第46話.お姉さんの為に出来ること
カップ麺が出来上がるまで、食パンを食べる。
菓子パンにどら焼、スナック菓子を食べながら大福を食べ、食パンに戻る。
そして菓子パンへ。
今度は食パンにメンチカツ挟んで食べよう。ーー次は食パンにコロッケを挟んで食べよう。
分厚いお肉のお高めサンドイッチを頬張ってるところで
「で、できました。」
愛想笑いを浮かべつつ、雰囲気イケメン財布改め、カップ麺担当が、カップ麺を差し出してきた。
ズズッ―
うまうま。
久しぶりにカップ麺食べたな。
チラッと視線をやれば、ビクッとしながら『なんですか?』という顔。
「…次のヤツ。」
食べてる途中で次のカップ麺を作らせる。
食べ終わる前に、次が出来上がってるように何故出来ないのか。そんな気配りの気の字も無いようじゃ、この先立派な下僕人生を送れないよ。
特盛カップ麺を何個か食べ、まぁまぁ満たされたが、夕飯を食べましたという気持ちにならない。
小腹が空いた時に食べ、食事までのちょっとした時間稼ぎ。それがカップ麺。
カップ麺=オヤツ
夕飯ちゃんと残しておいてくれてると良いな。気配りの出来る美少年なら、きっと残しておいてくれてるよね。
「カップ麺で小腹も満たされたことだし」
見つめると、またしてもビクッとされる。
どうやらビクッとしないと喋れない病のようだ。
「あっ、お帰りですか?」
期待するようにキラキラする瞳。
安心すると良い。私は空気の読める女だ。全てを口に出さずとも、何を望まれているかちゃんと解る。
立派な下僕になりたいんだよね。
そんな気持ちを込めて、カップ麺担当係の肩に、そっと手を置く。
「ヒイッ!あ、ああっ、アイス、そうだっアイス買ったの忘れるとこだった!アイス食べますよね!今取りに」
何をそんなに慌てているのだろう。私の手から逃れようとするが、勿論逃さない。
「ちょっ、あっ、アイス取って来るんで!」
「終わったら食べる。」
「終わっ…!?なな何がですか!?俺、何かされるんですか!?」
必死な様子って、何故かときめくね。ただ、これが雰囲気イケメンじゃなく、美少年だったら大興奮だったのに、残念。
「聞きたいの?」
「聞きたいです!」
「最初に聞いちゃうと、ワクワク感が半減しちゃうよ。」
「半減しても構わないんで、教えてほしいです!」
「される側の受け止め方次第だけど、・・・・・・・・・・・・早めに快感になると良いね。」
じゃないと、辛く長い時間を過ごす羽目になるからね。
「ヒイッ」
すごく久しぶりだから、加減ちゃんと出来るだろうか。
「加減間違えたらごめんね?ーー多分死ぬことはないと思うし、加減くらい間違えても問題ないよね。」
「あ、ああ…や、やめ」
見ず知らずの私にメロンパンをくれるような優しいお姉さんの為、お姉さんが戻ったら楽しめる仕様にしておいてあげよう。なんて気配り上手な私。