表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/152

第38話.おむすびとおにぎりの違いとは何か考えたとか考えないとか



食堂側のオープンテラスへ行くと、三原君が席を確保していた。



「どこフラフラしてたんですかね。」


「乙女にそういうの聞いたら駄目。」


「…腹壊してるの?」

「メロンパンを求めてさ迷ってた。」


「別に聞いても良い用事だった件。で、買ってきたの?」


「悲しいことに売り切れだった。」



話ながら手際よく、三原君が取り皿に、おかずとおむすびを取っていく。



「コンビニ?」


「ううん、メロンパンで評判のパン屋のやつ。」


「へぇ~。評判のとことか美味そうだね。残念だったな買えなくて。」


「見知らぬ人がメロンパンくれたよ。」


「は?なんで?―ほら。」

「ありがとう。おそらく私のメロンパンへの隠しきれぬ愛に、感動してくれたのだと思う。」


「そんなにメロンパン好きだった?」


「普段はそれほどでもないけど、今日はどうしても食べたかった。」



「「いただきます」」




肉巻きから食べよう。


あ、中にスライスチーズとシソが巻いてあって美味しい。



枝豆おむすびは、刻みしば漬けと枝豆の見た目が可愛らしいうえに美味しい。



「美味い?」

「うん、美味しい。」


「なら良かった。」



こっちの肉巻きは、豆苗を巻いてて食感が良いね。



スクランブルエッグには、オクラと鮭フレーク入れて、味付けはめんつゆだろうか。こっちの卵焼きは――粉チーズ入ってるんだね。



「三原君の作る料理はいつだって美味しいから、幸せな気分になれるよ。」


「そう言ってもらえると、作った甲斐がある。」



カブの葉と鰹節のおむすびは――うん、しゃきしゃきしてる。


こうやって具をご飯に混ぜるおむすびって好き。




あ、キノコと野菜のバター炒めにピーマンが入ってる。さりげなく入れてるつもりかもしれないが、緑色した憎いあんちくしょうの存在感がすごいです。



ピーマンは三原君のお皿へ。


「ピーマンも食べなきゃ駄目だ。」



オカンか。



「三原君、自然界では苦味は毒という認識だから、生き物達は食べないんだよ。」


「自然界では毒だが、人間の世界には、良薬は口に苦しという言葉がある。」




熱いピーマン攻防の結果――私の勝ち。



清々しい気分でミネラルウォーターを飲む。




「肉巻きちょうだい。チーズの方。」



って言ったのに、豆苗の方を寄越すという地味な嫌がらせを受けた。


美味しいから別にいいけど。



肉巻きと、まだ食べてないおかずと、おむすびを取ってもらう。



おむすびは定番の鮭とタラコだ。



肉巻きを食べ、鶏肉の照り焼きを食べ、そして肉巻きへ。



お肉美味しいよお肉。


魚よりお肉が好きだ。

だって魚って骨がめんどくさいし。


魚は骨を取ってもらわないと食べない派です。



「肉ばっかじゃなく野菜も食べなきゃ駄目だ。」



オカンか。




うるさいので、野菜を食べる気持ちで照り焼きを食べる。



「野菜を進めてるのに、なんで照り焼き食べるんですかね。」


「野菜を食べる気持ちで、照り焼きを食べてるんだよ。だから、これは野菜なんです。」


「いや意味解んないです。」



バター炒め(ピーマンオンリー)を差し出される。



見なかったことにしてミネラルウォーターを飲んだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ