表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/152

第25話.このために来てる【1】



時間を適当に潰して来たが、それでも早めに食堂へ到着したため一番乗りしてしまった。


これではまるで、食に対する熱意がすごい人みたいに思われてしまう。


人目が気になるお年頃としては、食いしん坊って思われるのはちょっと遠慮したい。



取り敢えず麺類3種類たのもう。






ラーメン、うどん、焼きそばを食べ終えた頃、三原君がオープンテラスに来たのが見えたので、食器をさげ菓子パンを食べながら移動。




「早く来てたなら席確保しといてくださいよ。天気良いし、危うく座れないとこだった。」


「だって一刻も早く麺が食べたかった。一刻も早く麺が食べたかった。」


「めっちゃ大事なことなのはわかった。」


やれやれって顔で三原君がお弁当を取り皿に取り分ける。




「「いただきます」」




何から食べようかな。


鶏の唐揚げにしよう。


「…??」


鶏??


「…美味しくなかった?」


「これって鶏の唐揚げ?」


「違うよ。豚こまと木綿豆腐の唐揚げ。」


「へぇー。鶏の唐揚げっぽい味だよね。」


「そうだね。」



アスパラのベーコン巻きに、牛肉の佃煮を食べ、海苔が段々になったご飯を食べる。


醤油の染みたご飯美味しい。



食べ終わりそうになると、三原君が新たに取り分けた物を差し出してくれる。



鶏の磯辺焼きに、ハンバーグ。そしてハンバーグからのハンバーグ。煮物と見せかけてハンバーグ。


「ハンバーグちょうだい。」


「野菜も食べなきゃダメだ。」


そう言って山盛りにされたゴボウと人参のサラダと、蛸と空豆のサラダを差し出す三原君。


女子に山盛りを渡すってどうなの。まるで私がものすごく食べる人みたいじゃないですか。


ゴボウのほうはマスタードとマヨネーズのピリ辛で、蛸のほうは甘酸っぱい味がした。林檎酢とか、そんな感じのヤツかな。



次は蛸の煮たヤツ食べよう。


「すごく柔らかいね。」


「美味い?」


「うん。味もすごく好み。」


「それは良かった。」



蛸を最初に食べたのって誰なんだろ。見た目グロくて食べれるか分からないのに、食べようと思うその勇気がすごいよ。


何処の誰かは知らないが、勇者と呼ばれるに相応しい。彼もしくは彼女は、異世界に召喚され、今頃はステータスオープンとか言ってるかもしれない。


そして勇者の称号に相応しく、グロくて食べれるか分からない未開の生物を次々打ち倒し、食糧事情の未来を切り開き、人々の心に希望の灯を灯してくれてることだろう。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ