表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/152

第19話.草食動物ってこんな気持ちなのかも≪灘流≫【1】



「そんなわけでお願いします。灘流さん。」



どんなわけですか?と思わなくもないが、何時ものことだから気にしない。




我が家の…、我が家の?ていうか姉ちゃん作の姉ちゃん迷路と呼ぶのが正しいかな。そこへ転移。



この迷路、ちょっと危ない。



普通の迷路だと思って挑むと、大変なことになるんだよね。



例えば、壁を壊して直進しようとすると、普通の蔦の振りしてた蔦が、巻き付いて身体を千切る。



蔦問題をクリアして壁ぶっ壊せたとしても、足下に落とし穴が出来て、串刺しになったり、酸の中に強制入浴させられたり。



俺が知ってるのはそれくらいだけど、まだまだ有るんじゃないかな。



姉ちゃんて、念には念を入れるの好きだし。



備えあれば憂いなしを実践してる。



つか出入口って何ヵ所かあるのに、何故敢えて出口ないここを指定したんだろ。






目の前の人を観察する。





姉ちゃんよ、心駄々漏れになる迷路て…


迷路の枠組みから逸脱してないかな!?




迷路の干渉力遮断してなかったら、俺の心が駄々漏れちゃってたよ!?



こういうことは先に言っておいてほしいんですけど!!



俺の知られたらヤバい部分が、危うく暴露されちゃうとこだった。



この人みたいに。






妄想ですごく盛り上がってるっぽくて、声掛けずらいのですが…。



俺だったらこんな状態で、知らない奴に話しかけられたらめっちゃ嫌だ。



誰も居ないと思って大声でアニソン歌ってたら、すぐ側に知らない人が居て聴かれてたくらい居た堪れないわ~。



でも、いつまでもこうしてるわけにもいかない。



「え~と、美羽、さん?で良かったかな、名前。」



突然の声に一瞬ビクッとしてこっち見た相手は、小動物っぽい雰囲気の美少女だった。






…見た目だけは。




駄々漏れてくる心もそうだけど、俺を見る目がね、もうね、肉食獣が獲物を見るが如くギラギラしててドン引きだよ!



この場所、媚薬的な物が散布されてるの?



つか、この人の中の俺のキャラ…




下心満載で突っ込んで来たから避けてみたら、めっちゃ文句言われた。




「俺の手を握ってください。」


「は?急に意味分かんない。」



お気付きじゃないと思いますが、いろいろ駄々漏れてますよー。



本人曰く、お得意らしいウルっとした上目遣いで見てくるが、全く心が動かされない件。




さっと手を掴んで転移した。





迷路から出て、道順覚えられないようにアイマスクを渡す。


まぁ、覚えるなんて無理だろうけど念のため。




防犯上の問題で、転移が使えるとこと使えないとこがあるから、ここからは徒歩か移動用乗り物で移動する。



徒歩だと時間かかるし、ずっと手を引くのも嫌だってことで乗り物を選択したわけだけど…




まるで捕らえた獲物を離さんとするかのように、俺をガッツリ捕らえてる。



あれー?おかしいなー。



美少女のおっぱいを背中で堪能してるのに全然楽しくない。



「だって見えないから、すごく怖いの。」



寧ろ俺の方が怖いから!


肉食獣に食らい付かれた草食動物の気分だよ!



さりげなさを装って、身体さわさわしてくるのをやめて欲しい。お触りサービスは実施してないから!



なんなの?痴女?痴女なの?発情期なの?


まさぐらないと死んじゃう病なの?




…ほんと迷路に媚薬的なヤツ散布されてないよな?




好きでもなんでもないヤツに触られるのって、すごい気持ち悪い…。





移動中、姉ちゃんと目が合ったら、『美少女のおっぱい堪能ですね分かります』という目をしていた。




違うんだ姉ちゃん、違うんだ!美少女密着ヒャッホーッおっぱいグヘへのノリじゃないんだ!



楽しんでないから!全然楽しんでないから!






嫌な感じにドキドキして、なんか変な汗が止まりません…







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ