第85話.自分を見つめ直す時間は必要
光陰矢の如しーー時間の流れがやたら早い気がする。
あっという間に全てが過去へと変わってしまう。
なんか最近時間の流れのことばかり考えてる気が。
年を取ると時間の経つのが早いとかなんとか聞いた気がするが、もしや私も年なんだろうか。
まだまだ花も恥じらう乙女年齢だと思っていたのに、いつの間にか恥じらえないお年頃だったとは。
自分の考えにショックを受け、分かってるつもりで全く自身のことを理解出来ていないことに気がついた私は、自分を見つめ直す旅に出るべきだと思った。
思い立ったら吉日ーー早速旅支度を始めようと立ち上り
ガシッー
「主、どちらへ?」
葛城に肩を掴まれるの巻。
「ちょっと自分を見つめ直す旅へ。」
「勉強が嫌なのは分かりますが、やらないと赤点ですよ。今嫌なことを済ますことで、後の嫌なことを回避出来るんですからちゃんとしないと。」
ド変態のくせに正論。ド変態のくせに。
「息抜きって必要だと思う。」
「主は常に抜いてばかりでしょう。」
いつもソロ活動してる欲求不満な人みたいな言い方やめてほしいのだが。
「自家用ジェットでちょっと行って来るだけだよ。」
今、郷土料理食べたいんだよ郷土料理。
都内にも郷土料理の店はあるが、やはり本場で食べてこそ美味しさも格別だと思う。
「どうせ今郷土料理食べたい気分とかですよね?出掛けたら料理のハシゴしますよね?だからダメです。」
自分を見つめ直す旅だと言ってるのに、何故郷土料理食べに行こうとしてることがバレたんだろうか。
言ったことをこれっぽっちも信用されていないことが悲しかったので、腹いせに椅子の尻を叩いた(強)
「ぁうッ!ああ、良い!!」
家庭教師が頑なだったのと、合格点取りたい気持ちが強かったので、結局テスト勉強を続け郷土料理は諦めた。