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第87話.美味しいものを求めて



電車で二時間くらいの場所にある、ここって地方だよね?的色合いの濃い都会の端っこの駅で降り、そこからさらにバスで数十分。



バス停側の山に分け入り数分後、灘流に背負われての山道移動である。


言ってみるもんだね、歩きたくないって。




晴れ渡る空を眺め、吹く風が葉を揺らし奏でる音色に耳を傾ける。


感性を刺激され緑豊かな道を行き、排気ガス溢れる大都会では無縁の、爽やかな香りを思いきり吸い込んで満喫しよう。




すーはーすーはー




澄んだ空気の中で嗅ぐ美少年の匂いは格別ですね。



良い匂いを嗅いだら性よ──食欲、うん、食欲が刺激された。



カプー



「ふおっ!?ちょっ、姉ちゃん!?」


「美味しそうだったから、つい。」


「ついじゃないよ!急に耳噛んじゃ駄目でしょ。」


「じゃあ断りを入れ「先言っても駄目。」


「はむはむするくらい、減るものじゃないし良いのでは。」


「はむはむは、くらいで済ませられる行為なのか疑問なんだけど。」


「食い千切らないから、噛んでいい?」


「お腹減ってるんだね。オヤツ持ってきてないの?」


「ポケットのオヤツ、補充しとくの忘れてた。」




不思議ポケットの食料が無くなるから補充しなければーと思いつつ、エロス世界に思いを馳せてたら補充し忘れてた。



「姉ちゃんが食べ物のこと忘れるほどの重大な案件でもあるの!?──異世界侵略計画が行き詰まってるの?それとも気にくわない神を滅する呪文作成に行き詰まってるの?」



単にエロのせいです。



「異世界侵略ね…。美味や珍味あるかな。」


「どうだろね。この世界基準の美味を求めるとガッカリしそうだけど。まぁ、珍味はあるんじゃない?──ほら、飴ちゃん食べて我慢して。」



オレンジ味の飴ちゃんウマウマ。


「喜村さん家ってこっちでいいの?」

「え?」


「え?──えって何?喜村さん家行くんだよね?」


「喜村家行くよ勿論。でも先に、当初の目的であるめちゃうま釜飯屋に行くよ。」


「いや、当初の目的が喜村さん家じゃ。」

「釜飯ついでの喜村だよ。」



まったく灘流は何を分かりきったことを確認してるんだか。



魔法具で美味しい釜飯屋を調べたら、偶々喜村家の近くだったから、釜飯のついでに喜村家に行こうと思ったわけです。



因みに喜村家は降りた駅と違う駅なうえ、駅から車で30分くらいの場所にある。──釜飯食べたらめんどくさくなって寄らない可能性大である。






そんなこんなでやっと到着した釜飯屋は、山小屋風のお店だった。


どうでも良いが、何故こんな辺鄙な場所に店を建てるのか。


訪れるのが大変な場所に店を構えても、客を呼べる俺かっけぇ的ノリですか?


確かに客は呼べてるよ。結構並んでるし。でも、出来ることなら通いやすい場所にしてほしかった。


苦労したら美味しい物は更に美味しく感じるとかなんとか、そういった感情論的なことを言う人がいるが、更に美味しいとかは別にいいので、普通にすぐ行けるとこで苦労せずに美味しい物を食べたいです。



店主オススメ釜飯は、なんちゃら賞を取った山菜釜飯だったので、照り焼きチキン釜飯を注文。山菜食え?食いません。




山菜以外の何種類か食べ、転移で家帰ってもいいかなと思ったが、降りたことのない駅にちょっと興味もあったから、やはり喜村家に行くことにした。



グルメサイトで宣伝していない隠れた名店とかあるかもしれない。あるといいな。



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