第91話.迷探偵?三原君
お昼食べてる時からずっとたこ焼き食べたいと思ってたので、たこ焼きを食べにステーションビルへ行こう 。
「今すぐ食べたい。」
「何を?」
「三原君。」
「じゃあステーションビルでいい?」
「・・・三原君。」
「何?」
「三原君の返答はおかしくないだろうか。」
「どこが?」
「確かにステーションビルにはお泊まり出来る場所があるよ?食べたいと言われ、じゃあステーションビル。一見筋が通っているように見せて実は通ってないよね。」
「いや、通ってるでしょ。だって今すばるが食べたいものって、たこ焼きでしょ。あそこならいろんなたこ焼き屋さんあるし。」
「何で私がたこ焼き食べたいと分かったのかということは置いておくとして、三原君の態度に物申したい。」
「ん?」
「乙女がものすごく勇気を出し、意を決して食べたいと言ったのに、その態度は如何なものか。そこは言われた男として、俺もすばるが食べたいな(ハート)、くらいのチャラい男が口走りそうなリップサービスが何故出来ないのか。もっとサービス精神溢れる人になってほしい。」
「弁当食べてる時、蛸の話出たよね。」
ジッと私を見つめながら三原君は続ける。
「今日交わした会話を思い起こし、蛸の話したくせにたこ焼き食べたいって言わなかったことに気付いた俺は、すばるが気持ちを隠しているんじゃないかと思った。蛸の話→蛸食べたい。普段のすばるの思考回路から導くなら蛸。だがしかし、蛸食べたいと言い出していない。おかしい。思い付いたらすぐ食べたいと言い出すすばるがそれをしていない。では食べたいのは蛸ではないのか。もしや蛸の足から連想ゲームが展開されフェイクが挟まれている可能性も。今試される俺の推理力。烏賊、もしくはクラゲ──と見せかけて実はやはりここは蛸だろう。──そうだね?すばるさん。」
探偵か。
ドラマの最後の犯人は貴女ですねみたいな問いかけしないでいただきたい。後、私が何か話したらそれを必ず食べたがる食いしん坊さんみたいな位置づけが不服なのですが。
私は断じて食いしん坊などではない。ただちょっと人より食べ物を思う時間があるというだけです。
そして三原君、何故そんなに饒舌なの?