第84話.多分泥棒のせい
休みとは、何故こうもあっという間に終ってしまうものなのか。
特に何もしていないのに、気がつけば終わってた感がすごい。
こんなにも早く終わってしまうことに不信感を覚える。
おそらく私の長期休暇だけ、皆より少ない日数だったと思われる。そうとしか考えられない。
これは時間泥棒的な人が、私の長期休暇から休暇盗んだに違いない。おのれ休暇泥棒め、私の休暇を盗むとは許しがたい。
だがここで、疑問がわく。
何故休暇泥棒は、ごく普通の、か弱い乙女でしかない私の休暇を盗んだのだろうか?ーーごく普通のか弱い乙女だからかもしれない。
おそらくごく普通のか弱い乙女ならば、何かをしたところで反撃されることなどないと思ったのだろう。
自分よりも力の劣る者のみをターゲットに選び、犯行に及ぶ。ーーなんて卑怯な。そんな奴を野放しにしておいていいのか?勿論よくない。
探しだして制裁を加えねば。そして絶対に盗まれた休暇を取り返し、世の中の平和へと貢献するのだ。
そんな訳で泥棒を捕まえることが最重要なので、学校が始まったからといって学校に行ってる場合ではないのだと、生真面目な私は取り敢えず学校まで行って力説してみたのだか、はいはいと軽く流された。酷い。
もっとこう私に対して真摯に向き合ってほしいものだ。出会ったら五体投地してほしい。