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人生の終わり、冒険のはじまり

「ギャァァァー」


「グルァァァ」


ドカンバキバキズドーン


僕は今、森の中で熊のような魔物と命を賭けた追いかけっこをしている。

なぜこんなことをしているのかというとそれはさかのぼること数時間?前、僕は土砂降りの雨の中走って家に帰っていた。

勿論傘なんて持ってきていなかった僕はすぐさまずぶ濡れになった。

ずっと走っていたので段々走るのに疲れてきた僕は走るのを止めて歩くことにした。

そして家まであと数十メートルのところまで来た時、知らない人にナイフで腹を刺された。

ドス、という音と同時に僕の腹に何かが刺さった。


「え?」


なにこれ?ナイフ?あれ?なんで僕のお腹から血が出てるの?

僕は意味が分からないまま地面に倒れた。

地面には雨に流されて血が広がっていく。

刺されたお腹が熱い。

僕は震える手でナイフをお腹から抜こうとした。

駄目だ腕に力が入らない。息ができない。

苦しい苦しい苦しい苦しい!

ああ視界が暗くなってきた。

もう何も見えない。

雨の音が遠くに聞こえる。


「ヒヒヒヒヒ」


そんな中やたら大きく狂ったような笑い声が聞こえ、それと同時に体の感覚が全て消えた。

僕は・・・死ぬのか。

そう思った直後僕の意識は急速に暗い闇の底へと沈んでいった・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ここは何処だ?」


目を覚ました時僕は見知らぬ白い部屋のような場所にいた。

僕は病院に運ばれたのか?でも椅子もベットも何もないぞ。

う〜んここは何処なんだろう・・・・

そして数分後、僕がまだ考えていると急に大きな声が響いた。


「話を聞いて下さーい!」


僕はその余りの声の大きさに耳を塞ぎながらその声を出した人を見た。

その人はボサボサになった金髪で同じ様にヨレヨレになった妙に飾りの多い服を着て息を荒くしていた。

よし、見なかった事にしよう。関わらないほうがよさそうだ。


「ちょっとー!無視はひどくないですかー?」


そんな声が聞こえるが多分気のせいだ。

そのあとも「おーい!」や「あのー!」と大声で言ってきたが無視をしていると

「三原優斗さん貴方は死んでしまったのですよ!」

と大きな声で言ったのが聞こえた。

え?今あの人なんて言った?僕が死んでる?

ずっとうるさく喚いていた人のその言葉を聞いて僕は固まった。

そして僕が固まっていると「スゥ〜ハァ〜」と息を整えながらその人が近づいてきた。

僕はその人が近づいてくるのを見て

「僕が死んだっていうのはどういう事?」と聞いた。

すると

「そのままの意味です。貴方はついさっき帰宅中に薬を使って頭がおかしくなった人に刺されたんです。というか敬語を使ってくださいよ。」

やっぱり死んだのか。あとなんで僕がこんな変な人に敬語を使わなくちゃいけないの?


「私は女神なんですよ!」


・・・うん?またこの人変な事を言い出したな。


「変な事とはなんですか!本当の事ですよ!」


おっといけない声に出してしまっていた様だ。まあここは適当に返事をしておこう。


「はいはいそうですねー。」


僕が適当に返事をしていると

「貴方絶対に信じてないでしょう!」と怒鳴ってきた。

うるさいなぁ少しは静かに出来ないのか?

「信じてますって。」と言っていると急に目の前にベットが出てきた。


「分かりました。そんなに信じられないなら女神の力を見せてあげましょう。」


そう言ったと共に目の前にあったベットが一瞬で消えた。

そうして自称女神さんがドヤ顔をしてきた。


「で?女神様はベットを出したり消したりする力を持っているのを見て欲しかったんですか?すごいですねー。」


「ち、違いますー!もっとすごいのもできますー!」


僕はそんなこんなで自称女神さんで数分間遊んでから

「それで?なんで自称女神さんは僕に会いに来たんですか?」


僕に会いに来たのには理由があるはずだ。


「え?理由?・・・あっ!」


ハァ〜大体予想出来たけどどうやら僕の前に来た理由をすっかり忘れていた様だ。


「え〜とん〜と・・・何だっけ?」


どうやらこの自称女神さんは相当馬鹿の様だ。


「え〜と・・・そうだ!確か貴方が住んでいた世界じゃない方の世界で何かが起こりそうだったんだっけ?」


「僕に聞かれても分からないですが。」


「まあとにかくそういう事です!」


「どうゆう事です?」


「貴方に異世界に行ってもらうって事ですよ。 説明は良いですよね?では行ってください。」


「いや説明はいるでしょ。」


僕がそういったと同時に足場がなくなった。


「え、ぎゃあああ」僕は雲より高い場所から空をフリーフォールすることになった。

周りは夜なのか星々がきらめいている。

そしてその中でひときわ輝く大きな星がありその周りを九つ程の星が回っているのがすごく綺麗だった。

僕はフリーフォール中だというのを忘れ感動し自然と涙が溢れた。


前を見ると天を突くほどの大きな山がありその周りを飛ぶゲームでおなじみのドラゴンが飛んでいるのが目に入った。

そのまま僕が下を見ると段々と近づいてくる地面。今度は違う意味で涙が溢れ出した。


「転生した途端死ぬとか嫌だ〜」


そんなことを叫んですぐ恐怖で僕は意識を手放した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


チュンチュン


小鳥の鳴き声で僕は目を覚ました。


周りを見るとすごく大きな木が無数に生えていて森の中の様だった。


「僕はどうやって助かったんだ?」


まあ生きてたんだからいいか。

自称女神さんが言っていた事を信じるのならここは異世界・・・なんだよね?

異世界転生って街の中とかから始まるものと思ってたのにここ絶対外だよね。

まずは街を探さないといけないな。

ここがどんな世界なのかもわからないし。


「よし、そうと決まればまずは川を探そう。

川をたどっていけばそのうち街につくでしょ。」


5分程歩き回った時ザァァァーという川の流れる音が聞こえた。

僕はやっと見つけたと思って走り出した。

そして草むらを抜けた時、何かを捕食している熊のような生き物見つけた。

全長5メートルはありそうな体躯、なんでも斬り裂けそうな鋭い爪そして苔が生えているみたいに緑色の体毛。

あいつめちゃくちゃ強そうじゃん。

僕はばれない様にゆっくりと後ろに下がっていった。

その時僕は熊にしか注意を向けていなかった僕は足元にある木の枝に気づかずその木の枝を踏んでしまったのだ。


「パキッ」ビクッ木の枝が折れた音がやけに大きく聞こえた。

恐る恐る熊の方を見るとまだ食べるのに夢中で気づいていない様だった。その事を確認して詰めていた息を吐き出すと下を見て木の枝が周りにないのを確認して熊の方を見ると真っ直ぐこっちをみていた。

一瞬の静寂・・・そして「ガァァァ」と響く雄叫び逃げる僕。

そんな事があり今に至るのだが、逃げている時に気付いたことがある。ずっと走り続けているのに全然疲れないのだ。

そしてそのことを不思議に思いつつもずっと逃げているといつのまにか崖まで追い詰められていた。

やばいやばいやばい僕は焦りながら生き残る為の三つの作戦を考えてそれぞれ脳内シュミレーションしてみる。



********************


作戦一 崖から飛ぶ


崖から飛ぶそして下は尖った岩だらけ


結果グチャ



作戦二 熊と戦う


熊の攻撃を避けようとした、しかし避けきれなかった


結果ムシャムシャ



作戦三 誰かがきて助けてくれる


運次第


********************



全部駄目じゃん、なんだよ運次第って。そんな運良く誰か来てくれる訳ないだろ!作戦一とかほぼ死ぬじゃん。

作戦二の避けるなんて論外だよ!平和な日本で生活していた僕にできるはずないだろ!

僕が誰かに怒りながらそんなことを考えて前を見た時、魔物の爪が迫ってきた。

それが僕にはスローに見えた。

これってたぶん脳が生かそうとして早くなるやつだよね。

でも体の動きまでは早くならないから無理っていう最悪のやつじゃん。

ゆっくりとしかし確実に迫ってくる爪を見てああー迫ってくるぅー動け動けよと言って体を動かそうとすると・・・ヒョイ、スカッ・・・え、避けれたんだけど。

魔物がビックリしてるけど一番ビックリしてんのは僕だよ。

アレー?見える光景だけが早くなって体ははやくならないんじゃなかったけ?

まあ良いこの熊がバランスを崩している間に逃げよう。そう思い走り出した途端ガッ、と足を地面にあったデコボコに引っ掛けてこけてしまった。

僕はまだバランスを崩したままの熊に倒れかかった。

もう終わった。僕の頭の中が絶望で埋め尽くされた。しかし少し手が当たっただけで熊の様な生き物はミンチになった。そしてコトンという音がした。


その魔物“フォレストベア”はAランク(災害級モンスター)に分類される危険度の高い魔物だったのだがあのぐーたら女神がとんでもない力を与えたのでこけた時に少し手が当たっただけでダンプカーに轢かれるのと同じぐらいの威力が出るようになったのだ。

そんな事を知らない僕はあまりの呆気なさに何秒間か呆然とした後熊のような魔物がいた場所に綺麗な宝石のような物が落ちているのを見つけて

「なんだこれ、わかんないけど綺麗だから拾っとこう。」と熊がいたところに落ちていた綺麗な石(この世界では魔石と呼ばれている)を拾って歩き出した。

事情があり投稿が遅くなってしまいました。すみません。

もう少し投稿スピードを上げていこうと思うので応援よろしくお願いします。

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