表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/152

【2】



ちょっとしたイタズラ心からの行動だったが、いつの間にか、痺れた足に触って楽しむことに熱中していた。



こんなにも私の心を夢中にさせるとは、美少年恐るべし。


これが魔性というやつなのだろう。





灘流を弄り倒して満足した後、美羽ちゃんのことを尋ねれば、“魅了”無しでは役に立たないらしい。




「ブレスレット、何時も着用しててくれるか分かんないけどいいの?初対面の俺より、生徒会の誰かから渡した方が着用し続けてくれたんじゃ。」


「別に誰が渡そうが、一度着けちゃえば問題ないよ。」


「あれ?ずっと着用しててほしいんだよね?」


「うん。だから一度着ければ外れないよ。美羽ちゃんが卒業するまでは。」



モテモテ美羽ちゃんはもうお腹いっぱいです。だって演技は棒だし、やり取りつまらないし、私の趣味の邪魔でしかない。



なので魅了は封じさせてもらいました。私が楽しく過ごせるように。




これで生徒会以外の美形さん達の、ごく自然な美形的モテモテライフを盗ーー観察出来るってものです。



「そっか。駒にすんの?アレ。」


「どうしようかな。暫く様子見ってことで。」




灘流が抱きついてくる。


「俺、今日頑張ったと思わない?」


「頑張ったね。」


「ご褒美ちょうだい?」


「何がいい?」


「膝枕。」



そんなもので良いとは安上がりな。



ツチノコ食べたいとか、チュパカブラ欲しいとか、モスマン欲しいとか、フライング・ヒューマノイド欲しいとかの無茶ぶりおねだりじゃなくて良かったよ。



美少年に可愛くおねだりされたら叶えてあげたいが、いつ入手出来るか分からない未確認生物を探して、長々とご褒美をお預けにするのは気まずい。



気長に待ちますよ的な顔をしつつ、内心、神の至宝とも言える美貌の俺を待たすとは何様だ、と思われて過ごすのは嫌だ。※被害妄想



即実行可能おねだりでほんと良かった。




横になった灘流は、なんだか疲れてるように見えた。


いつもの輝きが30%削減されてる気がする。



それでも余裕で眩しいけど。


削減されても眩しいってすごいね。


私には削減出来る輝きが30%もない。



最初から輝いてないから。


寧ろ澱んでる自信がある。



灘流の髪を指で鋤く。



なんというサラサラ感。


まるで猫でも撫でているかのような触り心地。



よーしよしよしよし

よーしよしよしよし



気分は動物王国。



「姉ちゃん。」

「ん?」


もしや動物王国に気付かれた?



「呼んだだけ。」


違った。



よーしよしよしよし

よーしよしよしよし



うむ、癒される。




動物王国か…



私だけのモフモフ王国があったら楽しそう。


好きな時にモフモフ出来る環境とか素敵すぎる。


モフモフも魅力的だが、触るとヒンヤリ系も捨てがたいな。


でも初っぱなから王国だといろいろ大変そう。


やはりここは、小さなことからコツコツと精神で、捨てられた生き物等を見かけたら、家に連れ帰ってお世話することから始めよう。




捨てアナコンダ居ないかな。





「重くない?大丈夫?」


「大丈夫。灘流の髪はいつもサラサラで気持ち良いね。」


「手入れ頑張ってるからね。」


「マジですか。」

「ウソだけど。」


「だと思った。」



手入れしなくてもきれいを保てるとは、さすが美少年クオリティ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ