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第68話.か弱い私は言いなりになるしかなかったのです(悲劇のヒロイン風味



「なんなのアイツ。」


「あの人は女子を釣るため、ヴァイオリンを必死こいて練習してることで有名な人だよ。すごいよね、ただただモテたいがためにヴァイオリンを必死こいて練習するなんて。尊敬するよ、ただただモテたいがために血の滲むような必死こいた練習に明け暮れるとこ。」


「小バカにしてるってことは良く分かった。それにしてもどんだけモテたいんだよ。」


呆れ顔の三原君。


前髪鬱陶しくて気づかれにくいが、麗しいご尊顔でらっしゃるモテリスト三原には理解できない行為だから、呆れるのも仕方ない。



「三原君、誰もが三原君みたいに何もせずにモテリンピックで金を取れるわけじゃないんだよ。悲しいけど、あの人のように血の滲むような必死こいた努力をし、やっとエントリー出来る人が大半なんだよ。必死こかなくても、余裕で金を取れるうっとりするほど綺麗な顔した三原君には分からないだろうけど。うっとりするほど綺麗な顔した三原君には分からないだろうけど。」


「モテリンピックで金を獲得した暁には、すばるに捧げるよ。ーーモテたところで煩わしいだけなのに、モテたがる意味が分からない。」



流石だ。自分の容姿を分かっている三原君は否定とかしない。ここで『そんなことないよ』とかブサイクを舐めてるような発言したら、全世界のモテない男子に闇討ちされるところだったと思う。



職員室に用事のある三原君と別れると、後方からバタバタと忙しい足音が。



「おいぃいいっ!なんで来てないんだよ!?」


「なんでと言われましても。」



今回はついてきてないことに気づいたんだね。途中で気づくとは学習したものだ。


今私は、人が成長した奇跡の瞬間に立ちあった。感無量。



「ホントお前いい加減にしろよな。」



何の用事か知らないが、行くまで執拗に言いがかりをつけてきそうな面倒くさい感漂う男だ。


人目さえなければさっさと口封じーー違った、圧倒的暴力ーーじゃなくて、ここは私が大人の余裕を見せつけて、言うこと聞いてついていってあげよう。(ただし人目が完全にない場所までの限定





やって来たのは練習室(もちろん防音完備)ーー微妙だな。音はいいとして人目的観点はどうだろう。まだお昼休みが終わっていないため、人通りも割りとある。


ここに入るのを誰かに見られた可能性がとても高い。これでは“何か”が起こった場合、犯人が私だとすぐバレるな。



仕方ない、(圧倒的)暴力は無しの方向で。




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