最後の日常
まだ死にません。
「おい、そろそろ起きろよ。」という声と共に僕は頭を叩かれた。
「ふぁ〜あおはよう翔也もう朝〜?」
「おはようじゃないだろう。もうみんな帰ってるぞ」
「あ、午後の授業の途中で寝たんだ」
「ちゃんと授業をしてないと置いてかれるぞ」
「はいはい」
ちなみに僕の頭を叩いたのは天野翔也、僕と同じクラスで、生徒会長をしている。
彼は勉強から運動まで全てが完璧でイケメンだ。
僕より2センチほど背が高く綺麗に整った顔にすらっとした体型髪は短めで茶髪だ。
運動神経も抜群でそれだけでもすごくもてそうなのに勉強もできるときている。
もちろんクラスの女子からもすごい人気がある。
そしていつでもクラスの中心で先生からも頼りにされている。
なお翔也のファンクラブが同学年の子はほとんどすべてこのファンクラブにに入っているさらに女子の先輩方や女の先生までそのファンクラブに入っているのだから驚きだ。
それに対して僕、三原優斗は勉強から運動まで全てが平凡、クラスの輪にも入らずにいつもアニメやゲームの事ばかり考えていてクラスメイトとすらめったに話さない。
身長は高校1年の平均でイケメンでもなければブサイクでもなく髪は寝癖を直すのが面倒だからいつもボサボサだ。
運動もできなくはないがあまり得意ではない。しかも勉強もあまりできる方でもない。
突出して高いものが何もないのが僕だ。
ちなみに翔也も僕も両方とも年齢=彼女いないれきである。いや翔也は中3の時にいたらしいけど別れたらしい。
本人に理由を聞くと彼女ができたらその彼女が周りから狙われるらしい。そのせいで前付き合ってた子は学校に来なくなったそうだ。嫉妬?って怖いね。
彼は、どういう事か、毎日のように教室の隅っこにいる僕に絡んでくる。
今日も僕を起こした後に
「もうすぐ雨が降る予報だからさっさと帰れよ」といって帰っていった。
帰っていく足跡を聞きながら僕の意識は再び夢の世界へと旅立った。
そう僕は二度寝をしてしまったのだ。
数分後ザァァーという音で僕は目を覚ました。
目を開けて外を確認した後もう一度目を閉じた。その後すぐに
ボタボタボタという音で目を覚ました。そして外を見て・・・
「二度・・・三度寝なんてしなきゃよかった。」
だって外は土砂降りの雨だったもん。
傘を持ってきていなかった僕は「あたらなければどうということはない」と言いながら走りだした。
そしてこの後僕の平凡な人生が終わる事になるのだがそんな事はその時の僕には知る由もなかった。