第77話.リーズナブルじゃない方
ドールハウスを堪能した後、高架下に出店しているお店を見て歩いているうちにお昼時になった。
「お昼何食べる?」
「三原君は何か食べたいのある?」
「俺はハンバーガー食べたい。」
「良いねハンバーガー。パティのジューシーなハンバーガー食べたい。」
「じゃああそこ行こうか。」
映画とかで見たことありそうな、外国のダイナー風店内は、カウンター席と、テーブル席がある。
ここはハンバーガーの美味しさで人気だから、値段が高めではあるが、いつも混んでいる。どうでもいいが年齢層も高めである。
なので、私たちはちょっと浮いているかもしれない。
「いらっしゃいませ。」
「私が注文するから、三原君は席確保しておいて。」
「ん。ーーマッシュルームのヤツとテリヤキとジンジャーエール。」
「分かった。」
「ご注文はお決りでしょうか?」
「アボカドハンバーガーとマッシュルームベーコンバーガーとーー」
「ハンバーガーまだかなまだかな。」
「そんなすぐは来ないから。」
暫く雑談した後、待ちに待ったハンバーガーの登場。
「お待たせしました。こちらがーー」
お待ちかねの厚みのあるハンバーガーと皮付きフライドポテト。ーー良い匂いに食欲が刺激される。
「「いただきます」」
「マッシュルームはモッツアレラの方ので良かった?」
「うん。」
どれから食べようかな?ーーアボカドバーガーからにしよう。
厚みのある香ばしいフカフカバンズに挟まれた野菜はシャキッとし、食べ応え抜群な肉肉しいパティは、噛めばジューシーでとても旨味たっぷりだ。アボカドが一緒になったお肉は、クリーミーな感じになるね。山葵醤油がとても合っていて美味しい。
厚みのあるハンバーガーはとても美味しいのだが、ちょっと食べづらいのが難点だね。
「この店のハンバーガー久しぶりに食べたけど、やっぱ美味いね。」
「うん。お肉とかいろいろ拘って作ってるからね。」
「俺のヤツ食べる?」
ヘラヘラしながら三原君が聞いてくる。
「・・・・・・いらない。」
「なんでさ?」
「それ、オニオンピクルス入ってるじゃないですか。」
「覚えてたんだ。」
「ピクルス嫌いなの知ってるくせに勧めるとか、意地悪だと思う。」
「ピクルス美味いのに食べないとか損してるなって思ったから勧めたんだよ?」
「嘘くさ。ピクルス入ってること忘れ、ウッカリ食べた私の嫌そうな顔見たいだけだよね。」
「そうとも言うね。」
「酷い。」
意地悪を言う口にポテトを突っ込んであげた。