表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生トラック運転手は不憫  作者: あの日の僕ら
序章 前世の記憶
8/37

VIII ウラ⑥

「…真凰さんに、ご提案があります」


 そんな天野を見ていた天使だが、暫くしてから口を開いた。

 提案とは、何なのだろうか。こんな超常の存在が提案することだ。どうせマトモなモノではないのだろう。と、天野は思った。


「…そうです。マトモな提案では、ありません」

「…それを受けなかったら、処分されるのか」

「そんなことはしません」

「いや、信じられない。この変な空間に俺が居るのも、その提案を飲ませる為だろ」


 天使の目が一瞬だけ悲壮に暮れる。しかし、直ぐに切り替わり、元の目に戻った。

 正直怪しさしか感じない。聞くだけでも殺されたり、無茶な提案を提示されて拒否権が無い提案を受ける気はない。

 もっとも、天野は既に死んでいる。なので殺される心配が在るのかすら分からないが。


「聞くだけでも、お願いします。ミカエルの暴挙を、止めることが出来るかもしれないのです」

「…あの女のか。どうやって」

「興味を持って下さったのですね。…まずミカエルが力を持った原因についてお話しします」


 天野が止める間も無く、天使が語り始めた。それは事実を淡々と述べているようだ、と天野は思った。


「私達と同格の天使は、創造神様に創られました。どれくらい前かは、時間の流れが現世と違うので曖昧ですが、大体2000年前でしょうか。それから、名前がないことを不便に思った創造神様が、特に重用していた四人に名を与えました」


「それは、私『ガブリエル』。『ウリエル』『ラファエル』。そして『ミカエル』です。それから問題は起きなかったのですが、ある時、創造神様がお隠れになりました。理由は語られなかったのですが、私達に『権限』を分けて世界を管理するよう命令されました」


「創造神様はその権限を、ミカエルに渡してお隠れになりました。それが、いけなかったのです。元々、彼女は享楽的な所がありましたが、創造神様は個性として矯正なさりませんでした。…そして、彼女はわざと命令を曲解して受け取りました」


「権限は確かに分けられました。他3人にはごく少数しか配られず、彼女がほぼ全ての権限を保有することになりましたが。当然の如く彼女は世界の管理を放棄し、自分の好奇心を満たす為に活動を始めました」


「力自体は私達と変わらないのです。そこで彼女は信仰を得ることを思い付きました。少し複雑なのですが、簡単に言うと生き物に祈られると、その対象に力が集まる、という仕組みです。祈る側も簡単には出来ない技術であり、集めた力も消費すれば自然に回復することはありません」


「その力を絶対にする為に、彼女は更に信者を増やし始めました。信仰させやすい世界に絞って干渉し、力を集めていきました。そして、力、権限共に私達の頂点。実質的な神となったのです」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ