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第97話.先入観



「行かせねぇぞ。」


次の料理を取りに移動しようとしたら、見知らぬ男が肩を掴んできたので、手をその手に重ねて握る。


「痛ッー!?」



どうやら料理全種類制覇という重大任務を邪魔する気のようだ。


内気な私は人前で相手に注意をして注目を集めるのは遠慮したいので、移動してから注意しようと思う。



「──ッ──ッ£℃★%」



はにかんだ(てい)で重ねられた私の手に照れたのか、言葉にならないらしい。


いかにも俺遊んでますが何か?なチャラい見た目だし、てっきり見たまんま遊んでるのかと思った。意外と純情なんですね。


見た目の先入観で決めつけて申し訳ない──という謝罪の意を伝えるべく更に力を込めてから、重ねた手と手は肩から剥がし、普通に腕を組んでる(てい)で野郎を見たらなんか顔色がおかしいことに。


どうしました?か弱い女子がはにかみながら腕を絡ませただけなのに、どこに顔色がおかしくなる要素が?






人気のない空き部屋に連れ込んだらなんか知らない女子たちがついて来た件。


「放せ!」


ハーレムメンバーが一緒ということで、気持ちに余裕が出来たのか高飛車感が復活したハーレム糞野郎。


ハーレム糞野郎はモゲるべきだと常々思っている。なんなら今すぐ私がもいで差し上げてもいいですよ。


何かを察したように一瞬ビクッとなった後、それを無かったかのようにハーレム糞野郎が高飛車に言い放ってきた。



「お前マジで舐めてんの。あんま調子乗ってんじゃねーぞ。俺が親父にひと言言えば、お前ごときどうにでも出来んだからな。そこを踏まえて対応しないと困るのはお前だって肝に命じとけや。」


「あんたね、理解してないのかしら?それとも理解したうえで、どうせ自分の身に何も起きっこないって高を括ってるのかしら?だとしたら大間違いよ。」


「何が貴女をそうさせるの?ちょっとばかりお金が持てたからって、庶民に毛が生えた程度の力しかないくせに、私たちに舐めた態度が良く出来るものだわ。その図太さに驚きよ。私が貴女程度の立ち位置だったら、とてもじゃないけどそんな態度取れないわ。」


「周りと上手くやっていきたいなら、ちゃんと自分の立場ってものを理解して、謙虚に生きることね。」



自分より格下と思ってる相手は、流れるように罵倒するとか、お金持ちって怖い生物だね。まぁ皆が皆そんな恐ろしい人というわけじゃないけど。ちゃんと品行方正な人たちも居る。私とか私とか私とか。



品行方正でか弱く儚い私は罵倒された恐怖心から声が漏れ



「《集え》」


「うわッ!?」

「「「キャー!」」」



うっかりハーレム糞野郎の服を集めてしまい、うっかり自動亀甲縛りロープを男に投げつけてしまう。



「なんだこれぇえええ!?」


「「「な、な、な、」」」



そして仕上げにうっかり媚薬(極弱め)を部屋に散布しながら、超小型魔法具を良い位置にスタンバイさせ、うっかり外から鍵をかけ、念には念を入れドアがすぐ見つかるのを防ぐ細工を施し、面白映像をバッチリ納められるようにして去るのだった。



ガチャガチャッー


「ちょっ、開けなさいよ!開けな──・・・」





会場に戻り全種類制覇したが、途中で邪魔が入ったせいで食べた気がしないので、帰って何か美味しい物を食べよう。






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