第12話.変態お断り!≪美羽≫【1】
モブ女に、ゲームの世界じゃないって言われたあの日、意識を取り戻した私に待っていたのは、藍蒔の超絶技だった。
藍蒔はとにかく凄かった。
藍蒔がただ触れるだけで、とてつもない快感を感じ、藍蒔が重点をおいて触れれば、更なる快感が私の中に生まれ、翻弄され、惑わされ、自分のあげるあられもない声に羞恥したことも一瞬で、私は藍蒔のなすがまま、時を忘れ、快感に身をただただ委ねた。
あの時のことを振り返ると、なんだか怖くなる。
あれはヤバい。
気持ち良すぎてヤバい。
藍蒔のアレを味わえるなら、なんでもしますとか思わず口走りそうな自分がいる。
後日、生徒会室に呼び出されて、男のシンボルについて、ものすごい根掘りはほり聞かれたけど、曖昧にしか答えられない私を、侮蔑の目で見てきてムカついた。
だいたいなんで男のくせに、女の私に男のアレについて聞いてくんのよ。
えっちの最中にそんなとこガン見してないっての。
そりゃ、口でしてあげたりもしますって女なら、アレを間近でじっくり見てるだろうけど、私はしない。
あんなこと絶対無理!
人間じゃないからシンボルがついてない?
はんっ、そんなわけない。
アイツ等が人間じゃないとかあり得ないし。
人形が頬を上気させる?
青ざめる?
汗かいたり、息が上がったりする?
触れた肌から温もりを感じる?
あり得ない。
確実にモブ女の痛い妄想だわ。
なんかいろいろ拗らせて、そんな妄想が出来上がったに違いない。
…さすがに今はもう、私も彼らを攻略しようとか、侍らせようとか思わない。
あんな変態が攻略対象とかゾッとする。
金輪際変態には関わらず、一般の美形を侍らせようと思う。
攻略本がないから、ちょっと苦戦するかもだけど、まぁ、私って美少女だし、男なんてあっという間にものにしちゃうんだから。うふふ。
さあ、今日も美形を美味しくいただいちゃおっと。
えーと、今日の相手は…
「ヒロ君、待ったぁ?」
「いや、今来たとこ。」
「良かったぁ。美羽、ヒロ君待たせちゃったかと思ったぁ。」
「例え待たされたとしても、美羽のことを考えてれば楽しく待てるよ。」
「ほんとに?…美羽嬉しい。ヒロ君は、美羽といない間も、美羽のこと考えてくれてるんだね!」
「美羽は、俺のこと考えたりする時あるのかな?」
「もちろん!」
ヒロ君の身体とか、ヒロ君としたアレとかコレとか思い出して、今度いつヒロ君としようかって考えてるよ。
「そっか、嬉しいな。じゃあ行こっか。」
「うん!」
部屋でイチャイチャばかりもなんだしってことで、休日はどっか出かけようって誘われてデートなわけだけど、正直めんどい。
そういうのいいから、部屋でイチャイチャしたい。
早くヒロ君食べたい。
ヒロ君とのアレは最高。
私が知ってる中で、ヒロ君が一番アレが巧いんだよね~。
めんどいことに付き合ってあげるんだから、今日はたっぷり奉仕してもらうんだからね!