味かったーーので若干イラッとなった。



「三原君。」

「ん。」


「学校にペットのゴリラを連れてくるのはどうかと。」

「俺のじゃない。」




じゃあ何故三原君の横で昼休みを過ごしているんですかと、問おうと思ったが止めた。



口直しにウナギとアボカドの巻き寿司を食べ、海老とハンペンのナゲットを食べたが、何だかちょっと美味しくない気がしたのは、多分パプリカのせいだろう。




バンッー


「ねぇ、いつまで誘い続ける気なの!?私に嫉妬させるためだって分かるけど、いい加減にしてよ!もういいでしょ!」



ゴリラパワーでテーブルばーん、からの大声。


最初から注目してた生徒に加え、今ので更に注目が増した。



茹でたキャベツの梅干し巻きを食べたら、やけに酸っぱい。



「ハチミツ梅じゃないね。」

「間違えました。」



お弁当を食べていてふと気付く。食べようと思ってまだ食べていなかった長芋と青じその甘辛肉巻きが、いつの間にか一個だけになっている。ーーそしてそれはゴリラの口の中へ。



私の肉巻き・・・肉巻き・・・まだ食べていなかった私の肉巻き・・・・・・



三原君が自分のお皿にあった肉巻きを、素早く私のお皿へとのせた。



見つめると何故かちょっと顔が蒼かった。お腹でも痛いんですか?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ